ドライイーストとは、パンを膨らませるために発酵をする乾燥(ドライ)酵母(イースト)のことです。水やお湯に溶かすことで、活性化できます。
今回は、カレー屋さんでおなじみの「ナン」をつくります。インドの炭火壺・タンドールで焼いた、外側がパリッとして中がふっくらした、甘さを感じるパンです。
とはいえ、家庭で炭火のタンドールはなかなか用意できませんので、フライパンを使います。
膨らむ力が弱いベーキングパウダーを使った前回のパンには、薄力粉を使いました。
今回は、膨らむ力が強いドライイーストを使うので、グルテンの量が多い強力粉を使います。
最近はパンを焼くときに国産小麦を好む人も多くなってきました。そうしたものを選ぶのもいいと思います。
今回は、スーパーなどで手に入りやすいものを使用します。
それでは、つくっていきましょう!
【材料】(25cmくらいの大きさ4枚分くらい)
- 強力粉
200g - 水
125ml - ドライイースト
小さじ1弱(2.5g) - 塩
小さじ1/2(3g) - 砂糖
大さじ1(10g) - 食用油
大さじ4/3(10g)
1:準備
ドライイーストを溶かすお湯の温度は高すぎでも低すぎても、うまくイーストが活性化されず、パンが膨らまない原因になることがあります。
35~40度のぬるま湯に、ドライイーストと砂糖を入れて溶かしておきます。
できれば、保温機能がある二重構造のタンブラーなどがいいでしょう。
粉にドライイーストを混ぜてしまう方法もありますが、初心者は先にドライイーストを活性化させておいた方が、失敗が少ないでしょう。
小麦粉は塩を加え、ふるっておきます。イーストを溶かしたぬるま湯に塩を入れてしまうと、イーストが活性化しにくくなります。
2:生地を捏ねる
イーストが溶けたぬるま湯を、ボウルの中の粉の中央に少しずつ加え、外側の粉を上からかぶせるようにして混ぜていきます。
ぬるま湯を全て加えたら、手のひら全体を使って捏ねていきます。最初のうちは手に付きますが、捏ねているうちに小麦粉が水分を吸ってだんだん付かなくなってきます。
生地がまとまってきたら、油を加えてさらに捏ねます。表面がなめらかになるまで捏ね続けましょう。
3:発酵
室温やイーストの元気さにも寄りますが、1時間ほどでかなり大きく膨れます。
分量外の油を薄く塗った大きめのボウルにまとまった生地を入れ、ラップか濡れ布巾をかぶせて発酵させます。
室温が25度くらいあれば、1時間ほどでしっかり2倍くらいの大きさに膨らみます。
室温が高すぎると急激に発酵が進み、膨らみすぎてしまいます。室温が低いと発酵がゆっくり進みますが、イーストが働いていればちゃんと膨らみます。時間よりは「大きさ」を見極めの基準にしましょう。
4:パンチングと切り分け
生地がおよそ倍くらいに膨らんだら、軽く潰します。パンチングなどと呼ばれる工程です。イーストが発酵する過程でできたガスを抜くための作業です。
これによって、膨らみすぎたり、ムラが出たりしていた生地の「きめ」が均一になります。
また、炭酸ガスが抜けて新しい空気が入ることで、さらに発酵が進みやすくなり、焼いたときにも綺麗に膨らむようになります。
ゆるんでいる生地を引き締め、生地を強くする作用もあります。
パンチングした生地は、打ち粉をした板やシリコンシートの上にスケッパーなどで切り分け、丸めます。今回は4枚分ですから4等分です。カバーをしたり、ラップをふんわりかぶせたりして、乾かないようにしながら30分程度休ませます(ベンチタイム)。
5:生地をのばす
麺棒を使ってのばした後に、生地の端を持って引っ張り、ナンの形にします。別に丸くてもいいのですが、やっぱりあの長細いナンの形になっているほうがおいしそうですよね。
6:フライパンで焼く
フライパンにしっかり貼り付けるようにして焼き始めると全体に綺麗な焼き色が付きます。
フライパンを軽く温めて全体を予熱してから一度火を消し、全体の温度を均一にします。
加工してあるフライパンなら、そのままナンを置きます。ごく薄く油を塗っても良いでしょう。
加工していない鉄やステンレスのフライパンの場合、焦げ付かない加工をしてあるアルミホイルやオーブンシートを敷くことをお勧めします。
蓋をして、火加減は弱火くらいから焼き始めます。
砂糖が多めの生地なので、焦げないように気をつけながら火加減を調節しましょう。途中で2~3回ひっくり返し、生地が膨らみ、両面にいい焼き色が付くまで焼きます。 目安は5~7分くらいです。
7:召し上がれ!
野菜カレーとともに。牛乳を使っていないので、完全なベジタリアンレシピです。
カレーに添えて食べましょう!
そのままでも美味しいですが、ベジタリアンレシピにこだわらなければ、焼き上がりに溶かしバターを塗ってもいいでしょう。一般的なパンより少し砂糖が多く入っているので、生地にも甘みを感じます。
■カレーの作り方は、こちらの連載もご覧ください。
https://owners.lixil.co.jp/articles/kitchen/124/
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