シリーズ「間違いだらけの部屋掃除」 キッチン編[第2回]

コンロまわりをキレイに保つ、年4回の「プチ大掃除」

空間
キッチン
関心
お手入れ悩みラクラク

最近、使い勝手の良い素敵なキッチンがあっても「汚したくないから揚げ物や手の込んだ料理は極力しない」という家庭も多いそうです。でも、これではキッチンがかわいそうですよね。中村さんは、朝からお弁当に揚げ物も作りますが「日々の片づけ」さえできていれば、リセットは難しくないのだと言います。シリーズ2回目は、コンロまわりのお掃除を中心にお話を伺いました。

ため込んでからでは遅い!

「コンロまわりのお掃除は嫌いな人が多いですよね。汚れは溜め込んでしまってから頑張ろうと思うから大変になってしまうのです。日常的に使ったら片付ける、拭いておく……。このひと手間を加えるだけで、頑固な油汚れと戦う『試練』のようなお掃除から解放されるはずですよ」というアドバイスのもと、中村さんが行っているというお掃除を再現していただきました。

 溜め込まず、毎日汚れたところをサッと拭いてリセットしておく、これはシンクまわりをキレイに保つポイントと同じ。掃除の基本です。

「コンロやそのまわりの壁は、目立たなくても小さな油や汚れが飛び散っています。調理中の汚れは基本的に酸性なのでアルカリ性の洗剤で中和するのがベスト。ポイントは先に洗剤をスプレーしておき、浸透させている間にシンクまわりなど他の仕事をして、しばらく時間をおいてから拭き取るのが正しい掃除方法です」という中村さん。

 アルカリ電解水を壁やコンロに吹き付けた後は、そのまま放置して、シンクの掃除に移りました。

 手早く食器を片付けると、ダスターを片手にコンロ横の壁を上から下へと拭いていきます。「上から順に拭き残しがないよう『コの字がけ』に拭いてくださいね」とのアドバイス。コンロは五徳を取り外して、アルカリ電解水で浮いてきた汚れを一気に拭き取ります。レンジフードも手の届く範囲で、汚れの気になるところは、サッと拭き取っておきましょう。

数ヶ月に1度行うプチ大掃除は便利グッズで快適に

「日常的な片づけならこの程度で十分」と言う中村さんですが、油を使うコンロまわりはスペシャルなケアも時には必要になります。家族の人数や油を使う頻度にもよりますが、中村さんは3ヶ月に1度(年4回)を目安に、レンジフードの中のお手入れも欠かさないと言います。

 まずは整流版を取り外すと換気扇カバーに1枚とファンの手前にもう1枚。フィルターが2種類設置されていました。

「これ、シロッコファン専用のフィルターで、ショップのお掃除コーナーから見つけました。整流版の内側に取り付けるタイプだから目立たないうえに、汚れはキチンとキャッチしてくれます」

「東洋アルミ シロッコファンフィルター」という便利グッズです。使い捨てのフィルターを1~2ヶ月おきに取り換えていれば、ファンはほとんど汚れません。それでもプチ大掃除では、ファンを取外して簡単に拭き取ることにしていますが、換気扇掃除にかかる手間は激減するのだとか。

 ただ、もう汚れてしまっている換気扇なら簡単にふき取るだけでは済まされません。スポンジが油でベトついて不快な思いをするくらいなら、いっそのこと専用スポンジを用意しておくのも1つの手段だと言います。

 中村さんは食器用スポンジを使いたくない場所には「重曹&ゴムのちから」を利用するそうです。このスポンジに水を含ませてこすれば、重曹の力が汚れを浮かし、ゴムラテックスの摩擦力で汚れをかきとる仕組み。強い洗剤で手を痛めることもありません。
 同様の商品は100円ショップでも手に入るそうです。

 中村さんのお掃除には、随所に便利なグッズが登場します。こうしたお助けグッズを上手に取り入れるのも、お掃除を楽しくするコツかもしれません。

一番汚れるコンロのスペシャルケアは、奥の奥まで

 レンジフードの部品をすべて洗うと、次はドライバーを取り出してきた中村さん。なんと、システムキッチンにきちんと収まったビルトインコンロのガラストップを取り外してしまうというのです!

 グリルからの排気を行うカバーを外すと、両脇のネジをドライバーで外します。丁寧にガラストップを持ち上げるとパカッとはずれ、ガラストップと天板の隙間に溜まった小さなゴミを一掃することができました。

 ガラストップを外したら、ついでにグリルからの排気口も取り外してキレイにしてしまいましょう。あとは、手の届く範囲で、ガスコンロの中を拭いていきます。

 取り外した部品を磨き、最後に五徳の汚れを落としたらガラストップを取り付けてコンロまわりのお掃除は完了です。

 システムキッチンの収納力を生かして、シンクやワークトップには、ほとんどモノを置かない中村さんのキッチンですが、掃除に使う消耗品や道具類は、常に決められたスペースで管理されているため、必要なものはすぐに取り出せるようになっていました。

 こうした工夫も、短時間でお掃除を仕上げてしまうテクニックの1つといえそうです。

 次回はキッチンまわりのお掃除をご指南いただきます。

お話を伺った方

中村美香さん

整理収納アドバイザーとして、収納に関する著書多数。ブログ「美しい暮らしのエッセンス」では、すぐに役立つ収納やハウスキーピングの情報を発信中。

文・山田章子 撮影・末松正義 三星雅人

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