炊飯の基本は白米と同じ
お米のプロである小野瀬さんは、美味しいお米の炊き方を発信しています。
住み人オンラインでも、過去に「新米をガスで炊いてみませんか?」 という記事で、白米の美味しい炊き方を教わりました。
玄米はどう炊けば美味しくなるでしょう?
「玄米も白米も、ごはんを炊く基本的なしくみは同じです。まずは、しっかり浸水をすること。それに『炊く』というのが煮る、蒸す、焼くの複合加熱であることにも変わりはありません」
もみ洗いでロウ層に傷を付ける
実際に、玄米を炊きながら小野瀬さんに解説してもらいましょう。
「まずは白米同様、お米を洗います。玄米には石やゴミが混ざっているという方もいらっしゃいますが、お米屋さんから買う玄米は、色彩選別機を通し、さらに石抜きをしているので、ゴミや石などはほとんど混入していません。農家さんから直接買われる場合は、この作業をしっかりしていない場合があるので注意が必要です」
玄米の洗い方
2:両手でこするようにもみ洗い
玄米を両手でつかんで、拝むようにもみ洗いをします。
「これで、防水機能があるロウ層を少し削ります。わずかに精米したような状態でロウ層に傷が付き、浸水させやすくするのです。この作業をやることで、美味しく玄米が炊けます。まんべんなく、2〜3分続けてください」
3:すすぎ
しっかり傷を付けた後に、貯め水ですすぎます。水が茶色くなる程度でOK。白米同様、洗いすぎはいけません。
「あまりすすぎすぎると、白米同様お米の旨み成分のもとが流れ出してしまいます」
4:長時間の浸水
玄米1に対して、体積比で1.6〜2倍の水を加え、冷蔵庫など温度の低いところに置いて浸水します。
「炊飯器で炊くなら、水の量は炊飯器の目盛りに合わせていいでしょう。一度炊いてみて、好みの水分量に調整していくといいと思います。時間がかかるのですが、ここできっちり浸水することで美味しく炊けるのです!」
5:玄米モードで炊く
炊飯器は玄米モードがあります。これは通常より長い時間がかかります。
「炊飯器によっては、ここで時間をかけるので『長時間の浸水は不要』とうたっているものもありますが、しっかり浸水するほうが確実に美味しく炊けます。土鍋や炊飯鍋で炊く場合は、沸騰までは中火でおよそ10分。沸騰してからは弱火にして20分くらいです。白米は沸騰まで10分、沸騰してから10分ですが、水分が多い分、時間をかけます」
6:蒸らしとほぐしをきっちりと!
火を止めたら、およそ10分蒸らします。蒸らしが終わったら蓋を開け、しゃもじで切るようにしてごはんをほぐします。
「炊飯器で炊く場合は、炊きあがりの合図は蒸らしが終わった状態ですから、すぐにほぐして良いでしょう」
さあ、あつあつの炊きたて玄米をいただきましょう!
食べきれないごはんは冷凍保存
美味しく炊けた玄米ごはん、食べきれない場合はどう保存すればいいのでしょうか。
「基本は白米と同じです。冷えると固くなりますし、冷蔵庫で保存しても、食味はどんどん落ちていきます。一食分ずつラップでくるんだり、蓋のできる保存容器に入れたりして、冷凍保存しましょう」
冷凍でストックしておけば、食べたいときにレンジで加熱するだけで美味しく食べられます。おにぎりにしてからでもいいでしょう。
次回は、伝統的な玄米の炊きかた「びっくり炊き」と玄米のバリエーションについて伺います。
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