おうちでカフェ気分[14]マンゴープリン 後編

アジアンテイストで
涼やかなカフェタイムを

空間
キッチン
関心
ライフスタイルレシピ

スイーツを引き立てる食器使い

 まずは基本的な考え方を教えていただきました。
「主役であるプリンの上にはマンゴーの果肉やミントが乗っていてスイーツだけでもかわいいので、メインが際立つコーディネートになるよう意識しました。
 中心はスイーツであることを忘れずに、足し算・引き算しながら飾りつけるのが、カフェ風コーデのポイントです。」

「そのスイーツの長所を引き出すお皿選びを心がけています。例えば、マンゴー色がこのプリンの特徴だと思ったら、『陶器よりも透明なガラス製の方がスイーツの色が見えてかわいい』というように、器を決めていきます。
 今回はドイツ生まれの保存容器ブランド『WECK』に入れて冷やし固めました。保存容器もデザートグラスとして使えるんですよ」

 容器の下に大きなお皿を敷いているのは、「テーブルにプリンを置くだけでは寂しかったので、淡いピンク色の大皿の上に載せました。サイズは25cmほどで重みと存在感があり、空間のアクセントになります」と、Mizukiさん。

 食器や小物を選ぶときは、テーブル全体を俯瞰して、色のバランスをとることが重要だとMizukiさんは話します。
「マンゴープリンのオレンジ色と、クロスのターコイズブルーの調和を考えて、大皿はこの2色を邪魔しない淡いピンク色にしました。
 ポイントとなる色は2色までにおさえた方がおしゃれに見えます。たくさん色を足していくと、相当センスがよくないとうまくまとめるのは難しいんです。
 また、ピンク色の食器はスイーツ全般と相性がよいので、一枚あるとカフェタイムに活躍すると思いますよ」

夏らしさをプラスする小物選び

 今回、夏をテーマにレシピとコーディネートを考えていただいたので、季節感の演出について掘り下げていきましょう。
「器の素材をガラス製にすると、清涼感を表現できます。さらに、ガラスは薄い方が、より涼しげに見える効果があるんですよ。そういった狙いもあって、ひんやり見せたいラッシーのカップはこれにしました。
 デザートグラスとドリンクグラスは同じガラス製でも、ガラスの厚さや雰囲気が違うため、テーブル全体が単調になりません」

 ドリンクグラスがおしゃれに見えるのは、ドット柄のストローが一役買っています。
「こういった遊び心ある小物を加えると、食卓が楽しげな雰囲気になります。
 柄を取り入れたいけど、センスよく飾れるか不安……という方は、『柄物はモノトーン』と覚えておくとよいですよ。モノトーンの柄ならスタイリッシュな華やかさを演出できるので、『子どもっぽくなってしまう』といった失敗を避けることができるんです。
 モノトーンの柄物は汎用性があります。例えば、このストローは普段の食卓にもマッチするデザインです」

 ところで、Mizukiさんはこういった使いまわしの効くストローをどこで買っているのでしょうか。
「100円ショップでいろいろな種類のストローが売っていますよ。柄物は紙製であることが多いですね。初めて店頭で発見したときは、かわいいものが揃っていて驚きました」

 次に、クロスの選び方についてうかがいました。
「ビビットな色を加えると、夏らしさが出せます。とはいえ、食器でビビットな色はなかなかありません。そこでカラーバリエーションが豊富なクロスの力を借りました。違和感なく取り入れられる点もクロスのいいところで、このクロスは毎夏、大活躍しているんです。指し色となるクロスを一枚持っておくと、こなれ感を出せて重宝するはずですよ」

「プリンのオレンジ色には、このターコイズブルーが合いました。“アジアン”や“トロピカル”テイストになり、マンゴーという食材が引き立つコーディネートになったと思います。
 季節感を演出するときは、生地選びも大切です。これはリネンで、ふんわり軽くて風通しのよい素材なので、爽やかな夏を連想させます」

 今回は、全体的なカラーバランスだけでなく、夏のカフェタイムが楽しくなるコーディネート術を教えていただきました。

お話を伺った方

Mizuki(林 瑞季)さん

料理研究家・スイーツコンシェルジュ
「簡単・時短・節約」をコンセプトに、ブログ「Mizukiオフィシャルブログ~奇跡のキッチン」で毎日レシピを紹介し、月間300万PVを誇る人気ブロガーとなる。3年連続レシピブログアワード総合グランプリを受賞し、殿堂入りに。
Instagramのフォロワー50万人突破(2020年9月現在)。企業のレシピ開発や、雑誌、テレビ、Webメディアなどで活躍中。

撮影◎Mizuki(林 瑞季) 文◎井口理恵

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)