SDGs時代のキッチンづくり[第3回]

調理&食器洗い中の節水テクニック

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タッチレス水栓に替える

 節水に効果的なものといえば、手をかざすだけで水を流せる「タッチレス水栓」。
 例えば、LIXILのタッチレス水栓「ナビッシュ」は、一般的な水栓(整流吐水型レバー)に比べ24%節水できます(下の図参照)。

「従来型のタイプは、洗い物の途中で別の作業をしたくなった時、水を止める操作が面倒で、ついつい水を流しっぱなしにしてしまいます。多い時には必要量の2倍の水を使うこともあるのですが、タッチレス水栓ならセンサーに手をかざすだけで水を止められるので、節水にとても役立つと思います」

 その他にもいろいろな点で節水に効果的です。

「通常タイプの水栓は、シンクを掃除する時、隅の方はコップやボウルで水をすくってかけ流さなくてはなりません。このため、無駄に水を使ってしまいます。LIXILのナビッシュはホース引出し機能がついており、少量の水で四隅まで流せるので節水になります。

 それに、肉料理を作っていると手が脂で汚れることがよくありますが、その手で蛇口の開け閉めをすると、あとで蛇口を洗わなければならず、水を余計に使うことになります。でもタッチレス水栓ならその必要がなくなるので、結果的に節水になります。節水になる上に、いろいろと便利なので、私も近々ナビッシュに替えるかもしれません(笑)」

キッチンでできる節水の小技あれこれ

 そのほか、キッチンで誰でも簡単にできる節水の小技を教えていただきました。

使う食器を減らす
「昔は食器に凝って一度の食事に何種類も使っていたのですが、最近は1プレートに変えました。食事後、洗わなければならない食器の数が減ったので、かなりの節水になっていると思います」

汚れがつきにくい食器を使う
「油汚れが落ちやすい撥水加工のされた食器がおすすめ。洗い流すときの水も少くてすみます」

洗剤いらずのスポンジを使う
「食器洗いは洗剤を洗い流す時に多くの水を使います。ですので、洗剤がいらないスポンジを使えば、水の使用量を格段に減らせます。この手のスポンジは、超極細繊維が汚れを吸着するので、水でささっと洗うだけで汚れが落ちるんです。さらに自然環境にもやさしいので一石二鳥。数百円で買えるのでお勧めです」

米の研ぎ汁も無駄にしない
「私は米を研ぐ時、ザルとボウルを使います。米を研いだあと、水を替える時にザルを上げ、下のボウルに溜まった研ぎ汁を洗い桶に移し、貯めておきます。これを2、3回繰り返すと、少ない水で研げます。水を切るのも、ザルを上げるだけ。桶に貯めた研ぎ汁は、フライパンを洗ったり、野菜の泥を落としたりするときの最初の水に使っています」

2つの作業を同時に
「味噌汁を作る時に、鍋の内側に小さいザルを引っ掛け、その中に野菜を入れて茹でるんです。肉料理などの付け合せで野菜を作りたい時に便利です。また、蒸し器でスープを作ってその上で他の料理で使いたい野菜を蒸します。これにより、調理用の水を削減することができます」

 ちょっとしたことですが、毎日のことなので「ちりも積もれば山となる」です。今日から試してみてはいかがでしょうか。

SDGsを動画で学ぶ:
「内田篤人のSDGsスクール!」


LIXIL SDGsアンバサダーの内田篤人さんと一緒に、SDGsというテーマを分かりやすく学び、 楽しい実験や体験を通じて、皆さんと一緒に知識を身につけていただくYouTube番組です。

≪お話をうかがった方≫

矢野きくのさん

家事アドバイザー。家事の効率化、家庭でできるSDGsを専門にテレビ・ラジオ・講演・コラム連載などで活動。時短家事、便利グッズ、業務用品の情報にも精通し、大手メーカーの生活用品の企画にも携わる。著書『シンプルライフの節約リスト』『私らしくシンプル家事 時間とお金を呼び込む節約大ワザ、小ワザ』、監修書『50代からの 自宅の片づけ 実家の片づけ』など。

文◎山下久猛
写真提供◎photoAC/Shutterstock/PIXTA

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