この夏、電気や水の使用量の大幅減をめざす![第8回]

夏の節水大作戦【2】お風呂・炊事・洗濯の節水ノウハウ

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お風呂での節水方法

 お風呂は家庭で最も多くの水を使用するので節水の効果は絶大です。

 東京都水道局によると、シャワーを3分間流しっ放しにした場合の水量は約36リットルで、CO2排出量は約9.1グラム。経済産業省・資源エネルギー庁によると、シャワーを流しっ放しにしないことで、年間4,380リットル、約999円の水道代を節約できるそうです。
 いかにシャワーを流しっ放しにしないことが節水になるかがわかりますね。

 そのための便利グッズもたくさんあります。
「私も節水のシャワーヘッドを使ってます。レバーを切り替えなくても、手元で操作できるのでとても便利。これなら節水も簡単にできます。また、少し空気が入ることで、実際は少ない水量でも体感的にはその倍くらいの水が出ているようなシャワーヘッドもいいですよ」

 LIXILも、節湯性能と浴び心地のよさを両立させ、最大で年間約15,700円(※1)を節約できるシャワーヘッドを取り扱っています。通常のシャワー水栓(当社従来品)に比べ、約35%も経済的。スイッチシャワーなら、さらに省エネ性アップ。最大で年間約21,500円節約でき、通常のシャワー水栓(当社従来品)に比べて約48%も経済的です。スイッチなしのエコフルシャワー水栓の約35%に比べても、より高い効果が期待できます。
※1:詳しくはこちら→parts.lixil.co.jp/lixilps/shop/campaign/showerhead/

 もちろんシャワーだけの方が節水になりますが、日本人なら浴槽にお湯を張ってゆっくり浸かりたいところでしょう。
 そんな時は、浴槽に2リットルの水を入れたペットボトルを、邪魔にならないように数本沈めると、同じ高さでもお湯の量を少なくすることができます。

「半身浴で長時間浸かればお湯の量も少なくて済むし、健康にもいいのでおすすめです。片側が椅子になっていて、その容積分のお湯が少なくて済む節水型の浴槽もあります。楽に座れるし、半身浴もできるので、リフォームの際に導入を検討してみてはいかがでしょう」

 また、東京都水道局調べによると、一般家庭の湯船の残り湯は、使用状態によって違いますが、約180リットルの量があります。この半分を洗濯、掃除、散水などに利用すれば約90リットルの節水になります。さらに節約金額は毎日行った場合で月に約650円。CO2も690gの削減にもなるそうです(※2)。
(1リットルあたりの単価を0.24円とした場合の3人家族で1か月(30日)あたりの節約金額 下水道料金及び消費税を含む)

「私もお風呂の残り湯を洗濯水として使っています。1回のお風呂で洗濯もできるとなればやらない手はないですよね」

 ただ、浴槽内での雑菌繁殖を防ぐため、残り湯を使う際は、その日のうちにすることと、洗濯槽のカビ対策に配慮しましょう。

キッチンにおける節水方法

「キッチンでも洗面所と同じく、手をかざすだけで吐水も止水も自動で行うセンサー型の水栓なら、意識せずに水を出し止めできるので、大幅な節水を簡単にできます」

※LIXILもハンズフリー型水栓を発売しています。吐水口に内蔵されたセンサーが物や手の位置と動きを感知して、吐水も止水も自動で行うので、シンク作業がラクになって、節水もできます。
https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/feature/system/#section_03

食器の油やソース汚れはまず拭き取る

 食べた後の食器を洗う際にも少なくない量の水を使います。家族が多くなればなるほど水量は増えます。しかし、洗う前のあるひと手間で、大幅に節水できます。

「食べた後の食器を洗う前に、もう着なくなった古着やタオルを小さく切った切れ端で油やソースなどの汚れを拭き取るんです。あと、シリコンのスクレイパーで鍋やフライパンにこびりついた汚れをいったんきれいにこそぎ取ります。それから洗うと水も洗剤もすごく少なくて済むんです」

食器洗い乾燥機を使う

 食器を洗う際、手洗いの場合、水道水を年間で47,450リットル使うのに対し、食洗機でまとめて洗うと10,800リットルですみます。つまり、年間36,650リットル、約8,356円の水道代を節約できます(※2)。
 食後の食器をためてまとめて洗うのが苦でなければ、食洗機を使うのもありですね。

洗濯はまとめ洗いをする

 この連載の第6回で、洗濯はまとめ洗いをして回数を減らしたほうが節電になると説明しましたが、同様に、節水にもなります。

 例えば洗濯・脱水容量6kgの洗濯機に、4割の洗濯機を入れて洗う場合に比べ、8割を入れて回数を半分にしたほうが、年間で水道水16,750リットルの節水になり、約4,360円の節約になります(※2)

 節水モードがある洗濯機なら、より節水できます。

「日常生活での汚れ程度なら、標準モードではなく節水モードでも十分落ちるので、私はもっぱら時間が短く使用する水も少なくて済む節水モードを使っています。泥や油ですごく汚れた洗濯物は、別途酸素漂白剤や重曹で洗うようにしています」

 これまで星野さんに解説していただいたように、ご自宅で簡単にできる節電・節水の方法はたくさんあります。SDGsの目標達成に貢献できるのはもちろん、水不足解消や節約など私たち自身にもメリットはあります。この夏、今日から始めてみませんか?

 

※2:節約額の数値は「資源エネルギー庁/家庭の省エネ徹底ガイド」によるもの。

≪お話をうかがった方≫

星野智子さん

一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク理事、一般社団法人環境パートナーシップ会議副代表理事。1998年から地球環境に関する国内外の国際会議の運営に従事。2002年のヨハネスブルグ・サミット、「国連持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」推進運動、2010年の生物多様性COP10の市民ネットワーク、リオ+20地球サミットNGO連絡会の立ち上げ・運営にも従事。2003年より地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)の運営に参画、多岐の市民活動に関わる。2012年SDGs策定プロセスが始まって以降、SDGsをテーマとした講演や普及活動を行っている。

文◎山下久猛 撮影◎大平晋也

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