前菜は「タコのガリシア風」
タコを好んで食べるのは日本だけで、ヨーロッパでは悪魔の使いといわれて食べない、という話をよく聞きますが、スペインやイタリア、ギリシャなど、地中海沿岸ではよく食べられています。
特におすすめなのが、スペイン・ガリシア地方の郷土料理「タコのガリシア風」です。
スペインでは生のタコを茹でるときに、柔らかくするため、タマネギと一緒に煮たりします。
日本では蒸しダコ、または茹でたタコが魚屋さんやスーパーなどで売られているので、それで十分です。お刺身用に切られているものでも、足一本でも良いでしょう。
また、薄くスライスされ、生のまま冷凍で売られているミズダコなどでも美味しくできます。
ガリシア風にはいろいろなスタイルがありますが、今回はジャガイモと一緒にいただきます。
【材料】
- 蒸しダコ
足1本分 - ジャガイモ
1個 - 塩
適量 - オリーブオイル
適量 - パプリカパウダー
適量
【つくり方】
手間いらずのフィンガーフードに
ジャガイモは水洗いして、芽を取ってからスライスして耐熱皿にのせ、ラップをかけて火が通るまでレンジで加熱します。
量によって変わりますが、1個あたり2分くらいが目安。あまり加熱しすぎると、水分が飛んで固い部分ができてしまいます。
もちろん、茹でたりふかしたりしてもかまいません。皮が苦手な方は剥いてください。
お皿の上にジャガイモを並べ、その上に一切れずつたこをのせます。
お好みで塩をぱらり、そして、パプリカパウダーをたっぷり振りかけます。オリーブオイルを回しかけ、調理はこれだけ。
スペインのバルっぽく、爪楊枝を立ててピンチョススタイルのフィンガーフードにしてみてはいかがでしょう。
パプリカパウダーは、意識しないと味も香りもあまり主張しないスパイスですが、こうして食べるとパプリカの香りがタコの味を引き立ててくれるのがわかります。
スペインでは甘いパプリカパウダー(ドゥルセ)、辛いパプリカパウダー(ピカンテ)の2種類に加え、燻製したパプリカもあり、それぞれ人気があります。
日本にも輸入されているので、一度、本場スペインのパプリカを試してみるのも良いかもしれませんね。
イカのお刺身で「ハーブパン粉焼き」
続いては、いつでも手軽に買えるイカを、イタリアっぽく「ハーブパン粉焼き」にしてみました。
オーブンやオーブントースターで簡単につくれますが、ハーブを使うので香りも味も良く、ごちそう感があります。
アオリイカやモンゴウイカなどのコウイカでつくると、肉厚で美味しいですし、まるごとのヤリイカやスルメイカをさばいて、足まで使ってつくっても良いのですが、イカをさばくのは苦手という方も多いでしょう。
お刺身ならば、さばいて薄皮も剥いてありますので、手間がかかりません。さばいて皮だけ剥いたものを買った場合は、大きめに切っても食感が楽しめます。
【材料】
- イカのお刺身
1パック - パン粉
適量 - 好きなハーブ
適量 - オリーブオイル
適量 - 塩
適量 - レモン
適量
【つくり方】
1:ハーブパン粉をつくる
パン粉を大体ふた掴みくらいと、細かく刻んだイタリアンパセリなどのハーブをボウルの中に入れ、エクストラバージンオリーブオイルを回しかけて混ぜます。
オイルは、全体がなんとなくまとまるくらいの量で良いでしょう。
2:イカにハーブパン粉を和える
軽く塩をしたイカのお刺身をハーブパン粉に加え、ざっくりと混ぜます。イカがパン粉をまとえばOKです。
あまり長く混ぜすぎないように、注意しましょう。
3:オーブンで焼いたら完成!
グラタン皿やカセロールなど、耐熱の容器に入れ、オーブンやオーブントースターで焼きます。200℃に予熱をしておけば、10〜15分程度で焼き上がります。
レモンを添えて、食べるときにぎゅっと絞ると良いでしょう。
刺身用ホタテで絶品ソテー!
さて、いよいよメインディッシュ! 豪華にホタテの貝柱を使います。
お刺身用のホタテ貝柱は、生で食べても美味しいですが、火を通すと甘みが増します。
簡単につくれるソースを添えれば、立派なメイン料理になるでしょう。
刺身用のホタテは、大抵冷凍されて、貝柱だけになっています。スーパーで売られているのも、それを解凍しただけのものがほとんど。
けれども、味は生と遜色ないですし、なにより殻を剥いたり、ヒモや肝を外す手間がありません。
付け合わせの野菜も、季節のものをシンプルにソテーするだけ。しかも、ホタテと一緒に焼いてしまいます。
今回は、山菜のうるい、タラの芽、ふきのとうが手に入ったので、それに加えて菜の花、という春らしいチョイスです。
【材料】
- ホタテ貝柱
3〜4粒 - 塩
適量 - 白胡椒
適量 - 生クリーム
100cc - かんきつ類
適量 - オリーブオイル(バターでも可)
適量 - 付け合わせの野菜
適量
【つくり方】
1:ホタテは焼き始めたら動かさない
付け合わせの野菜は適当な大きさに切り、汚れているところを包丁で削って、掃除をします。
フライパンを温め、オリーブオイルまたはバターを入れて、フライパンの外周部分で野菜を焼き始めてから、ホタテを中央に置いてください。
野菜は焼き加減を見て動かしますが、ホタテは動かさないようにしましょう。
まずは片面にいい焼き目が付くまで、じっくり火を入れます。ホタテの温度によって変わりますが、だいたい3分くらいでしょう。
2:焼いている間にソースの用意
今回のソースは、生クリームを使います。
ホタテを焼いているフライパンとは別の小さな鍋に、生クリームと塩をひとつまみ入れて、弱火にかけます。
温めている最中に味を見て、塩は少し強めにするのがおすすめです。ホタテや野菜には味付けをしていないので、ソースの塩加減でバランスを取りましょう。
沸騰してきたら、かんきつ類をぎゅっと絞ります。今回は、冬から春に移り変わる季節をイメージして、名残りの柚子を使いました。
かんきつ類のジュースが加わると、生クリームがかたまり始めて、とろみがつきます。
3:ホタテをひっくり返し、中まで火を通します
ホタテをひっくり返して反対面を焼きます。良い焦げ色が付いていますね。
反対側も2分くらい焼けば火が入ります。もともと生でも美味しい貝ですから、中が温まればOKです。
付け合わせの野菜は、様子を見て、焼けているものから取り出していきましょう。
お皿にソースをスプーンなどで敷き、周囲に付け合わせの野菜を添えます。
真ん中にホタテを盛って、上から白胡椒を挽き、仕上げに柚子の皮をすりおろせばできあがりです。
お刺身にするのは、鮮度が良くて美味しい魚。
そのままでも楽しめますが、簡単なアレンジで、絶品料理が何種類もできます。
毎日の食卓に魚が登場すると、魚介が美味しい国に暮らしている幸せを実感できるのではないでしょうか。
さばくのが難しい、料理するのが大変と敬遠しているみなさん! ぜひ、お刺身を美味しく料理して、楽しんでください!
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