お父さんでもできる! 料理嫌いのための簡単ぱぱっとレシピ集[第2回]

魚の缶詰で作る本格料理

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大人気のサバ缶を使った絶品パスタ

 サバの水煮缶が大ブームです。抗酸化作用や美肌効果、ダイエットからコレステロールや体脂肪を押さえる、動脈硬化や高血圧の予防効果がある、などさまざまなことが言われており、一時はスーパーなどでも品切れを起こすほどでした。
 そしてサバ缶は何よりも美味しい! マヨネーズや醤油をちょっと垂らすだけで、そのまま酒のつまみやご飯のお供になるし、いまは日本中のブランドサバの缶詰まで登場しています。
 そんなサバ缶を使って、トマトソースのパスタを作りましょう。トマトも缶詰を使って、パスタを茹でている間にソースができあがるレシピです。

【材料】(2人分)

  • サバ水煮缶
    1缶
  • パスタ(スパゲティーニ)
    200g
  • エクストラバージンオリーブオイル
    大さじ3(好みで)
  • ニンニク
    4~5片
  • キノコ(今回はマッシュルーム)
    5~6個
  • 塩漬けケッパー
    10粒くらい
  • オリーブ
    10粒くらい
  • 塩(パスタを茹でるため)
    水1Lに対して小さじ1杯
  • とうがらし(鷹の爪)
    1本

◎作り方

サバ缶は、中に入っている水分ごと全部入れましょう。

サバを焼き付ける感じで火を入れます。何もしないと焦げ付くので、たまにトングや菜箸で軽く動かしましょう。

トマト缶を投入。トマト缶はホール(まるごと)水煮と、ダイス状にカットされているものの2種類ありますが、ホール缶しかない場合はヘラなどで潰しながら煮ていきます。

塩漬けケッパーとオリーブを加え煮込む。火加減はやや弱めで。途中で煮詰まってしまうようなら、少しパスタの茹で汁を加えるといい。

1.下ごしらえしながらお湯を沸かす

 まずはとうがらし(鷹の爪)の種を抜きます。乾燥したとうがらしのヘタのところを手で取り除いて振ると、種がパラパラ落ちてきます。
 ニンニクは好きなだけ。皮をむいてお尻の堅いところをちょっとだけ切ってから、包丁の腹を当てて、上から手で軽く潰します。
 ニンニクは焦げないくらいに火が通ったほうが、臭くもなく、ソースの「具」としても美味しく食べられます。スライスやみじん切りだと焦げやすく、火加減が難しくなります。
 マッシュルームは4つ割くらいに切ります。
 オリーブは丸のままでもかまいませんが、塩気が強いので、半分くらいに切ったほうが美味しく感じられます。塩気を控えたい人は、塩漬けのケッパーを水につけて軽く塩抜きしてください。そのままでもアクセントになります。
 下ごしらえの間に、パスタを茹でるお湯を沸かしておきましょう。

2.サバ缶とトマト缶でソース作り

 パスタは大抵、袋に標準的な茹で時間が書かれています。スパゲッティなら12~13分、やや細めのスパゲティーニなら8分くらいのものが多いでしょう。今回はスパゲティーニを使うので、まずはソース作りから始めます。茹で時間が長いパスタなら、茹で始めてからソースを作り始めると効率がいいです。
 フライパンに唐辛子とニンニクを入れ、エクストラバージンオリーブオイルを入れて弱火にかけます。オイルの量は好き好きです。たっぷり入れるとリッチな味わい、少なめだと軽く仕上がります。
 油が熱くなってふつふつし始めたらニンニクをひっくり返します。ニンニクの色が変わってきたら、マッシュルームを入れ、火を中強火にしてサバ缶を投入です。缶詰の水分には、サバの旨みがたっぷり含まれています。煮込むので、臭みも感じません。
 サバに火が通ったらトマト缶を投入し、塩漬けケッパーとオリーブを加え煮込みます。火加減はやや弱めで。途中で煮詰まってしまうようなら、少しパスタの茹で汁を加えるといいでしょう。

ソースの中のサバやキノコを上に飾るように盛り付けてできあがり!

3.アルデンテにこだわらずに茹でる

 沸かしていたお湯に塩を入れ、パスタを投入します。塩の量は、イタリア料理の本などではたっぷりと、と書かれていることが多いのですが、このソースはケッパーやオリーブが入り、塩気が強めのソースなので、パスタにはあまり塩気を付けない方が美味しいと思います。水1リットルに対して小さじ1(5g)くらいの塩でいいでしょう。
 茹で時間は、袋に書かれているとおりに。あまり「芯が残るアルデンテ」にこだわるのはやめましょう。イタリア人のシェフは「日本人の言うアルデンテは、大抵茹で足りなくてバリカタのラーメンみたい」なんて冗談を言います。
 火加減は、お湯がふつふつと沸くくらいに。鍋にパスタを入れてしばらくしたら菜箸などでほぐし、ときどきくっついていないか確認する程度で。ぐらぐら沸かしてしまうと、パスタの肌が荒れて美味しさが半減してしまいます。
 パスタの茹で時間がきたら、ざるでお湯を切り、ソースの入っている鍋に入れます。もし茹でている間にソースが煮詰まりそうなら、一度火を止めていてもかまいません。パスタを入れたら軽く混ぜ合わせて、お皿に盛りましょう。

◎できあがり

イワシの香草パン粉焼き

 オイルサーディンの缶詰を使って、ちょっと豪華に見える料理を作りましょう。トーストを添えればランチにぴったり、夜ならばメインディッシュとして白ワインと一緒に楽しめます。
 オイルサーディンとはイワシを油漬けにしたものです。サバ同様、イワシも健康にいいとされていますし、常備しておけばぱぱっと料理を作ることが出来ます。今回はビールにぴったりのおまけレシピ付きです。

【材料】(2人分)

  • オイルサーディン缶詰
    1缶
  • パン粉
    ひとつかみ
  • ニンニク
    1かけ
  • エクストラバージンオリーブオイル
    大さじ2
  • イタリアンパセリ
    5本くらい
  • レモン
    1/2個
  • 飾り用の野菜(ベビーリーフのパックなど)
    適宜
  • 食パン
    1枚

◎作り方

1.香草パン粉を作る

 イタリアンパセリとニンニクを細かく刻み、パン粉に混ぜ、オリーブオイルを少し加えてしっとりなるように混ぜます。パン粉はふわふわの生パン粉と乾燥タイプがあります。生パン粉は水分が多く、焼いたりあげたりするとさっくりした食感が楽しめます。乾燥タイプはこんがりとした仕上がりになります。好みで選びましょう。このときに、好みで粉チーズを混ぜても美味しくなります。

2.オーブントースターで焼く

 オイルサーディンの缶を開けます。サーディンが大ぶりならば一尾ずつパン粉にまぶします。今回使うサーディンはとても小ぶり。そこで、そのまま缶からだし、塊になったまま、全体にパン粉をしっかりまぶしつけました。上にもパン粉を載せて、しっかり抑えてたっぷり付けましょう。

 オーブントースターは空のまま5分ほど予熱します。その間に、天板にオーブンシートを敷き、その上にパン粉をまぶしたイワシをのせます。上から軽くオリーブオイルをかけ回して、十分に暖まったオーブントースターの中に入れましょう。
 パン粉に焦げ目が付いて中まで温まれば焼き上がりです。オイルサーディンはもともと火が通っていますから、焼けてないという心配はいりません。

 トーストした食パンやベビーリーフを盛り付けた皿に焼けたサーディンを乗せます。オーブンシートの上で焼いているので、天板に焦げ付くことはありません。フライ返しなどで簡単に取り出せます。レモンを半個くらい、たっぷり添えて、残っているイタリアンパセリをサーディンの上に飾り付ければできあがりです。

◎できあがり

国産のレモンならば、防カビ剤を使ってないので、おろし金でレモンの皮をすりおろしてかけると一層香りが華やかになる。

◎おまけの一品
「オイルサーディンのそのまんま焼き」

 オイルサーディンは他にもさまざまな使い方ができます。缶の中のオイルには魚の旨みがしみ込んでいるので、蓋を半分開け、缶のままフライパンに乗せて火にかけると、美味しくいただけます。加熱する際、ニンニクや鷹の爪を入れます。また、油の飛びはねを防ぐため、フライパンの上から蓋をするか、アルミフォイルをかぶせます。中火で熱し、ぐつぐつしたらできあがり。
「オイルサーディンのそのまんま焼き」。言ってみればサーディンのアヒージョです。
 和風にするなら、ぐつぐつしたところで皿に盛ってから七味と醤油をひとたらし。ビールがたまらなく合う、簡単で豪快な一品です。

夏のツナ缶ポテトサラダ

 缶詰の代表格と言えばツナ缶です。最近はノンオイルタイプのローカロリーなものもあり、根強い人気を保っています。そんなツナ缶で、夏にぴったりの大人のポテトサラダを作ってみましょう。マヨネーズで和えるだけでは味わえないレモンとヨーグルトを使ったドレッシングで、ワンランク上のポテトサラダに仕上げます。

【材料】(2人分)

  • ツナ缶
    1缶
  • ジャガイモ

    中4~5個
  • グリーンアスパラ(※1)
    3~4本
  • タマネギ
    1/2個
  • レモン
    1/2個
  • マヨネーズ
    大さじ2
  • ヨーグルト
    大さじ2
  • 粒マスタード
    小さじ2
  • 黒こしょう
    適宜

  • 適宜

※1:アスパラの代わりにブロッコリーでもいい。

◎作り方

1.ジャガイモとアスパラを茹でる

 ジャガイモはよく洗って、皮付きのまま茹でる前に一口大に切りましょう。アスパラは、ハカマ(根元)の皮をピーラーなどでむくか、手で折って太いところを捨て、5センチくらいの長さに切ります。
 アスパラの代用でブロッコリーを使う場合、塩水にしばらく漬けて、花の中にあるゴミや虫などを出してから小分けにします。ブロッコリーの芯は捨てないで、皮をむいて薄切りにして使いましょう。実はブロッコリーで一番美味しいところは。甘くて柔らかなこの芯の部分なのです。

 お湯を沸かして塩を大さじ1くらい加え、ジャガイモを入れます。2~3分経ってからアスパラやブロッコリーを入れましょう。アスパラ、ブロッコリーは火の通りが早いのでジャガイモより短い時間で茹でるのです。

2.ヨーグルトとレモンで作る大人のドレッシング

 ジャガイモやアスパラを茹でている間に、ドレッシングを作ります。タマネギをスライサーで薄切りにします。もしタマネギが辛いようなら少し水にさらしておきましょう。新タマネギなら辛くないのでそのままで大丈夫です。
 ボウルにマヨネーズ、ヨーグルト、レモンの絞り汁、国産レモンならばレモンの皮のすりおろしたもの、胡椒、塩、粒マスタード、さらしたタマネギ、そしてツナ缶加えて混ぜておきます。このとき、ヘラなどでツナ缶を潰しますが、少しゴロゴロ感が残った方が食感を楽しめます。
 茹であがったジャガイモやアスパラを熱いうちに加え、一気に混ぜてできあがりです。
 器に盛り付けて、上からさらに黒胡椒をかけてもいいでしょう。温くても、冷たくても美味しくいただけます。

◎できあがり

ビールでも、白ワインでも、冷たい日本酒でも、どんなお酒にもマッチ。もちろん、ごはんにもパンにも合うので、多めに作って朝食や昼食にもどうぞ。

(第3回に続く)

文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
「今日なにを呑む?」から始まる食事の新しいスタイルを提案する酒ごはん研究所主任研究員。料理はもちろん、ワイン、日本酒、本格焼酎やスピリッツ、カクテルとあらゆるお酒を研究している。


写真◎平野晋子

 

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