簡単! お刺身アレンジレシピ[第4回]

ごはんとの相性抜群! 火を使った魚料理に

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レシピ

サーモンのお刺身で「ちゃんちゃん焼き」

大量のキャベツやタマネギと鮭を、味噌で豪快に焼き、最後に全部混ぜて食べる。

 北海道のソウルフードといっても過言ではない「ちゃんちゃん焼き」。
 まるごと1尾の鮭を、豪快に鉄板の上で焼く料理です。大勢の仲間が集まったときに、BBQなどのメイン料理として食べられることが多いようですが、近頃は家庭料理としても、つくりたいとおっしゃる方が少なくありません。

 しかし、おうちの食事では鮭を1尾、または半身でも、いっぺんに焼いたら食べきれません。そんなときは、サーモンのお刺身を使って、つくってしまえば良いのです。

「ちゃんちゃん焼き」に向いているのは、辛口のすっきりした米味噌です。
 北海道では、寒い気候の中、上手く味噌をつくるために、麹の量が多めの白い米味噌が一般的なので、そこに倣うのが良いでしょう。

 ただ、北海道の味噌を手に入れるのが、難しいこともあります。
 その場合は、一般的に買える信州味噌や、同じく米味噌ですが、色が濃い仙台味噌もおすすめです。今回は、信州味噌を使いました。

【材料】

  • サーモンの刺身
    1パック
  • タマネギ
    1/2個
  • ジャガイモ
    1/2個
  • キャベツ
    1/4個
  • バター
    適量

    <タレ>

  • 味噌
    適量
  • 日本酒
    適量
  • おろしニンニク
    適量
  • 砂糖
    適量
  • みりん
    適量
  • 一味唐辛子
    適量

【つくり方】

1:タレを混ぜておく

 味噌に日本酒を、とろとろに緩くなるくらいまで加えます。最後に砂糖とみりんを入れたら、味を見て、少し甘いかな、と思うくらいが良いでしょう。
 さらに、おろしたニンニク、一味唐辛子を混ぜ合わせたら完成です。

 これは好みですが、牛乳を少し加える方もいるようです。

2:フライパンで焼く

 蓋ができるフライパンに、油を少し入れます。
 今回は食卓にそのまま出せるように、鋳物のスキレットを使いましたが、家庭用のフライパンでも、すき焼き鍋でも、蓋ができれば大丈夫です。

 薄切りにしたジャガイモ、くし切りまたはスライスしたタマネギを敷き、その上にサーモンのお刺身を並べます。
 その上から、ざく切りにしたキャベツを大量にのせます。蒸し焼きにするとキャベツはかさが減るので、蓋が閉まるギリギリの高さまで入れてしまいましょう。

 蓋をして、中火にかけます。

3:タレを加える

 キャベツのかさがある程度減ってきたら、味噌だれを上から投入し、再び蓋をして蒸し焼きにします。野菜の水分で味噌がゆるくなり、鍋の底につくくらいになると、味噌のいい香りがしてくるはずです。

 時々蓋を開けて、様子を見ても問題ありません。火が強いようなら少し弱め、キャベツが柔らかくなる頃合いが焼き上がりです!

 ここで、バターを1~2片入れる方もいます。牛乳やバターは北海道の特産物だからかもしれませんね。

4:全体をよく混ぜてできあがり!

 鋳物のスキレットの場合は、しばらく熱いので、そのまま食卓において、そこで全体をよく混ぜましょう。もちろん、ガステーブルの上でやってもOKです。

 まるごと1尾や半身の鮭を焼くのとは違い、サーモンはあらかじめ切れているので、あまりぐちゃぐちゃにする必要はありません。

カツオの刺身を揚げてみる

 カツオのお刺身も、季節によっては、とてもお手頃な値段で買えます。大抵は半身単位で売られているので、家庭ではちょっと持て余してしまうこともあるでしょう。

 そこで、翌日でも美味しく食べられる工夫をします。下味をつけてから、さっと揚げるだけで、お刺身とは全く違う美味しさになるのです。
 和風、洋風、ふたつのアレンジでご紹介します。

 揚げものはちょっと……という方もいらっしゃるかもしれませんが、ほんの少しの油で揚げることができるので、ぜひチャレンジしてみてください!

【材料】

  • 鰹のお刺身
    1/2パック
  • 片栗粉
    大さじ2
  • 揚げ油
    鍋に2cm程度
  • 醤油
    適量
  • 日本酒
    適量
  • すりおろしショウガ
    適量

    <和風仕上げ>

  • ごはん
    適量
  • 大葉
    適量

    <洋風仕上げ>

  • ベビーリーフなどの生野菜や好みのハーブ
  • マヨネーズ
    適量
  • マスタード
    適量
  • ヨーグルト
    適量
  • レモン
    適量

【つくり方】

1:「づけ」にして揚げる

 カツオを醤油、日本酒、すりおろしショウガに漬け込みましょう。こうした醤油ベースのタレに漬け込むことを「づけ」といいます。
 醤油だけだと少ししょっぱくなりすぎるので、日本酒を同量くらい加えるのがポイント。日本酒の旨みと甘みが加わって、さらに美味しくなるのです。

 そのまま30分ほどおいたカツオに、片栗粉をまぶします。ビニール袋の中にカツオと片栗粉を入れ、その中でまんべんなくまぶすと、手が汚れる心配はありません。

 小さめのフライパンに2cmほどの油を入れ、温めます。
 菜箸を入れて泡が出るくらいになったら、カツオを一切れずつ入れ、揚げましょう。火加減は中火くらいで、あまり高温で揚げると衣が焦げてしまいます。

 カツオから出る泡が小さくなってきたら、揚げあがりです。
 揚がったものを取り出し、ざるかバットにキッチンペーパーを敷いて油を切りましょう。

2:どんぶり仕立てで和風料理に

 器にごはんをよそって、その上にお好みで大葉などを敷き、カツオを盛りつけましょう。
 そのままでも十分美味しいですが、上から胡椒を挽いたり、もみ海苔とたまごの黄身をのせたり、アレンジして楽しむのもおすすめです。

3:野菜とともに、洋風仕立てで

 洋風仕立ては、カロリーを気にする方、炭水化物を控えたい方にぴったりです。
 皿にベビーリーフや短く刻んだ水菜、トレヴィスなど好みの野菜をたっぷり敷き、その上にカツオをのせます。

 そこに、簡単につくれるソースをかけて仕上げましょう。
 今回はマヨネーズにヨーグルトを同量混ぜ、マスタードを加えてぎゅっとレモンを搾りました。

 マスタードの量はお好みで、辛味より酸味の方が強いので、味見しながら仕上げてください。粒マスタードを使っても良いですし、上から胡椒を挽くのもありです。

 レシピ通りに分量を量ってつくる料理も良いですが、こうしたものは「好み」の要素が強いので、幅を持って、自分で味を見ながら味を仕上げていくと、料理はラクで楽しくなると思います。

 最終回は、お刺身を使って、洋風のシーフード料理を3品、コースにもできる一皿をご紹介します。


レシピ考案・文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
撮影◎大西尚明
スタイリング◎吉田千穂

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