台風対策は早め、早めに![第4回]

停電・断水・食料の備えを

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学ぶ防災季節

基本的な防災グッズを揃えておく

 過去の台風被害の状況を見ていると、浸水や家屋の損害だけでなく、停電、断水といった生活インフラの破壊・遮断によって苦労することが多いようです。建物が無事でも、断水や停電が起きていると情報も得にくくなりますし、復旧作業をするにしてもなかなか進みません。

 避難指示が出たときなどに備えて、ぱっと持って行けるリュック等に常に防災グッズを入れておきましょう。
 よほど大きな台風でもない限り、せいぜい2〜3日の避難ですから、最低限、そこをしのげる量の物資があれば大丈夫です。100円ショップなどで揃えられるものも少なくありません。

 揃えておいた方が良いものは以下の通りです。

・スマホ用モバイルバッテリーと充電ケーブル
・携帯ラジオ
・LEDライト
・ウェットティッシュ
・スリッパ
・短い電源タップ
・軍手
・乾電池
・ファーストエイドキット
・常用薬
・タオル
・下着とTシャツ1セット
・水(300mlのペットボトルを1人3〜4本)
・食料(そのまま食べられるもの)
・レインハット
・現金・保険証など

 非常用持ち出しバッグにこうしたものを入れておいて、何かあったときにさっと持ち出せる態勢を作っておくと良いでしょう。市販の持ち出し用キットもありますからそれを用意するのも良いでしょう。

 一番必要なのはスマホ用のバッテリーと充電ケーブル。避難時の最大の情報源はスマホです。家族との連絡にも必要です。充電用のバッテリーは、3〜4回はフル充電ができると安心です。最低でも10000mAh、できれば20000mAhくらいの容量があると安心です。

 またスマホが頼りにならないときのために、小さいLEDライトや携帯用ラジオがあるといいでしょう。乾電池駆動のものが確実で、予備の乾電池も揃えておくと良いでしょう。できれば乾電池の規格を単三なら単三、単四なら単四と揃えておくといいと思います。

 水や食料は、とりあえず一晩、あるいは1日半しのげる量があれば大丈夫です。地震などと違って、長期間の避難というケースはあまりありません。大げさに考えて荷物を重くしてしまうと、避難自体が大変になってしまいます。

家に常備する防災グッズ

 避難指示は出なくとも、停電・断水・ガスの停止などで普段の生活ができない可能性があります。持ち出しはしないけれど、孤立した時に数日しのぐための装備があると安心です。

・カセットコンロとガスボンベ
 電気・ガスが止まった場合、調理をするのもままなりません。コンパクトなカセットコンロを最低1台、できれば2台持っていれば、大抵の調理はこなせます。孤立をしていると不安が募るものですが、きちんとおいしい料理が作れれば精神的にも余裕ができます。

・LEDランタン
 キャンプなどで使うランタンがあると便利です。充電式でも乾電池式でも、あるいはろうそく式や本格的な燃料式のものでもかまいません。最近の充電式LEDランタンは性能が良く、使いやすいと思います。
 避けるべきなのは、ろうそくを立てて使って明かりをとること。うっかりひっかけたり知らないうちに倒れて火事の原因になることがあります。ろうそくを使うなら、かならず周囲をガラスなどで囲まれたランタンやキャンドルホールダーで。

・ガス式の発電機
 必ず必要というものではありませんが、最近はカセットコンロのボンベを使った発電機も売られています。1台あると、長時間にわたる停電でも最低限の電力は確保できます。

・飲料水
 2Lくらいの水のペットボトルを1ケース12本ほどキープしておくと、食料を調理するための水には困りません。

・缶詰や菓子類
 停電をすると、冷蔵庫の中のものは傷んで食べられない可能性があります。保存性の高い缶詰はそんなときに便利です。ツナ缶、サバ缶、トマトの水煮缶など、普段使いをしている缶詰があればいいのです。パックを開けてそのまま食べられる菓子類もあるといいでしょう。

・パスタ・乾麺・インスタント麺など
 自宅で過ごすなら室温で保存できる調味料やめんつゆなどがありますし、オイルもあります。ならばそれらを使ってカセットコンロで調理することができます。無洗米があれば、ガスでお米を炊くこともできます。

・常温保存が可能な野菜
 常温で保存できる野菜を用意しておくこともおすすめです。秋ならば、ナス、トマト、キャベツ、ジャガイモ、タマネギなど、冷蔵庫が使えなくても1週間以上傷まない野菜はたくさんあります。ニンニクもあるといいでしょう。ニンニクを使った食事をとると、元気が出る気もします。

 災害に備えて……となると、大げさに考えてしまいますが、特に食料に関してはカセットコンロと水さえ確保しておけば、あとは普段ストックしてあるもので十分です。非常食は「災害に対応しているぞ!」という気分になるかもしれませんが、数日買いものができないだけと捉えれば、そこまで多くは必要ないでしょう。

 賢く、普段の生活をいかに続けるかを考えた対策をしましょう!

 次回は、台風に強い家づくりについて見ていきます。


文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
イラスト◎とりやま忠治
画像提供◎Shutterstock

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