日よけをするなら「外側」で
日差しを遮ってエアコンの効率を高め、電気代を抑えつつ室内を涼しく保ちたいですよね。
パッと思いつく方法として、カーテンなどを窓に設置することが思い浮かびますが、小林は、家の中より外で遮ることが肝心だといいます。
「この図は、とある学校で、東側に面した窓の内側にカーテンを下げた場合と、外側にシェードを設けた場合の温度差を調べたデータです。カーテンだと、直射日光が窓から室内に入ってくるため、窓際の温度がかなり上昇します。
一方、窓の外側にシェードを設けて日差しを遮ると、窓際と室内の中央、廊下側との温度差が少ないのです。つまり、窓の外側で日光を遮断した方が、室内に入り込む熱を防ぐ効果が高いということになります
また、カーテンの場合は室内の場所によって温度差が大きくなってしまうため、窓際の温度を下げるためにエアコンの効率が悪くなるでしょう。スタイルシェードの場合は、室内の温度差が小さく、カーテンよりもエアコンの効率が良くなるのです」
室内のカーテンで遮ることができる太陽の熱は、45%といわれています。それに比べ、外側から遮った場合は、83%の熱をカットできるのだそうです。
「昔から、夏には家の開口部に『よしず』を立てかけて暑さ対策をしましたよね。あのような考え方は、現代でもとても有効です」
「スタイルシェード」によって実際どれくらい夏の暑さを軽減できるのか。 レースカーテンと比較した温度シミュレーションの結果を動画でご覧いただけます。
■ 「スタイルシェード」温度シミュレーション
エコでおいしいグリーンカーテン
よしずはとても良い日差し対策なのですが、日光や雨で傷んでしまうため、定期的に買い替えなければいけません。
「よしずの代わりとしては、最近人気のグリーンカーテンが有効です。夏の間だけ、直射日光を遮ってくれる植物を植えるのがいいでしょう。見た目も涼しげで、壁を覆うように植えれば、壁自体の蓄熱も防いでくれます」
グリーンカーテンに向いている植物は、アサガオ、ヘチマ、ヒョウタンなど、上に伸びるつる性の植物。なかでも、ゴーヤ、キュウリ、パッションフルーツなど、実がなるものは収穫も楽しめるのでおすすめです。苗はホームセンターなどで買うことができます。
室外機の日よけも効果的
エアコンの室外機は、部屋の中の熱を外に出す役割を担います。室外機にカバーをして日よけすることで、エアコンの運転効率が上がり、省エネにもつながるでしょう。
ただし、室外機をすっぽり覆ってしまうようなカバーだと、空気の循環も妨げてしまうので、かえって逆効果になることもあります。
窓同様、よしずやグリーンカーテン、あるいはひさしのようなものを取りつけるのが良いでしょう。
また、室外機の周辺はゴミや枯れ葉などが溜まりがちです。エアコンの効率が悪くなってしまうので、常にキレイにしておくことを心がけてください。
手軽に設置! LIXIL「スタイルシェード」
夏の間だけ日差しが直接当たることを避け、冬は日光を取り込むのに最適なのが、窓にシェードを設置することです。
「LIXILには、『スタイルシェード』という商品があります。窓の外側に取り付けて、使わないときはスマートに収納できるので便利です。現場の状況により異なりますが、1窓あたり約30分で簡単に設置できるでしょう」
ベーシックタイプの商品で、税別27,600円からとなります(搬入・取付・設置費等は含まれておりません)。
グリーンカーテンも素敵ですが、スタイルシェードなら毎日の水やりも必要なく、片付ける手間もありません。
「今ついているサッシに、穴をあけずに取り付けられるようにデザインされています。一部、サッシの種類や現場の状況によっては設置できない場合もありますが、お問い合わせくださればと思います」
直射日光が差し込む窓をシェードで覆えば、簡単に冷房効率も上がり、猛暑を快適にやり過ごすことができます。ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。
次回は、窓そのものの暑さ対策について聞いていきます。
会員登録 が必要です