食事からスイーツまで
組み合わせを楽しもう
まずは朝食にぴったりなコーヒーを紹介します。こんがり焼けたトースト、目玉焼き、ベーコンの洋風セットに合う、焙煎度合いや銘柄を教えていただきました。
「中煎りや深煎りがおすすめですよ。表面がカリッと焼けたパンやベーコンには、火入れをじっくり行った香ばしいコーヒーがよく合うんです。
『ブラジル』は、クセがなく苦みと酸味のバランスがよいので、目覚めの1杯に最適です。さらに生産量が多いので値段が安く、気軽に毎日飲めるという点からも朝食向きといえます」
次にランチや夕食などで、しっかりとした味付けの料理と組み合わせるケースでは、「エスプレッソをお湯で割った『ロングブラック』ですね。強い味と香りで、こってりした食事に負けず、口直しにもなります」と、木原さん。
そこで、ご自宅にエスプレッソマシンがある方向けに「ロングブラック」を自宅で再現する方法をうかがいました。
「エスプレッソを抽出して、そこに同量のお湯を注ぐレシピです。エスプレッソより飲みやすく、しっかりとした濃度感もお楽しみいただけます」
エスプレッソマシンが自宅にない方は、ロングブラックのようにコーヒーオイル分をしっかりと抽出できるフレンチプレスで作ることをおすすめしています。
ここで、フレンチプレスでコーヒーを淹れる手順を紹介します。紅茶と同じ要領で作ればよいので簡単です。
フレンチプレスで淹れる基本の方法
材料(1杯分)
・コーヒー粉…15g
・お湯…250g
作り方
準備:フレンチプレスにお湯を注ぎ容器を温めたら、お湯は捨てる。
1.フレンチプレスにコーヒー粉とお湯を入れ、フタを閉める。
2.4分たったら、プランジャー(フタの中央についた棒)をゆっくりと押し下げる。
3.底の微粉が入らないよう、ゆっくりとカップに注ぐ。
また、「甘いものでほっと一息つきたい」というときに、スイーツのおいしさを引き立てるコーヒーも一緒に味わえたら嬉しいですよね。チョコレートと、パンケーキやマフィンなどの小麦粉系のスイーツに絞って、おすすめの豆を教えていただきました。
「チョコレートには『エチオピア』が合います。コーヒーの苦みとチョコレートの苦みは、場合によってケンカしてしまうことがありますが、『エチオピア』は苦みが少なくフルーティーな酸味が特徴の豆なので、チョコレートの味を邪魔しません。焙煎度は深煎りだと苦みが強いので、中煎り、浅煎りがおすすめです。
小麦粉系のスイーツは、『合わないコーヒーはない』と言えるくらい、どの種類にもマッチします。お気に入りの豆や初めて買ったものなど、気軽に組み合わせを楽しんでください」
おやつの時間について、こんな提案も。
「『お菓子は脇役で、コーヒーを主役に』と、発想を変えてもおもしろいかもしれません。毎日たっぷり飲むのはもったいないと思うような粉でドリップすれば、自分へのごほうびになると思いますよ。
『エチオピア』『ルワンダ』『ゲイシャ』は華やかな香りがして、嗅ぐだけでリラックスできます。特別な気分を味わいたいときにおすすめです」
コーヒーカクテルで
晩酌タイムが華やぐ
バーで頼むようなおしゃれなお酒を、自宅で簡単に再現できる新感覚カクテル「コーヒーラムトニック」の作り方を紹介します。
飲んでみると、コーヒーの苦みが口の中でほのかに広がります。ただ少し苦さが足されている程度なので、コーヒーが苦手な人でもおいしく飲めるドリンクです。ラムの自然な甘さと絶妙にマッチし、トニックウォーターの炭酸でのど越しは爽快。一日の疲れをリフレッシュさせたいときにぴったりです。
コーヒーラムトニック
材料(1杯分)
- ラム…20ml
- トニックウォーター…120ml
- コーヒー…50ml
- 氷…適量
作り方
1.氷をグラスにたっぷり入れる。
2.ラムとコーヒーを入れて混ぜる。
3.トニックウォーターを入れて混ぜる。
※お好みでレモンを入れてもおいしい。
ポイント
コーヒーは冷ました状態で入れるとよい。
コーヒーとトニックウォーターは相性がよく、ラムを入れなければノンアルコールカクテルとしても楽しめます。
また、カクテルに入れるコーヒーは少量のため、カフェインへの心配が減るのも嬉しいポイントです。
さらにリキュールの種類を変えて、アレンジできます。
「ラム以外だと、ジンがおすすめです。意外に思われるかもしれないですが、焼酎や梅酒を入れてもおいしいんですよ」
カクテルに適した豆の種類や焙煎度はあるのでしょうか。
「どのコーヒーを入れてもおいしく仕上がるので、自宅にある粉で試してみてください。
フルーツや花の香りが好きな人は、産地の標高が高く高品質な豆がおすすめです。そうすると果汁や香料を入れずに、果物やフローラルの風味のするカクテルを作れるんです。
今回はフルーティーな香りが特徴の『エチオピア』を使いました。そのため一口飲み終えた瞬間、ふわっとオレンジの香りが広がります」
いろいろな種類のコーヒー豆でカクテルを作って、フレーバーの違いを飲み比べる、という楽しみ方もできます。
最終回となる第3回では、ますます自分でコーヒーを淹れたくなる、食シーンに合わせたコーヒー豆の選び方やカクテルのレシピを紹介しました。食とのマリアージュやカクテル作りに挑戦してみると、おうち時間がより豊かになるはずです。
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