この夏、電気や水の使用量の大幅減をめざす![第7回]

夏の節水大作戦【1】 水の無駄遣いをやめる方法

空間
その他
関心
ライフスタイルお金

SDGsとの関連性

 SDGsの17の目標と169のターゲットの中には、目標6(安全な水とトイレを世界中に)や12(つくる責任 つかう責任)、14(海の豊かさを守ろう)など、水に関する項目が少なくありません。

「さらに、実は水は電気と密接に関係しています。浄水場や下水処理場での水の処理や、家庭への水の供給などにたくさんの電力が使われています。ですので、節水して使う水の量を減らせると、電気の消費量も減らせるわけです。電気と水は一緒に考えましょう。もちろん、節水は家庭の電力消費量や光熱費に直接影響はないのですが、社会全体の節電に貢献できるのでSDGsの考え方に合致します」

毎日大量の水が使われている

 私たちが生きるために必要不可欠な水。日本は蛇口をひねればいつでも清潔な飲める水が出てくるだけに、私たちは水にあまり気をつかわないのではないでしょうか。
 地球レベルで見ると、人が利用できる水はわずか0.01%しかありません。
 さらに、国連環境計画の発表によれば、今後アジアやアフリカを中心に水不足が深刻化し、2050年には世界人口の約40%に当たる約40億人が水不足に直面すると予測されています。

 LIXILは、節水トイレや水栓金具など、住生活での節水につながる製品・サービスを開発し、水資源の保全に貢献しています。
 また、事業プロセスにおける効率的な水使用を推進するため、生産拠点における水使用状況や地域特性の把握を通した水リスク調査や節水対策、水循環システムを導入しています。

 一方、日本も安心してはいられません。日本の水資源量は年々減少しています。
 それは毎年夏になると各地で渇水や断水が報じられていることからも明らかでしょう。ゆえに、節水を心がけることがSDGsにつながり、私たち自身のためでもあるのです。

水の元から締める

 では、私たちは何に水を使っているのでしょうか。東京都では、
 1位 風呂40%
 2位 トイレ21%
 3位 炊事18%
 4位 洗濯15%
 5位 洗面・その他 8%
 となっています。
(出典:東京都水道局「平成27年度一般家庭水使用目的別実態調査」)

 節水も節電と同じく、SDGsという言葉が生まれるはるか以前から叫ばれてきました。基本は、「使わない時は水道の蛇口をこまめに締める」といったことでしょう。

 東京都水道局の調べによれば、洗面・手洗いで1分間流しっ放しで約12リットル、歯みがきで30秒間流しっ放しだと約6リットルの水が無駄になってしまいます。

 しかし、「すぐに流すし、いちいち蛇口を閉めるのも面倒」ということもあるでしょう。その解決策の一つとして、エコハンドル付のシングルレバー水栓がお勧めです。よく使うハンドル正面の位置で「水」を出せるため、わざわざ蛇口を閉めなくても簡単に水を止められるので、節水効果を期待できます(※1)。
(※1:LIXIL調べ。詳しくはこちらをご参照ください。
 → https://www.lixil.co.jp/lineup/faucet/hint/f_replacement.htm#p04

 また、ひねるタイプの蛇口をお使いのご家庭では、流れ出る水量を少なくする「節水コマ」を取り付ける方法があります。洗面、手洗い、台所のように、流し洗いをする蛇口に取り付けると効果的です。
 蛇口の開度によっては、最大50%の節水効果があります。水道局営業所の窓口で無料配布しているので、手に入れてみてはいかがでしょう。

 また、水栓ハンドル(レバー)を操作せず、水を出し止めできる水栓も節水に効果的。

「手をかざすとセンサーが感知して、自動で水を出し止めできるタッチレス水栓は、こまめに出し止めしやすいので、使用中の水栓締め忘れも防げるので節水にもつながります。炊事や洗面、手洗い、歯磨きは毎日のことなので少しでも楽な方がいいですよね」

※LIXILにも手を差し出すだけで、センサーが完治して水が自動で出るタッチレス水栓があります。水の出しっ放しを防ぎ、節水にも効果的です。リフォームの際に検討されてみてはいかがでしょう。
https://www.lixil.co.jp/lineup/faucet/s/navish-sp/

トイレは最新式の節水モードがお勧め

 トイレは毎日のことなのでたくさんの水を使います。10年ほど前のトイレは大洗浄1回につき約13リットルもの水を使っていました。
 しかし、最新式の節水トイレは1回あたり5リットルと、昔のトイレの3分の1程度。
 4人家族で使った場合、1年間で、浴槽223杯分も節水できます。中には、10年前の約4分の1の3.8リットル(年間浴槽約236杯分)を節水できるトイレもあります。

 例えば、少ない洗浄水量ながら強力に洗い流すINAXの超節水便器「超節水ECO5」は大8L便器に比べ、年間約6,100円、「超節水ECO6」なら年間約4,300円も水道料金がお得になります(※2)。さらに、ECO5は3日で、超節水ECO6は5日で、おフロ1杯分以上節約できます(※3)。
(※2)【引用元】省エネ・防犯住宅推進アプローチブック 【単価】上下水道:265円/m3(税込)※消費税率10% 【試算条件】4人家族(男性2人、女性2人) が大1回/人・日、小3回/人・日使用した場合で算出
(※3)おフロ1杯を180Lで計算

 これらの超節水型トイレを導入すればSDGsの目標達成に貢献できるし、水道代の節約にもなるので、リフォームの際に検討してはいかがでしょうか。

「もちろん、既存のトイレでもできることはあります。便器のタンクについている大レバーと小レバーでは出る水量が違います(※タンクによっても違いますが、LIXILが取り扱っているタンクの場合、大レバーが5リットル、小レバーが3.8リットルが最も多い)。1回あたりの違いはわずかですが、塵も積もれば山となります。大便の時も小便の時も大レバーという人もいらっしゃるかもしれませんが、小の時は小レバーの使用を徹底すれば、年間ではかなりの節水となるでしょう」

≪お話をうかがった方≫

星野智子さん

一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク理事、一般社団法人環境パートナーシップ会議副代表理事。1998年から地球環境に関する国内外の国際会議の運営に従事。2002年のヨハネスブルグ・サミット、「国連持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」推進運動、2010年の生物多様性COP10の市民ネットワーク、リオ+20地球サミットNGO連絡会の立ち上げ・運営にも従事。2003年より地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)の運営に参画、多岐の市民活動に関わる。2012年SDGs策定プロセスが始まって以降、SDGsをテーマとした講演や普及活動を行っている。

文◎山下久猛 撮影◎大平晋也

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)