赤いハートのピックで、季節感をプラス
「今回は、バレンタインに、おしゃれなカフェでスイーツを味わっている気分になれるよう、テーブルコーディネートしました」と、Mizukiさん。
まずは、前編で作り方を紹介した「カップブラウニー」を飾りつけるコツについて、うかがいました。
「主役はスイーツであることを忘れずに、バレンタインの飾りを足していくと、うるさくならず洗練された雰囲気を出すことができます。ブラウニーは、見た目がかっこよく、それだけで存在感があるので、いろいろと飾りすぎないほうがおすすめです。
なので、ハート型ピックはかわいらしいものではなく、シンプルなデザインを選びました。色はピンクより赤のほうが、ブラウニーの黒っぽい茶色と相性がよいのと、見た目の印象が甘くなりすぎず、引き締まった印象になるんですよ。このピックはネット通販で買いました」
カップにもMizukiさんならではのポイントが。
「装飾の少ないクラフトカップを使うことで、ナチュラルで大人なカフェ感を作れます。例えば、ここにドット柄の容器を使ってしまうと、単体でかわいくても、それに合うお皿やクロス選びが制限されてしまいます。柄物は子どもっぽい印象になってしまうこともあり、避けたほうが無難です。極力シンプルなものを選んでおけば、ケンカすることもなく、『ごちゃごちゃ詰めこみすぎて、イマイチ』なコーディネートを回避できます」
カップの形に注目すると、丸型ではなく、スクエア型で、ブラウニーのクールな雰囲気を引き立たせています。男性にもなじみやすい飾りつけで、おうちデートやプレゼントに最適です。
イベント感を演出しつつ、おしゃれにスイーツを盛り付けるには、そのお菓子の個性を生かして、季節感を強調しすぎない“引き算・足し算”の意識が大切だとわかりました。
主役を引き立たせる小物の選び方とは?
カラーを合わせつつ、トーンを落とす
バレンタインデー以外にも使えるノウハウを紹介します。
Mizukiさんはいつも、お菓子のデコレーションを決めてから、食器などのスイーツを囲む小物を組み合わせていくそうです。
「メインに見せたいものをはっきり意識しておいたほうが、飾りつけを選びやすいからです。迷ったときにも軸がブレることはなく、素敵に見せられるコーディネートを完成させられるんです」
とはいえ、スイーツが目立ちすぎると食卓全体のバランスが崩れてしまいます。
ポイントは「さりげなく引き立たせること」と、Mizukiさんは強調します。
「ブラウニーの飾りつけでは、鮮やかな赤色のピックがさりげなく引き立つように、カップはえんじ色、クロスはダークピンクパープルと、小物の明度と彩度を抑え気味にしました。でも、全体が調和するよう、すべて赤系統の色を使っています。ここに主張の強いカラーを置いてしまうと、ごちゃごちゃした印象になりかねません」
お皿はブルー系ですが、少しくすんだカップやクロスの色と合わせています。
「最初は、白い器にしようと思ったんですけど、実際に合わせてみるとあっさりしすぎて寂しい印象になってしまい、これに決めました。トーンを抑えたくすみカラーの食器や雑貨を使うだけで、“こなれ感”を演出できるんです」
全体がなじむように統一感をもたせつつ、ほどよくメリハリをつけて、センスの光る飾りつけを目指しましょう。
やわらかな空気を醸し出す
素材使いに注目
このような、おしゃれでありつつ気持ちが和らぐ食卓を作るには、どんな点に気をつければいいのでしょうか。
「懐かしく、温かみのある雰囲気作りには、素材選びが重要です。今回使ったクロスはリネン製で、“やさしさ”や“やわらかさ”を出したいときに重宝しています。リネンは、ガラスや木材などの異素材となじみやすいのも特徴です」
また、お菓子のストック容器をテーブルに置くと空間が華やぎ、特別な気分に。Mizukiさんがブラウニーを入れた蓋つきの入れ物は、厚みのあるガラス製です。
「これは、服屋さんの一角にある古道具コーナーで見つけ、1,000円くらいだったので即決で買っちゃいました(笑)。ヴィンテージ雑貨を使うと、食卓がレトロなカフェ空間に様変わりします。いま、昭和を感じるデザインが、一周回ってかわいいといわれていますよね。現代の小物と組み合わせれば古めかしくならず、今風な印象になりますよ」
テーブル全体がシンプルでありながら単調に見えない秘訣には、さまざまな年代の雑貨を使っているだけでなく、リネンや、ガラス、陶器、ホーローなど異素材で構成されている点もあげられます。
色と小物をセンスよく配置した、ナチュラルなカフェ風コーディネートで、心温まるバレンタインデーを過ごしてみてはいかがでしょうか。
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