いつものキッチンで防災!

どれだけあればいい?食料品の備蓄場所をつくる

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防災整理収納

(参照元 内閣府「防災情報のページ」「東日本大震災の被害(概要)」「東日本大震災水道施設被害状況調査報告書」)

こんにちは!整理収納アドバイザーの川村あゆみです。

災害時に備えて、食料の備蓄をしていますか?水はどれくらい必要?どんな食料を準備すればよい? もちろん準備が必要とわかっていながらも、どういったものをどれくらい用意しておけばいいのか迷い準備ができていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はキッチンでおすすめの食料備蓄方法を具体的に紹介します。

大災害発生時、電気、水道、ガスといったライフラインは大災害発生直後には停止し、利用が困難になります。1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災、2018年北海道胆振東部地震では、各ライフラインの復旧までの日数は図のようになっています。

これらを見ると、電気が一番早く復旧し、次いで水道、最後にガスという順番になっています。 以前備蓄は3日分で十分といわれていましたが、南海トラフ巨大地震対策によると、大規模な災害を想定した場合は1週間以上の水や食料の備蓄が必要と専門家は指摘しています。

1.電気

電気はライフラインの中で、比較的早く復旧します。ガスコンロの代替品となるIHクッキングヒーターやIH対応調理器具、電気ポットがあると便利です。

2.水道

水に関しては、1人1日3リットルが目安と言われています。3リットル×7日×家族人数分の用意があると安心です。水道が復旧しない間は給水車から水をもらえる場合もあります。写真は胆振東部地震で実際に札幌市からいただいた水ですが、給水袋は使用の際には重く使いづらかったので、家庭用水タンクや家中の水筒に詰め替えて利用しました。家庭用水タンクは折り畳み式もあり100円均一店でも手に入りますので用意しておくとよいでしょう。

3.ガス

ガスの復旧は遅くなることから、必需品として準備しておきたい防災グッズが「カセットコンロ」です。 そしてカセットコンロ利用のためのガスボンベを多く備蓄しておく必要があります。備蓄しているレトルト食品などをさらにおいしく食べるために、カセットコンロはとても重宝します。普段の鍋用に準備されているご家庭も多いと思いますので、カセットボンベの買い置きを少し多め(15~20本)にして災害時に備えましょう。(カセットボンベは1本で約60分使用可能) また、冬季の場合は寒さ対策が必要になることから、ガスストーブ以外の暖房器具もあると安心です。

キッチンではローリングストックがおすすめ

2017年ウェザーニューズが全国1.3万人と避難行動の実態を調査しました。「避難所に避難したことがありますか?」などの質問を行い、調査の結果、避難経験率は全国平均で6%となり、最も割合が多かったのは2016年に大地震に見舞われた熊本県で46%と約半数になりました。また、避難すべき状況においてしなかった割合は、全国平均で10%にのぼりました。ライフラインが止まっていても自宅が倒壊してない限りは、避難所よりも自宅で過ごすことが多いことがわかりました。

1週間分の食料となると、何をどう買い揃えればいいか、想像もつかないという人もいるのではないでしょうか。備蓄というと、長期保存可能な特別な食材【非常食】を保存しておくというイメージがあると思います。 そして、備蓄食品はたくさんあるほど安心と思いがちですが、普段食べない食品を備蓄としてしまい込むと賞味期限が切れてしまったことに気づかないことがあり、その場合いざという時に役に立たず、また、食べものを無駄にすることになってしまいます。もちろん非常食も必要なのですが、キッチンではいつも使う食材を多めに購入し、食べた分だけ買い足していく、「ローリングストック」がおすすめです。

「ローリング」=回転させながら、「ストック」=蓄えておく 備蓄法です。

ローリングストックのメリット

非常時にも食べられる食品を多めに備蓄し、日々の暮らしの中でその備蓄した食材を食事に取り入れ、食べた分だけ買い足していくので買い物も基準がわかり楽になります。災害時でも「慣れたいつもの味」の食事がとれるのはストレス軽減にも役立つと言われています。また、食べた分だけ補充するので消味期限切れも防ぐことができます。

ローリングストックのポイント

災害時最初の3日間は冷蔵庫、冷凍庫の中の食材を使い、残りの4日間をローリングストックで蓄えた食材を使います。ローリングストックは消費期限1年程度保存できる食材を準備しておきましょう。(乾物・乾麺、缶詰、レトルト食品、インスタント食品、お菓子など)備蓄食材の賞味期限の順番がおかしくならないよう、使う際には必ず一番古いものから使うようにしましょう。

収納場所はキッチンの引き出し1つなど「食材庫」と決め専用にすることで在庫管理が楽になります。 食材別に箱で仕切ると管理がしやすく収納できます。

食材の量の目安

1食分の食材×3回×4日×家族の人数分

■米・もち

■めん類(乾めん、スパゲッティ、インスタントラーメン)

■粉物(小麦粉、ホットケーキミックス)

■レトルト食品(おかゆ、カレー、パスタソース類)

■缶詰(サケ・サバ・ツナ・コンビーフ・大豆・トマト・フルーツ

■汁物(インスタント味噌汁・スープ・春雨)

■乾物(のり・わかめ・鰹節・ふりかけ)

■菓子類(チョコレート・飴・補助栄養食品) など


いつも食べなれた味を準備しておく

私は災害時、備蓄食材に我が家では食べ慣れない食材を保存していました。非常時なので我慢して食べましたがとてもストレスに感じました。災害時ではいつもと同じ状況がどれだけつくれるかが本当に必要です。

子どもや高齢者がいる家庭では災害時にストレスで食欲が落ちてしまうこともあるようなので、子どもの好きなお菓子や食べ慣れた味なども備えておきましょう。マヨネーズ、ソース、香辛料など自分が日々食べ慣れている調味料も用意しておくと安心です。また準備するためにはお金も必要です。ローリングストックはいつも買う食材を少しだけ多めに用意すればよいので金銭的にも無理なく続けていけると思います。

次回は、「押入れ・納戸でつくる防災収納」をお届けします。

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川村あゆみさん

 1981年生まれ 埼玉県出身/北海道札幌市在住
小さい頃から家具屋と文房具屋好きでお部屋の模様替えを繰り返す日々。結婚出産を経て「整理収納アドバイザー」の資格と出会い、2013年「SkipLife*川村あゆみ」として独立。自宅の収納公開付き講座をはじめ、カルチャースクール、企業での外部講座も行う。訪問サービスでは、1人1人に合わせた整理方法とオーダーメイド収納を提案している。収納部分を何度も見返したくなる「うっとり収納」を得意としている。

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