お父さんでもできる! 料理嫌いのための簡単ぱぱっとレシピ集[第6回]

冷蔵庫の棚卸し料理

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ゆず胡椒と魚醤のエスニック焼きそば

 余りものの柚子胡椒と魚醤を使って、ピリ辛、爽やかな焼きそばを作りましょう。アジアンエスニック料理で使うナンプラーやニョクマム、あるいは日本のしょっつるやいしりなど、魚介を発酵させて作る醤油「魚醤」はたくさんあります。けれど、「買ってはみたもののあまり使わない」という方も多いようです。そんな「忘れられた調味料」を活用して作るのが、この焼きそばです。

【材料】(2人分)

  • 焼きそば(蒸し麺。今回は太麺を使用)
    1袋(2玉)
  • ショウガのみじん切り
    少々
  • キノコ(なんでもかまいません)
    適宜
  • 豚肉
    30g
  • もやし
    1/2袋
  • お酒
    小さじ1
  • 柚子胡椒(お好みで)
    小さじ2くらい
  • 魚醤(今回はナンプラーを使います)
    小さじ2

◎作り方

1.蒸し麺の湯通し

 スーパーなどで売られている焼きそば用の蒸し麺は、油でコーティングされています。それを落とすために、ざるに麺を入れお湯でさっと洗い流します。沸騰したお湯が理想ですが、湯沸かし器から出る40度くらいのお湯でもかまいません。このとき、あまりかき混ぜすぎると麺が切れてしまうので、あくまでも油を洗い流して、塊になった麺を軽くほぐすくらいで大丈夫です。

2.タレを作る

 小さな器に、魚醤、柚子胡椒、酒を入れておきます。魚醤は、ものによってはかなり塩分が強いので、半量くらいを醤油にしても構いません。柚子胡椒は入れれば入れるほど辛くなります。塩分も強いので、入れすぎには注意です。

3.蒸し麺を炒める

 フライパンに油を入れ、ショウガのみじん切りをさっと炒めて香りを出します。キノコを入れ、軽く炒めたところで麺を入れます。麺を入れたら、最初はあまりかき混ぜないようにします。麺が暖まると弾力が出て、持ち上げてもぶつぶつと切れることが少なくなります。
 その後、調味料を投入します。全体に調味料が回るように炒めます。

 全体に味が回ったら、もやしを投入します。もやしは食感を残したいのと、火が入ると水分が出やすいので、最後に入れてさっと混ぜるくらいでOKです。

◎できあがり

器に盛ればできあがり。熱々をどうそ。お好きな方は、上からフレッシュのパクチーをトッピングすると、さらにアジアンエスニックな味わいになる。

夏野菜のバター醤油炒め

 夏は野菜が豊富です。さてどう料理しようか、と悩むのも楽しいのですが、「凝った料理はキッチンが暑い夏には大変」と思うこともしばしば。
 そこで「炒めもの」はどうでしょう。美味しい飲み屋は炒めものでわかる、という左党もいます。ビールにも、ハイボールにもぴったりの炒めもの、実はとても簡単に作れます。ポイントは醤油とバター。トーストくらいにしか使わないバターを使うだけで、食べ飽きしない、絶品の炒め物ができるのです。

【材料】(1皿分)

  • ショウガ
    1片
  • ズッキーニ
    1本
  • グリーンアスパラ
    4~5本
  • ピーマン
    1個
  • バター(無塩でも有塩でも)
    適宜
  • 醤油
    大さじ1
  • 鷹の爪
    適宜
  • サラダ油
    小さじ2
  • 胡椒
    適宜

1.材料を切る
 ショウガはみじん切りに。もし新ショウガが手に入れば、たっぷりと、薄くスライスして使いましょう。新ショウガは辛みも少なく、ももりもり食べられます。
 ズッキーニは2~3mm厚の斜め切りに。
 アスパラはハカマ(根元の堅い部分)を手でポキッと折るか、そこだけ皮をピーラーなどで剥いてズッキーニと同じくらの長さに斜め切りにします。

 ピーマンは半分に切って種を抜いてから、タテに厚切りスライスにします。横に切るより、縦に切ったほうが、食感が良くなります。インゲンなどを使う場合はアスパラと長さをそろえて切りましょう。空豆や枝豆を入れる場合は、先にさっと湯がいておくと、段取りよく調理できます。

2.炒める

 フライパンにサラダ油(オリーブオイルでもOK)を入れ、種を抜いた鷹の爪とみじん切りのショウガを入れ、火を通します。「炒めものは強火で」というのは、大量に油を使う中国料理の場合。家庭ならば油を抑え、火力も中火が基本です。
 そこに材料を入れ、炒めていきます。フライパンは、たまにゆすったり、ひっくり返したりするくらいで構いません。ズッキーニの切り口をきつね色にしたいので、あまり動かさないでおきましょう。
 途中で塩をひとつまみ。野菜がつやつやして、7割方火が通ったと思ったら、醤油をかけ回します。このとき、醤油が焦げるいい香りがします。

 醤油が全体に行き渡ったところで、バターの塊を入れます。バターは火が強いと焦げて色が悪くなるので、溶けて全体に行き渡るくらいでOK。火を止めて、お皿に盛ります。
 お皿に盛ったら、上から黒胡椒をかけましょう。胡椒のミルがあれば、挽きたての香りがさらに食欲をそそります。

●できあがり

今回は「青い野菜」にこだわりましたが、トマトを入れても美味しくできます。トマトは柔らかいので最後に入れてさっとフライパンをあおるだけです。ビール、美味しいですよ。

ゴーヤチャンプルー風夏カレー

 夏の野菜としてすっかりおなじみの「ゴーヤ」ですが、料理法はゴーヤチャンプルーくらいしか思いつかないかもしれません。実は、ゴーヤは世界中で作られる野菜。特に東南アジアにはゴーヤの料理はたくさんあり、インドにはゴーヤのカレーもあります。
「チャンプルー」は、いろいろなものがまぜこぜになった状態を指します。カレーと沖縄料理を、ゴーヤという野菜を通して、文字通り「チャンプルー」してみましょう。
 本格的なカレーを作るには「ガラムマサラ」が欠かせないと聞き、買ったことがある方も少なくないはず。けれど、一度使ったきりで眠っている方も多いと聞きます。このガラムマサラがあれば、美味しいゴーヤチャンプルーカレーがあっという間に作れます!

【材料】(2人分)

  • ゴーヤ
    1本
  • 厚揚げ

    1丁
  • タマネギ
    中1個
  • ラム肉
    200~300g
  • パクチー(フレッシュ)
    適宜
  • ショウガ
    1片
  • ニンニク
    2~3片
  • ヨーグルト
    大さじ3
  • トマト缶
    1缶
  • ガラムマサラ
    適宜
  • 鷹の爪
    1~2本

◎作り方

1.ラムをガラムマサラとヨーグルトで漬け込む

 インドではラム肉のカレーが人気です。なので、今回はラム肉を使います。骨が付いていない、コロコロしたものを。ステーキ用などと書かれたものを一口大に切ります。
 ラムに塩とガラムマサラをすり込んでから、ヨーグルトを加え、漬け込みます。インドカレーの作り方によくある方法です。パクチーがあれば一緒に漬け込みましょう。

2.材料を切る

 ゴーヤは半分に切って、種とわたをスプーンなどで取ってから一口大に切ります。薄切りではなく、ラム肉に合わせた切り方です。厚揚げも一口大に。ニンニク、ショウガ、タマネギはみじん切りにします。

3.炒める

 サラダ油(オリーブオイルでもOK)と、種を抜いた鷹の爪、ニンニク、ショウガを鍋に入れ、火を付けます。さっと火が通ってショウガとニンニクの香りがしてきたところで、タマネギを加え炒めます。インドカレーのレシピにあるような「飴色」に炒める必要はありません。
 そこに、漬け込んだラム肉をヨーグルトごと入れます。

 さらに、ゴーヤと厚揚げを投入し、炒めます。

 そしてトマト缶を投入。トマトは旨み成分が強く、適度な酸味があるので、どんなものに入れても、大抵美味しくなる便利な食材です。よく熟れたトマトがあれば、それに越したことはありませんが、煮込んでしまうのでトマト缶で十分です。

 すべての材料が入ったところで、塩とガラムマサラを入れます。味見しながらに加えていきましょう。ガラムマサラは、実はあまり辛くない香辛料なので、大量に振りかけても大丈夫です。そのまま、5分ほど煮込めばできあがりです。
 ごはんを盛り、カレーライス風に食べるのがおすすめ。上にパクチーをトッピングしても美味しくいただけます。

 料理はアイデア次第で新しい味を創り出すことができます。コロナ禍を受けて料理が習慣化した人もいれば、いやいや料理してきた人もいるかもしれませんが、料理の面白さに気づけば、自分オリジナルの絶品料理を産み出すことができるはず。
 これからも高級食材に走らず、料理の腕を上げていきましょう。洗い物、片付けもきちんとすると、さらに奥さまに喜ばれること請け合いです。

◎できあがり

具がゴロゴロしているので、ごはんなしでそのままビールを飲みながら食べても美味しくいただけます。

文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
「今日なにを呑む?」から始まる食事の新しいスタイルを提案する酒ごはん研究所主任研究員。料理はもちろん、ワイン、日本酒、本格焼酎やスピリッツ、カクテルとあらゆるお酒を研究している。


写真◎平野晋子

 

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