お風呂のソムリエ直伝!『バスリビング』

すぐにあたたまりたい!冬のお風呂の落とし穴

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【冬のお風呂は寒暖差に注意】

近年ニュースなどで事故の報告が多い「ヒートショック」。

ヒートショックとは、冬場に暖かな浴室から脱衣所へ出た時、“ヒャッ”“ゾクゾクッ”となる、あれです。 入浴中の死亡事故、 年間1万9千件(※1)、 なんと交通事故の約4倍。(※1 出典:消費者庁2016年1月プレスリリース)全体の約半数が12月~2月の冬場にかけて発生しており、熱い湯に肩まで浸かる日本のお風呂文化が影響しているといわれ、とくに高齢者の事故が多くみられます。

その原因は急激な温度差!

ヒートショックとは・・・急激な温度変化により、体が受ける悪影響のこと。暖房の効いたリビングから、浴室・脱衣所・トイレなどの暖房がない場所への移動、つまり温度変化の激しいところを移動すると、体が温度変化にさらされ、血圧が急変し、脳梗塞や心筋梗塞などのヒートショックを引き起こします。

心臓が弱い方や高血圧の方はとくに冬場の入浴には注意が必要ですが、病気は治せなくても、ヒートショックの対策は簡単にできます。その大切なポイントはたったの3つ。ぜひご高齢のご家族やご友人にすすめていただければと思います。

①脱衣所と浴室を温めます

部屋と部屋の温度差をなくすことが何よりも大切。浴室のドアを開け、脱衣所を暖房機器などで温めます。 適当な暖房機器がない場合は、浴室のドアを開けたまま、少し熱めのシャワーを数分出しっぱなしにして、脱衣所の温度と湿度をあげてから、脱衣しましょう。

②お湯の温度はぬるま湯から

41度以上の高温にいきなり浸かると血圧が上がってしまい危険です。まずはぬるま湯(39度)ぐらいに設定しておくとよいでしょう。入り方は、足元からかけ湯をして、体がお湯になれたらゆっくりと湯船に入り、上がるときもゆっくり立ち上がりましょう。

③湯上りは素早く保温

湯上りはすぐに寝巻きを着るのではなくまずはバスローブを羽織りましょう。これだけで湯冷めを防止することができます。また、肌に必要な水分を蒸発させないので、乾燥予防にもおすすめなのです。バスローブから寝巻きに着替えるタイミングは「汗がおちつくまで」です。

【じつは、お風呂は技術!】

気分や目的、悩みなどに合わせたお風呂技術を習得すれば、健康や美容にとってもさらに有意義な空間として楽しむことが出来るのです。

お風呂のソムリエ直伝!『バスリビング』

松永 武さん

お風呂のソムリエ。温泉入浴指導員。バスリエ株式会社 代表取締役。一般社団法人HOT JAPAN 代表理事。2005年お風呂グッズの専門店開業。お風呂は洗う「場」ではなく「暮らす」空間として提唱しお風呂を通じて暮らしを豊かにするため「全人類!お風呂のソムリエ化計画」を遂行中。
また日本の風呂文化普及のため2015年一般社団法人HOT JAPAN設立。現在、日本独自の文化と言える「風呂」のユネスコ世界無形文化遺産登録を目指し活動中。

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