簡単! お刺身アレンジレシピ[第1回]

混ぜるだけで美味しい、お刺身リメイク4品!

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面倒な作業は一切なし!

 お刺身として売られている魚は、生で食べられるほど鮮度の良い魚です。
 ただ、パックや盛り合わせを買ってきても、わさび醤油やポン酢などで食べるだけ、という人がほとんどではないでしょうか。

 そこで、普段料理をしない人でも、「包丁」を極力使わず、あっという間にできる料理を考えました。調味料や薬味と混ぜるだけで、ワンパターンのお刺身から脱却できます。

 面倒くさい「計量」も不要で、「火」も使わないので大きな洗い物が出ません。
 シンプルに、このくらいで美味しいだろう、という量の調味料を入れて混ぜるだけの、簡単アレンジレシピです。それも、びっくりするくらいに美味しいので、ぜひお試しを!

焼き肉のタレで「マグロのユッケ」

 まずはマグロのお刺身、特にお値打ちな切り落としを買ってきて、さっとつくれる一品。
 マグロの赤身は、タンパク質が豊富で、血合いの部分にはタウリンが含まれている、とても優秀な食材です。

 普段はお醤油とわさび、人によっては山芋をおろして山かけに、というところでしょう。けれども、実は焼き肉のタレとの相性が、抜群に良いのです。イメージとしては、マグロのユッケになります。

【材料】

  • マグロの切り落とし
    1パック
  • ※安い赤身が最高です
  • アボカド
    1/2個
  • 焼き肉のタレ
    適量
  • ※お好みのものを
  • いりごま
    適量
  • 長ネギ
    適量
  • ※切れ端の青い部分
  • 一味唐辛子
    適宜
  • かいわれ
    適宜
  • サンチュやサニーレタスなど
    適宜
  • ※盛り付け用

【つくり方】

1:マグロの切り落としをボウルに入れます

 この料理には、脂が少ない赤身のマグロが合います。
 安く買える切り落としがおすすめです。

2:いりごま、長ネギのみじん切りを入れる

 長ネギのみじん切りは、キッチンばさみでOK。端っこの青いところだけで十分です。
 お好みで、一味唐辛子を少し入れても良いでしょう。

3:焼肉のタレを混ぜる

 焼肉のタレを加え、よく和えます。
 あまり入れすぎるとしょっぱくなってしまうので、スプーン一杯くらいで味を見て、足りなかったら追加しましょう。
 きっちり計って入れなくても、「大体このくらいだろう」という感覚で大丈夫です!

4:アボカドを半分に切って、スプーンで一口大に

 包丁を使うのは、アボカドを半分に切るときだけです。
 アボカドは空気に触れると変色しやすいので、食べるまでに時間があるときは、レモンを絞って和えておきます。

5:アボカドとマグロは混ぜない!

 お皿にサンチュやサニーレタスを敷いて、その上にアボカド、マグロと盛り付けます。
 アボカドとマグロは、和えてしまうと味が濁ってしまうので、のせるだけ。

 味の濃いマグロと、ネットリしているけれど、あっさり味のアボカド。その対比を楽しんでください。
 最後に少し、かいわれなどを飾ると、おしゃれになります。サンチュを別添えにして、巻いて食べても美味しいですね。

甘エビと塩辛の絶妙な組み合わせ!

 2品目は、甘エビを使います。甘エビ以外にも、冷凍になっているお刺身用の赤海老など、生で食べられる海老ならなんでもかまいません。

 それをイカの塩辛と和えるだけ。
 海老の旨みや甘みと、濃厚なイカの肝の組み合わせは絶妙です。塩辛はスーパーでも手に入りますが、魚屋さんをのぞくと、自家製の塩辛を売っていることがあります。
 好みの塩辛を探してみるのも、楽しいですね。見つけたらぜひつくってみてください。

【材料】

  • 甘エビのお刺身
    好きなだけ
  • イカの塩辛
    体積で、海老の1/4~1/3
  • 豆腐
    1/2丁
  • ※絹ごしでも木綿でも可
  • ごま油
    適量
  • 糸唐辛子
    適宜

【つくり方】

1:海老と豆腐の下ごしらえ

 海老の尻尾は取り除いておきます。
 豆腐は、キッチンペーパーを二重に巻いて、電子レンジで水切りをしてください。500Wなら1分〜1分半です。取り出したら、手でちぎっておきましょう。
 豆の味の濃い、美味しい豆腐が手に入ると、ワンランク上の料理になります。

2:ポイントはごま油!

 海老に、スプーン半分〜1杯くらいのごま油を和えます。
 あっさりした太白ではなく、コクのある純正ごま油がおすすめ。味を見て、濃いごま油なら控えめに、あっさりしたごま油なら少し多めにすると良いでしょう。

3:豆腐、塩辛を加えて混ぜる

  手でちぎった豆腐と塩辛を加え、豆腐をあまり潰さないように、優しく混ぜましょう。
 塩辛の塩気が軽いようなら、ほんの少し醤油を垂らしても良いですが、あっさり味の方がイカの旨みや海老の甘み、豆腐の味も引き立ちます。

 あとは器に盛り、糸唐辛子をたっぷりのせるだけ。なんと、包丁は一切使いません!

叩かない「アジのなめろう」

 葱や味噌を使って、アジを包丁で細かく叩く外房の地方料理「なめろう」は、よく居酒屋さんでも見かけるメニューです。

 買ってきたお刺身を「なめろう」と同じ味付けにすると、鮮度の良い魚のプリプリした食感が活かされ、また違った美味しさになります。
 さっとつくれますので、ぜひ試してみてください!

 お味噌は、地域によってさまざまな種類があり、味も塩分濃度も異なります。
 好みもあると思いますが、辛口の米味噌がおすすめです。たとえば、信州味噌のような白味噌だと良いでしょう。

【材料】

  • アジのお刺身
    1パック
  • ネギ
    適量
  • ※青ネギでも白ネギでも可
  • ショウガ
    適量
  • 醤油
    ひとたらし
  • 味噌
    大さじ1〜2杯
  • 大葉
    2〜3枚

【つくり方】

1:刻んだ野菜とアジをボウルへ

 ネギは、みじん切りか、細い青ネギなら小口切りにします。包丁を使わずに、はさみで切ってしまっても大丈夫。
 ショウガは、細かく刻んでも、すりおろしでもかまいません。チューブのおろしショウガよりも、おろしたての方が、香りが引き立ちます。
 今回のアジは食感をより楽しむため、魚屋さんにお願いして、大きめに切ってもらいました。

2:味噌と醤油で和えて、できあがり!

 叩く場合は味噌だけでも良いのですが、このレシピは和えて完成なので、味噌に醤油をひとたらし加えて、柔らかくしてから混ぜましょう。
 大葉はくるくると巻いてから、包丁やはさみで細切りに。アジを器に盛ってから、上にのせるときれいに見えます。

博多名物「ごまさば」

 鮮度が命のサバのお刺身。昔は、サバは当たりやすいからと、しめ鯖にして食べることが多かったのですが、最近はお刺身でも売られています。

 新鮮なサバを使った料理といえば、博多名物の「ごまさば」です。
 サバを胡麻ベースのタレに和えるだけのシンプルな料理、すりごまを使っても良いのですが、すり鉢などであたったごまを使うことで、サバの美味しさがより引き立ちます!

【材料】

  • サバのお刺身
    1尾分
  • 青ネギ
    適量
  • すりおろしショウガ
    適量
  • ごま
    大さじ2杯(お好みで調整)
  • 醤油
    大さじ2杯

  • 大さじ1/2杯
  • みりん
    大さじ1杯
  • ※九州の甘い醤油が手に入らない場合

【つくり方】

1:ごまをあたって、タレをつくる

 すり鉢にごまを入れて、すりこぎでゆっくり潰していきます。
 好きな量で良いですが、大きめのサバ1尾なら大さじ2杯、たっぷり使った方が、ごまの風味を強く感じられるでしょう。
 細かさはお好みで、あたっているうちに香りが立って、胡麻にうっすら油がにじんでくればOKです。

 そこに、みじん切りにしたネギ、すりおろしショウガ、醤油、酒を入れます。
 九州は甘い醤油が一般的ですが、手に入らない場合は、みりんを加えて甘くします。

2:和えるだけで完成!

 できあがったごまだれを、サバにかけて軽く混ぜます。
 今回は、胡麻の食感を残して、粗めにあたりました。

 包丁をほとんど使わず、さくっと材料を混ぜるだけで、お刺身はこんなにバリエーション豊かになります。

 普段料理をしない人でも、簡単につくれる手軽さですが、鮮度の良い魚はとても美味しいので、ごちそうになりますよ!

 次回は、白身魚を使ったパーティーメニューをご紹介します!


レシピ考案・文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
撮影◎大西尚明
スタイリング◎吉田千穂

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