
魚屋さんやスーパーで買ってきたお刺身を使った、簡単で美味しい料理をご紹介! 今回は一歩進んで、ほんの少しだけ手間をかけてつくる和食です。
といっても、魚をさばく必要はありません。ちょっとした工夫で、魚の美味しさを存分に引き出すことができます。簡単なのに、味わい、香り、そして食感をフルに楽しめ、お客さまに出しても、絶対に喜ばれること請け合いです。


深場でとれるキンメダイは、脂がのって、とても美味しい魚です。
少しお値段は張りますが、お客様がいらっしゃったときなど、しゃぶしゃぶにするのはいかがでしょう。
ひと手間かけてアラで取ったスープをベースにすると、美味しさがぐんと増すのです。
魚屋さんでは、捨ててしまうことも多いキンメダイのアラ。
お刺身を買うときに「アラもください」とお願いすると、安価で譲ってくれることもあります。1尾まるごと買って、お刺身に引いてもらい、アラももらってくるのも良いでしょう。
<タレ1>
<タレ2>

キンメダイのアラは、一度熱湯をかけてから、水で表面を洗い流します。皮に残っているうろこや血合いを洗い流し、臭みを抜くためです。
そのままだしを取っても良いのですが、ここでひと手間!
軽く塩を振って、180〜200℃のオーブン、またはオーブントースターか、弱火にしたガステーブルのグリルで、ヒレがパリッとするくらいまで焼いてみてください。中まで火が通っていなくても、大丈夫です。
それを、昆布と水を入れた鍋に入れ、火にかけます。沸騰したら弱火で15分ほど煮出せば、美味しいキンメダイのだしが取れます。

キンメダイは、お刺身になっているものならば、そのまま盛りつけましょう。
もし、1尾まるごと買って、お店でさばいてもらう場合は、好みで半身を皮付きにしてもらうのがおすすめです。キンメダイの皮は、しゃぶしゃぶにすると、クニュクニュと柔らかい食感でとても美味しいのです。
野菜は水菜とえのき、ネギのみ。お好みで他の葉物などを入れてもかまいませんが、主役はあくまでキンメダイ。
あれこれ野菜が増えると、せっかくの魚が引き立ちません。

ポン酢は市販のものから、お気に入りの種類を選びましょう。
大根に菜箸で穴を開け、そこに種を抜いた唐辛子を詰めておろして、もみじおろしをつくります。器にもみじおろしと青ネギの小口切りを入れ、そこにポン酢を加えたら完成。
別添えの柚子など、かんきつ類を搾るとフレッシュさが増します。
もうひとつのタレは練り胡麻に醤油、みりんを加えたもの。こちらも、柚子などを搾ると、より一層美味しいと思います。
鍋が終わった後は、雑炊やうどんなどで締めるのも良いでしょう。
キンメダイのだしは多めに取って冷凍にしておけば、野菜を入れてスープにしても美味しいです。
だしを取ったあとのアラも、醤油やみりん、ショウガなどで濃い味に煮直して、あら炊きにすれば三度楽しめます!

イナダは、スーパーなどで安く売られているお刺身で、実はブリの若魚。
東京ではワカシ→イナダ→ワラサ→ブリと成長するにつれ、名前が変わる出世魚です。関西ではツバス→ハマチ→メジロ→ブリとなり、イナダにあたるものはハマチと呼ばれます。
このイナダのお刺身は、脂がちょっと足りません。そこで、練りごまを使ったタレをつくり、足りない要素を補いましょう。
そのまま食べても美味しいですし、炊きたてごはんにのせたり、お茶漬けにしたりするのもおすすめです。
<タレ>

練り胡麻と醤油、みりん、青ネギのみじん切りを混ぜ合わせるだけ!
イナダのお刺身を器に盛って、上にタレをのせたら、できあがりです。

炊きたてのごはんの上にのせても、抜群の美味しさ。さらに、緑茶をかけてお茶漬けにするのも、面白い趣向です。
白身魚だと、出汁をかけるお茶漬けが一般的ですが、ブリ系などの青魚は生臭みが出やすいので、濃く出した緑茶がよく合います。
次回は、お刺身に火を入れる料理をご紹介します!
レシピ考案・文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
撮影◎大西尚明
スタイリング◎吉田千穂