お正月、「餅」が10倍おいしくなる!! 第4回

お餅をつきたてに戻す!

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基本は冷蔵庫での保存

 お餅は、かつては室温やキッチンの涼しいところに保存していました。お正月が過ぎて鏡開きの時期になると鏡餅は乾燥してひびが入ります。その頃になると、カビが生えるお餅も少なくありません。

 このカビの中には、毒性を持つものがあるので、カビたお餅を食べるのは絶対に避けましょう。
「表面にちょっと付いているくらいなら、こそげれば大丈夫」と食べてしまう方もいるようですが、それはたまたま運が良かっただけに過ぎません。

 現代の建物は断熱性が高く、かつてのように「冬なら室温でも大丈夫」というわけにはいきません。

 短期的な保存ならば、ラップなどに包んで冷蔵庫に入れるのが確実です。数日から1週間くらいなら、この方法で大丈夫です。

 水の中に浸けておく「水餅」という方法もあります。こちらは、ひと月くらいなら保存可能といわれています。ただし、餅が完全に水の中に浸かっていること、冷蔵庫に入れること、そして毎日水を取り替えることが必要です。水の中にお餅の成分が溶け出しますので、毎日取り替えないと傷みます。

 長期保存を考えるなら、フリーザーバックなどに入れ、冷凍庫で保存するのが確実です。のし餅の場合、連載2回目でお伝えしたように、つきたてをフリーザーバッグに入れて空気に触れないようにすると、フレッシュさを保ちやすくなります。小さめのフリーザーバックならそのまま解凍しても使い切れる量ですから、切らずに保存するのが良いでしょう。

餅とり粉はなるべく使わない

 これも連載第2回でお伝えしましたが、餅とり粉の使用はなるべく避けましょう。市販の餅には、大量の餅とり粉がまぶされているものが少なくありませんが、この粉が水分を吸ってカビの原因になります。使うにしても、茶こしなどで薄くまぶすくらいにとどめましょう。

餅をつきたてに戻すには

 お餅をつきたてに戻す簡単な方法が、レンジアップです。耐熱性のある器に水を入れ、そこにお餅を入れたら、ラップをせずに加熱します。時間は90秒くらいを目安に、途中で確認しながら行ってください。

 お餅の量が多すぎると戻りませんので、一度で2~3個まで。戻り足りなければ、様子を見ながら追加で加熱しましょう。

 ラップをすると、そのラップにお餅が張りついてしまったり、器全体に広がって扱いづらくなったります。
 冷凍した餅の場合は、加熱時間がさらに長くなります。お餅の状態を見ながら加熱していきましょう。

 レンジを使わず、茹で餅にするのもいいでしょう。
 つきたての餅を雑煮にする場合は、沸いているお湯の中に入れてあたためればいいのですが、ぐらぐらと沸騰したところには入れず、その手前くらいの状態で温めます。

 固くなっている餅や冷凍保存している餅の場合、鍋に水を張って、その中に餅を入れてから、弱火にかけます。おすすめは、餅が付きにくいテフロン加工の鍋。餅同士が重ならない大きさがいいでしょう。
 このとき、お湯が沸騰しないよう、火を加減してください。なるべく箸などで触らないようにします。途中で一度、鍋底から剥がしておくと、餅が柔らかくなったら浮き上がってきます。

焼き餅はオーブントースターが便利

 餅を焼くときは、ガスの火で餅焼き網を使うことが多いでしょう。しかし、ガスの火では火力が強すぎて、焦げてしまうこともしばしばです。炭火なら、熱源から離しておけば、遠赤外線の効果でじんわり火が入っておいしく焼けます。しかし、いちいちバーベキューコンロなどを出してきて、炭火をおこすのは面倒です。

 お餅を焼くときに便利なのは、実はオーブントースターです。レンジオーブンでもいいのですが、熱源が近いオーブントースターの方がきれいに焼けます。
 温度調節ができるオーブントースターなら200℃以上に設定し、調節ができないものならトースターを焼くくらいの感覚で焼けばいいでしょう。

 ぷっくりと大きく膨れたら、中まで焼けています。さらに表面の状態を見て、こんがり焼き色が付くまで待ちましょう。ガスの直火だと火力調節が難しいのですが、オーブントースターなら失敗もありません。

 うまくもどせたお餅は、つきたてと同じくらいおいしくいただけます。小豆を煮て、ぜんざいなどにしてもおいしいですよ。

餅米の品種にこだわる

 最後に、餅米の品種について、ちょっとお話を。
 スーパーの米売り場では、餅米はたいてい1種類しか扱っておらず、選択の余地がないのが実情です。けれど、ごはんも米の品種によって味が違うように、餅米も品種によって甘みや粘り気が違います。産地や、さらには生産者によっても、味わいは違ってきます。

 人気が高いのは「こがね餅」という品種。甘みや風味が強く、しっかりしたコシが特徴です。けれど、他にもいろいろな品種がありますので、せっかく自宅でお餅を搗くならいろいろ食べ比べてみるのもいいでしょう。

 次回は最終回、さまざまなお餅料理を紹介します。
 お正月でお餅に飽きる、などということはありませんよ!

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