「おうちパン」に挑戦! 第4回

イタリアのジャガイモパン「フォカッチャ」にチャレンジ!

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 フォカッチャは、イタリアのジェノヴァ発祥といわれています。生地に指で穴を開け、そこにオリーブやプチトマトを埋め込んで焼くので、ピッツァの原型のひとつともされています。
 日本のイタリアンレストランでも、軽くつまむパンとして出されます。

強力粉とジャガイモ

 フォカッチャのレシピにはさまざまなものがありますが、ジャガイモを潰して入れるものに人気があるようです。
 前回までは小麦粉だけを使ってきましたが、今回はジャガイモ入りのパンにチャレンジしてみましょう。

 使う小麦粉は「強力粉」です。弾力があり、食べ応えのあるできあがりになります。
 慣れてきたら、パスタによく使われる「デュラムセモリナ」という製粉の粗い粉を混ぜてトライしてもいいでしょう。

 ジャガイモは茹でるか蒸すかしてから、熱いうちに潰します。このジャガイモの品種によっても味わいや食感が変わってくるので、いろいろなジャガイモを使ってみるのも楽しいですよ。今回はメークイーンを使いました。

パートフェルメンテを使う

 今回はもうひとつ、プロのパン職人のテクニックを使います。パートフェルメンテという技法で、あらかじめ低温で発酵させた生地を用意しておき、パン生地の中に混ぜるのです。活性化した生地を加えることで、元気な生地ができ、風味も良くなります。

 ここでは温度調整ができるオーブントースターで焼きますが、オーブンレンジを使っても大丈夫です。食パン4枚焼きのオーブントースターを使い、食べるときに切り分けましょう。

【材料】(天板1枚分)

    <パートフェルメンテ生地>

  • 強力粉
    50g
  • ぬるま湯
    30ml
  • ドライイースト
    小さじ1/4(0.75g)

    <フォカッチャ生地>

  • 強力粉
    300g
  • ジャガイモ(茹でて潰す)
    100g

  • 小さじ1(6g)
  • ぬるま湯
    175ml
  • ドライイースト
    小さじ3/4(約2g)
  • オリーブオイル
    適宜

    <具材>

  • プチトマト(半分に切る)
    4~5個
  • オリーブ
    10粒程度
  • ローズマリー
    1~2枝

  • 適宜

1:パートフェルメンテをつくる

 前日の作業です。
 30~40度のぬるま湯にイーストを溶き、小麦粉に加えて練ります。
 表面がなめらかになったら丸めてラップでくるみ、一晩以上冷蔵庫に入れておきます。

2:フォカッチャ生地をつくる

 ぬるま湯にイーストを溶いておきます。
 ジャガイモを茹でるか蒸すかしてから皮を剥き、良く潰します。レンジアップしてもかまいません。

 ボウルの中に、ふるった粉と塩を入れ、そこにイーストを溶いたぬるま湯を少しずつ加えます。これまでに紹介してきたパンに比べて、柔らかめの生地です。
 粉っぽさが残るようなら、少し分量外の水を加えます。逆に柔らかすぎるようなら、粉を少し足すといいでしょう。

3:ジャガイモとパートフェルメンテを加える

 潰したジャガイモと冷蔵庫から出したパートフェルメンテを加え、よく捏ねます。
 綺麗にまとまり、つやが出てきたらOK!

4:発酵

 ボウルの内側にかるくオイルを塗って生地を入れ、ラップをかけて発酵させます。
 20~25度くらいの室温の場所なら、1~2時間が目安ですが、生地の膨らみを見極め、倍くらいの大きさになったら次の工程へ移ります。

5:生地をのばす

 打ち粉を軽く振った板やシリコンマットの上で、生地を軽くのばします。
 今回は四角い天板で焼きますが、丸いフォカッチャを焼きたいときは4~5等分にして、丸めてから平らにするといいでしょう。

 天板の上にオーブンシートを敷き、その上にのばした生地をのせます。厚みが均一になるように広げてください。濡れ布巾かラップをかぶせ、15〜30分ほどベンチタイムを取ります。

6:具材をのせる

 オリーブオイルを指につけて、穴を開けます(生地を貫通しないように!)。
 そこに、オリーブやプチトマトを埋め込みます。焼くとふくらんで具材が浮き上がるので、しっかり埋め込みましょう。

 塩を軽く振り、ローズマリーの葉っぱを散らしたら準備完了です!

7:焼く

 250度ほどで十分に予熱したオーブントースター(またはオーブン)に入れ、180〜200度で焼きます。

 オーブントースターは庫内が狭いため、手前と奥で火の強さが違うことがよくあります。途中でチェックして、もし焼きむらがあるなら、180度回転して前後の焼きむらを抑えるようにしましょう。

 時間は焼き上がりの様子を見ながら、30分ほど。中に火が通って、表面に綺麗な焼き色が付いたらできあがりです。

 天板からとり出して、包丁で切り分けましょう。熱々でも、冷めてからでも、美味しく食べられます。香りのいいエクストラバージンオリーブオイルを添えて、浸しながら食べるのもアリです!

 余ったフォカッチャは、1ピースずつラップにくるんでからフリーザーバッグに入れて冷凍保存しましょう。朝、オーブントースターで焼き直して、コーヒーとともに食べるのもいいと思います。

 次回はいよいよ最終回。パン好き憧れの「パン・ド・カンパーニュ」にチャレンジです!


レシピ考案・文・撮影◎坂井淳一(酒ごはん研究所)

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