“究極の一杯”を目指して、カスタマイズ!
「まずは中編で紹介したレシピを基準にして、好みに合わせて材料や作り方などを調整してみてくださいね。
味を変えるには『コーヒー粉とお湯の比率』だけでなく、『コーヒー豆の種類』『水の種類』『豆の挽き具合(粒のサイズ)』『お湯の温度』『お湯を注ぐスピード』といったポイントもあります」と木原さんは教えてくれました。
まずはグラニュー糖ほどの粒感で試してみるのがおすすめ。
ただし、濃く抽出すればおいしくなるというわけではありません。
「濃厚すぎると、ネガティブな味が出てしまいます。例えば、口の中が乾くようなドライな味わいや、粉っぽさ、塩味を感じたら、強すぎるサインです」
では、初心者はどのように調整すればよいのでしょうか。試しやすい方法をうかがいました。
「豆の挽き具合を変えるのが一番簡単です。粉が細かいとお湯に触れる断面が増えて“濃く”、逆に荒いと“薄く”抽出できます。
淹れてみて、『濃いな』と感じたら豆を荒く挽き、『薄いな』と思ったら細かめに挽けばいいわけです。コーヒー専門店で挽いてもらう場合は、お店の人に希望の挽き具合を伝えば快く応じてもらえると思いますよ」
他方、「粉タイプを買ったばかりで、まだたくさんある……」という方は、お湯の温度や注ぐスピードを変える方法もあります。
「例えば、『苦みが物足りない』と感じた人は、お湯の温度を高めましょう。お湯の温度を上げるほど、強く抽出できます。逆に『苦い』と感じる人は、お湯の温度を下げると弱く出るので、まろやかな味わいに変わるはずです。
さらに、ゆっくりお湯を回しかけると濃く、スピーディに注げば薄くなります」
お湯の温度を調整できる電気ケトルを使うと便利。
お湯をかけるスピードが遅いと強く、速いと弱く抽出される。
こだわり派は、水にも気を配ってみよう
「実は、一番味に影響を与えるのが“水”なんです。硬水だと強く出て、軟水だと弱く出ます。『軟水を使うから、濃く抽出される細かい粒で淹れてみよう』というように、組み合わせを工夫して、バランスをとっていきましょう。
ちなみに、同じ東京都内でも、水源が「多摩川系」か「利根川・荒川系」なのかで、微妙にコーヒーの味も違うんですよ」
さらに続けて、「少し専門的になってしまうのですが、カルシウム含有量が多いとボディをしっかり感じられ、マグネシウム含有量が多いとフレーバーが引き立ちます。ペットボトルの裏の表記を見て、水の種類ごとに飲み比べてみるのも楽しいと思いますよ。
ナトリウムが入ると塩味が出るから、浄水器を選ぶときはナトリウムを取り除くタイプがおすすめです。うちの店ではこの機能に加え、硬度を落とさずイオンを保つ浄水器を使っています」と、バリスタならではの知識も教えてくれました。
自分好みの味を追い求めて、試行錯誤するプロセスもドリップコーヒーのおもしろさといえます。最後に、コーヒーの濃淡を変える方法をリストにまとめました。
◎ 調整法をおさらい!
・粉が細かいほど濃く、荒いほど薄く抽出される。
・お湯の温度が高いほど濃く、低いほど薄く抽出される。
・お湯を注ぐスピードが遅いほど濃く、速いほど薄く抽出される。
・水の硬度が高いほど濃く、低いほど薄く抽出される。
おいしいコーヒーを淹れられるようになると、家族や恋人、友だちにふるまう楽しみも増えますよね。豊かな生活のおともとして、ここで紹介した作り方・アレンジ法を活用してみてください。
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