窓に貼る遮熱シートの効果は……
室外からの熱気や直射日光の侵入を抑える方法として、窓に貼るタイプの「遮熱シート」が度々紹介されます。ホームセンターや通販などで購入でき、安価な点や自分で簡単に貼ることができるため、一見、手軽でコストパフォーマンスのいい対策のように思えるでしょう。
しかし、遮熱シートを使用する場合、夏場の日差しを遮る効果はあると思いますが、冬はシートをはがさないと、日射取得をあまり期待できなくなってしまうかもしれません。
そうしたことを考慮すると、DIYで貼れる遮熱シートでは、かえって手間が発生してしまうケースもあるということを、理解しておく必要があるのです。
日差しの入り具合を計算してひさしを設ける
「窓の上にひさしを設けることで、夏の日差しを遮ることができるのです。スタイルシェードなどの後付け式シェードを装着すると、太陽の熱は最大83%、紫外線も最大99%カットすることができます。
その他の日射遮蔽の商品として、LIXILのスリムアートなど壁に取り付ける固定式のひさしがあれば、かなりの割合で夏の日差しをカットすることができるでしょう」
ただ、固定式のひさしだと、夏はうまく光を遮ってくれたとしても、冬に日差しを取り込めなくなってしまうのではないでしょうか。
カーテンや植栽を利用
ひさし以外にも、さまざまな窓まわりの遮熱対策があります。
たとえばカーテンでも、遮熱カーテンや断熱カーテンなど、それ自体の構造で断熱効果を持つものがあるのです。
断熱カーテンは裏地に特殊な加工が施され、生地の間に空気の層をつくることで熱の出入りを抑えてくれます。遮熱カーテンは、生地自体が熱を跳ね返す機能を持ったものです。
「たしかに、カーテンは一定の効果があります。ただし、窓そのものや窓の外側で熱や直射日光を遮る対策の方が優れているといえるでしょう。
直射日光が当たることで窓のサッシも熱くなりますし、最近の製品はサッシ自体もかなり断熱の性能を持っていますが、古いサッシの場合、窓から室内に熱が伝わります。あくまでも、さまざまな対策の補完として捉えると良いのではないでしょうか」
一戸建てで、日差しが入る窓の外に庭がある場合には、植栽をうまく活用して日光を遮る方法があるといいます。
「昔から、庭に落葉樹を植えるといい、といわれています。夏は葉が生い茂り、直射日光を遮ってくれますし、冬は葉が落ちるため、日光を取り込むことができるのです」
次回は、窓そのものの断熱リフォームをするときのポイントについて聞いていきます。
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