おうちでカフェ気分[15]モカスコーン 前編

飽きのこない風味を簡単に作れる、魔法のレシピ

空間
キッチン
関心
ライフスタイルレシピ

しっとり、サクほろの
本格スコーンを自宅で再現!

 このお菓子には、インスタントコーヒーが入っていて、甘さ控えめな大人の味わいです。頬張ると、コーヒーのほろ苦さと、ごろごろと練り込まれたチョコレートの甘みが絶妙にマッチします。
 食感は、焼きたてだと表面はカリカリ、中はしっとりほくほく。冷ましてから食べるとサックリほろほろとした歯ごたえに変わります。
 6個作れるのですが、1人で一気に食べきってしまえそうなおいしさです。

「スコーンは、食感がパサパサして食べにくい」と感じる方が多いかもしれません。しかし、今回紹介するモカスコーンはしっとり感があり、ポロポロとこぼれにくいので、スコーンが苦手な人でも楽しめるはずです。

 まずは、おいしく作る上で欠かせない材料について、Mizukiさんに解説いただきました。
「サックリ感を出すにはサラダ油が欠かせません。バターでも問題ないのですが、常温に戻してから練る作業が必要で、手間がかかるので避けました」

 材料表には、「生クリーム(または牛乳)」とありますが、それぞれで味わいが異なるのでしょうか。
「どちらを入れてもおいしく作れますよ。生クリームのほうが、スコーンがしっとりサクほろ食感に仕上がります。このような生地が好きな方には、生クリームがおすすめです」

作り方は、材料をざっくり混ぜて
焼くだけという簡単さ

 調理時間は焼き時間を除いて、5分ほどです!
 このレシピの魅力は、ポリ袋に材料を入れて混ぜるため、手が汚れず、洗い物がほとんど出ない手軽さです。さらに、小麦粉ではなくホットケーキミックスで作るため、ベーキングパウダーを計量したり、粉類を合わせてふるったりする手間を省けます。

 ホットケーキミックスは多くのお菓子作りで活躍する食材で、この連載でも、第1回の「かぼちゃマフィン」、第5回の「ココアのスノーボール」などでご紹介しています。
 そこで改めてMizukiさんに、「知っておくと便利なホットケーキミックスの応用術」を聞いてみました。

「粉類に生クリームなどの水分を入れて揉みこむときは、“粉っぽさが残っている”くらいで止めるのがポイントです。スコーンに限らず、ホットケーキミックスを使うときは、ざっくりと混ぜ合わせたほうが失敗なく焼き上がります。意外に思われるかもしれませんが、大ざっぱなほうがおいしいんですよ」

 また、使うホットケーキミックスのブランドによって、生クリームか牛乳の量を調整すると良いというお話も、以前の連載でご紹介しました。

「繰り返しになりますが、丸く成形するとき、手にベタベタと付かずにまとめられるくらいがベストな状態です。逆に、水分が少ないと、焼き上がりがパサパサな食感になります。初めて作るときは、水分を少しずつ加えて様子を見ながら揉むのがおすすめです」

 保存するときは、粗熱が取れた後にラップで包むか、ポリ袋で包んでおくと乾燥せずしっとり感を残せます。気温が高い夏は、冷蔵庫で保存しておくと安心です。
 翌日に食べる場合、トースターで熱すると表面がカリッとして、アツアツの作りたてを再現できます。

 このスイーツのお伴におすすめなのは、「黒蜜ミルクコーヒー」。コーヒー豆の香ばしさと牛乳のコクに加え、黒蜜の濃厚な甘みが余韻に残るマイルドな味わいで、モカスコーンとの相性は抜群です。
 氷をたっぷり入れると、のど越し爽やかになり、スコーンを食べて少し乾いた口の中を潤してくれます。

 Mizukiさんはこのドリンクを思いついたきっかけを語ってくれました。
「地元のかき氷専門店で、牛乳を凍らせて作ったかき氷に、コーヒーシロップと黒糖がたっぷりかかったメニューを頼んだことがあるんです。そのおいしさに感動して! ドリンクにしたら絶対おいしいだろうな、と思ったんですよ」

 ドリンクレシピには、おしゃれなカフェで提供されるような、牛乳とコーヒーをきれいに二層に分ける注ぎ方を載せています。この方法は、黒蜜を抜きアイスカフェオレを作るときにも応用できるので、覚えておくといろいろなシーンで活かせるはずです。
 入れ方をひと工夫するだけで、見た目が華やぎ、おうちにいながらカフェにいる気分を味わえるので、ぜひ試してみてください。

ホットケーキミックスで!モカスコーン

【材料】(6個分)

      [A]

    • ホットケーキミックス
      150g
    • インスタントコーヒー
      小2
    • 砂糖
      小1
  •  
  • サラダ油
    大2
  • 生クリーム(または牛乳)
    大3
  • 好みの板チョコレート(または製菓用チョコレート)
    50g

【作り方】

(準備)チョコレートは細かく刻む(写真は予め切ってある製菓用を使用)。オーブンを180度に予熱する。

1.ポリ袋に[A]を入れ、シャカシャカ振って混ぜる。次にサラダ油、生クリーム(又は牛乳)、チョコレート(飾り用に少し残す)を加え、袋の外から揉んでまとめる。

2.1の生地を取り出し、手で10cm大の丸形に成形し、包丁で放射状に6等分に切る。

3.クッキングシートを敷いた天板に間隔を空けて並べ、飾り用に残しておいたチョコレートをのせ、予熱したオーブンで15分程焼く。

4.焼けたらケーキクーラーにのせて冷ます。

【ポイント】

◎ポリ袋の代わりに、ボウルとゴムベラ(もしくは泡立て器)を使っても問題ない。
◎チョコレートは手で大きめに割るのがおすすめだが、好みの割り方・大きさで大丈夫。
◎飾り用に残しておいたチョコレートは、少し生地に埋め込むようにしてのせると、焼き上がったときに飛び出さず、きれいに仕上がる。
◎生クリーム(または牛乳)の代わりに、豆乳やアーモンドミルクを入れてもOK。牛乳アレルギーの人も味わえる一品になる。水を代用しても問題はないが、ポソポソしてしまう。コクがあるものを入れた方がおいしい。
◎インスタントコーヒーやチョコレートを抜くと「プレーン味」に。「プレーン味」に他の食材を入れたり、具材の組み合わせを変えたりして楽しむこともできる。紅茶は2~4g(ティーバッグ1~2個分)、抹茶パウダーは大さじ1程度入れるのがおすすめ。すりおろしたレモンの皮や、ドライフルーツ、ココナッツパウダーなどとも相性がよい。

黒蜜ミルクコーヒー

【材料】

  • 黒蜜
  • 牛乳
  • アイスコーヒー

【作り方】

  • グラスに氷と黒蜜を入れ、牛乳を静かに注ぐ。さらにその上からアイスコーヒーをゆっくり注ぐ。

【ポイント】

    • ◎グラスには氷をたっぷり入れ、牛乳やアイスコーヒーを入れるときに、氷にあてながら静かに注ぐと、きれいな二層になる。

お話を伺った方

Mizuki(林 瑞季)さん

料理研究家・スイーツコンシェルジュ
「簡単・時短・節約」をコンセプトに、ブログ「Mizukiオフィシャルブログ~奇跡のキッチン」で毎日レシピを紹介し、月間300万PVを誇る人気ブロガーとなる。3年連続レシピブログアワード総合グランプリを受賞し、殿堂入りに。
Instagramのフォロワー50万人突破(2020年9月現在)。企業のレシピ開発や、雑誌、テレビ、Webメディアなどで活躍中。

撮影◎Mizuki(林 瑞季) 文◎井口理恵

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)