お正月、「餅」が10倍おいしくなる!! 第2回

つきたてのお餅の正しい扱い方

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餅とり粉は厳禁?

 つきたてのお餅は、あちこちに付きます。そのため水で手を濡らしたり、木の板の上に餅とり粉を振ったりして、ハンドリングをしやすくします。

 その餅とり粉、さまざまな記事で見かけるのは、たっぷり使っている写真です。まるでスキー場のように餅とり粉が積もっているものまであります。

餅を扱うときに手に付かないために使う「餅とり粉」 。

 餅とり粉は、トウモロコシなどから作られたでんぷんを粉にしたものです。確かに餅の表面に餅とり粉を付けると、手や板などには付きにくくなります。けれど、この餅とり粉が多かったり、丸めたときに餅の中に入りこむと、食感が悪くなったり、焼いた時の膨らみが悪くなったりします。
 また、空気中の水分を吸いやすいため、たっぷり餅とり粉が搗いた餅はカビやすくなります。

 餅とり粉を使うなら、必要最小限にしましょう。

扱いが楽な「湯取り法」

 餅とり粉をなるべく使わずにお餅を扱う方法が「湯取り法」です。器に50℃くらいのぬるま湯を少し入れ、その中につきたてのお餅を入れます。フルオートでついたやわらかい餅は、取り出すのがちょっと大変ですが、水で濡らしたヘラなどで掻き出すようにして、お湯の中に落とします。

 餅の表面にお湯が触れると、扱いがとても楽になります。別の器に冷水を入れ、その水で手を濡らしながら、餅をつかみます。すると、手にも付かず、餅はきれいに小さくまとめられるのです。

のし餅はフリーザーバッグで!

 しっかりつけたお餅は、手で持ち上げるとひとかたまりになるので扱いが楽です。
 のし餅にする場合、一般的には、餅とり粉の上で麺棒などを使って延ばすことが多いのですが、もっと手軽にできるのがフリーザーバッグを使う方法です。

 フリーザーバッグの内側を軽く濡らし、2か所の角をはさみなどで3mmほど切り落とします。そこにつきたてのお餅を入れ、チャックを閉じてから、のし棒や平らな板などで延ばすのです。

 角の穴から空気が抜けるので、端までうまく広がります。3合のお餅なら、25cmくらいの幅のフリーザーバッグがちょうどいいサイズです。そのまま冷えれば、のし餅のできあがり。使うときにバッグの上から包丁で切ればOKです。
 切らずにそのまま冷凍保存しても、切ってから軽く餅とり粉を振って冷蔵庫などで保存してもいいでしょう。

丸餅には餅とり粉を

 関西などで一般的な丸餅は、水をつけた手で湯取りしたお餅をちぎり、手のひらで丸めて作ります。その後、餅とり粉を軽く振った板や、くっつきにくいオーブンシートなどの上に置きましょう。鏡餅も、この作り方で大きさを調節すればOKです。
 固まってからひとつずつラップをして冷蔵、または冷凍して保存します。

つきたて餅の食べ方いろいろ!

 お餅は保存性も高い食べものですが、つきたては何より格別です。ホームベーカリーは2~3合の少量でお餅をつくことができますから、「食べきり」できる量をついて、その場で楽しむのもいい食べ方だと思います。

 手に水を取って小さくちぎり、丸めれば準備完了です。一口大にちぎることで食べやすくなります。

磯辺巻き

 お餅の定番。さっと炙った海苔で巻いて、お醤油を添えるだけです。上質の海苔を使うと、海苔の香りとつきたてならではのお餅の甘みのハーモニーが楽しめます!
「おもちモード」でついた柔らかめのお餅なら、冷えても固まらず、こうした食べ方ができます。

からみ餅

 大根おろしをまぶし、醤油をかける食べ方です。大根おろしが辛いので「からみ餅」といったのではないかという説が有力で、大根おろしを絡めるから、という説もあります。
 大根は消化によく、年末年始の暴飲暴食で疲れた胃に優しいのでおすすめです。年末年始の大根は辛く、水分も多いので、すりおろしてからざるなどで水分を切り、しばらく置いておくといいでしょう。

あんころ餅

 お子さんに人気です。あんこを自分で炊くのは手間ですが、小豆の水煮缶を使ったり、和菓子屋さんで買って来たりしてもいいでしょう。煎茶によく合います。
 からみ餅などに比べ、少し大きめに丸めると、見た目がきれいに仕上がります。ぜひ「追いあんこ」の用意を!

きなこ餅

 あんころ餅同様にお子さんにも人気があります。こちらは一口で頬張れるよう、小さめにまるめると、きなこでむせることもなく、食べやすくなります。
 ポイントは、きなこに入れる砂糖の量。お勧めの比率は「1:1」です。
 白砂糖のすっきりした甘さも良いですが、きび糖や粗糖などの少しこくのある甘さも捨てがたいですよね。お好みでどうぞ。

大福

 あんころ餅のあんこを餅で包めば大福になります。和菓子屋さんでは日保ちのために、牛皮に近い皮や、餅米にうるち米を加えてお餅をつくことが多いようです。餅米100%だと、翌日には固くなってしまうからです。
 けれど、ホームベーカリーのおまかせでついた少し柔らかい餅ならば、翌日でも固くなりすぎず、餅も伸びやすいので、誰でも上手に包めます。包み終わったら、上から餅とり粉を少し振りかけましょう。

納豆餅

 変わりだねをひとつ。小さくちぎったお餅に、醤油をさした納豆を絡めて食べてみてください。納豆は「ねばりが出る」という縁起物でもあります。
 納豆餅を食べて納豆嫌いを克服したという方もいます。

バター餅

 最後にもうひとつ、おすすめの変わり餅を。
 いろいろな食べ方がある、米どころ秋田県の「バター餅」です。つきたてのお餅の甘さとバターの香りがたまりません。
 鍋に無塩バターを溶かし、そこに砂糖を入れて弱火で煮溶かします。量はお好みでかまいませんが、バターはたっぷり使った方がおいしくなります。砂糖が溶けたら、そこに卵黄を加え、さらによくかき混ぜます。餅に絡めればできあがりです。

 つきたてのお餅のおいしさは格別です。餅米を蒸したり、餅をついたりしている間に準備をしておけば、お餅の本当の美味しさに気づくはずです!

 次回は、お正月に食べるお雑煮あれこれ。
 日本のお雑煮は、地方色が豊かで楽しいですよ!

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