おうちで楽しむワンランク上のバーベキュー![第1回]

シンプルで豪快! かたまり肉でごちそうBBQ

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おうちBBQはアウトドアより手軽!

 海岸や河原、BBQ場などで、炭火をおこすところからはじめるアウトドア料理は楽しいものです。けれど、グリルや食材、調理道具など、車で運んでも大荷物になってしまうのが悩みのタネ。

 おうちBBQならば、下ごしらえや準備はキッチンで行えます。洗い物や後片付けも楽々、そして肝心の料理も、炭火を使うことで、普段とは違うものが作れます。面倒な下ごしらえは不要。豪快で美味しく、でもおしゃれな料理をご紹介します!

炭をおこすのはキッチンで

キッチンでガスの火を使って炭をおこすときは必ず弱火で。

 炭火でBBQをするには、何をおいても、炭をおこす必要があります。アウトドアでは、風対策などさまざまな要因で工夫が必要ですが、おうちBBQならガステーブルに炭を入れた火おこし器を置き、弱火にしばらくかけることで、簡単に着火できます。
 強火にかけると、炭の中の水分がはぜる危険性がありますので、かならず弱火~中弱火にしましょう。

 また、写真のような火おこし器を使って、直接火をおこす方法もあります。炭を入れ、ねじった新聞紙や着火用の発火材を加えて火を点けると、煙突のような空気の流れで火が付きやすくなります。写真のものは上下に蓋が装着でき、BBQが終わった後の炭を入れて火消しをする炭壺にもなります。
 炭がおきたら、BBQグリルの中央に置き、周りを追加の炭で囲みます。中央で燃えている炭の熱で、追加の炭の中にある水分を出してくれるので、途中で消えてしまったり、炭がはぜたりすることを防げます。

 BBQが終わったあとの炭を消火するには、火消し壺を用意しておくと良いでしょう。まだ塊の炭をこの中に入れて蓋をすると、酸素が失われ、自動的に消火してくれるので安全です。グリルに残った細かい炭は、しばらく置いておくと燃え尽きます。
 燃えている炭の上から直接水をかけると、炭がはぜるので危険です。
 炭壺に入れた「消し炭」は、次回BBQをするときにスターター(着火剤)として使うと良いでしょう。

赤身肉をど〜んと焼きましょう!

サシの入り方や、肉の周囲の脂が付いているものを選ぶかどうかなどはお好みで。

 炭火をおこしたら、その様子を見て炭を追加しつつ、料理の準備にかかりましょう!

 今回は、豪快に牛の赤身肉を塊で焼いていただきます。「サシ」が少ない赤身肉は近年大人気です。霜降りのお肉ももちろん美味しいのですが、「脂が強くてたくさん食べられない」という人も少なくないと思います。赤身肉は肉本来の美味しさを味わえるし、ヘルシーだとも言われます。今回は1.2kgのローストビーフ用の赤身肉を用意しました。

 お肉は冷蔵庫から出して、塩胡椒をして30分〜1時間、室温に戻しておきましょう。塩も胡椒もしっかりしておいたほうが、美味しくいただけます。

肉は遠火でじっくり焼こう

 さて、それではお待ちかね、肉を焼いていきましょう。炭がカンカンにおきた状態から、少し落ち着いて炎が出なくなったくらいが、肉を焼くには一番です。網の上に手をかざし、まずは一番強そうなところで全体を焼きます。分厚く切った肉なので、横も焼きます。
 美味しそうな焦げ目が付いたところで、少し火が弱いところに置きます。

 ここで、炭の持つ遠赤外線を使って、中までじっくり火を入れていくというわけです。あまり肉をいじりすぎてはいけません。他の料理をしながら、遠火で肉を焼き、ときどきチェックしながらひっくり返しましょう。指などで肉を押して適度に弾力を感じれば焼き上がり。
 もし焼き足りなくても、肉を切ったときにもう一度かるく炭火で焼けばいいのです。リカバリーがしやすいのも、塊肉の良いところです。

 お肉をアルミホイルで包んで寝かせます。焼きたてを切ると、美味しい肉汁が切り口から流れ出てしまいます。20〜30分寝かせることで、余熱で肉の中まで火が入り、肉汁を閉じ込めて美味しくなるのです。

 休ませている間にソースとサラダを作りましょう。

アルゼンチンの万能ソース「チミチュリ」

 今回は、アルゼンチンをはじめ、南米で広く食べられている「チミチュリ」というソースでお肉をいただきます。アルゼンチンは牛肉の一大生産国で、昔から「ガウチョ」と呼ばれるカウボーイたちが牛を追いながら生活をし、BBQで食事をした歴史があります。

「チミチュリ」は肉を焼いた「アサード」という料理を食べるときに一般的に使われるソースで、パセリ、ニンニクのみじん切りに塩、酢、油、唐辛子を入れ、和えて作ります。地域によって、また家庭によってそれぞれのレシピがありますので、自分が美味しいと思うレシピをぜひ考えて「我が家の味」を産み出してください。

 このソースは、肉に添えるだけでなく、万能ソースとして使えます。刻んで和えるだけの簡単なものなので、たっぷり作りましょう。

 今回は、酒ごはん研究所おすすめのレシピ。パセリだけではく、パクチーを使います。このソースを塗ったフランスパンも、美味しいつまみになります。

アルゼンチンの万能ソース「チミチュリ」

【材料】


  • パセリ……1カップ
  • パクチー……1カップ
  • 新タマネギまたは紫タマネギ……大1/2程度
  • ニンニク……4片
  • 唐辛子(鷹の爪)……1本〜2本(※1)
  • パプリカパウダー……大さじ1
  • オレガノ……フレッシュをひとつかみ(乾燥であれば大さじ2)
  • 赤ワインヴィネガー……大さじ3〜4(バルサミコやリンゴ酢などのフルーツビネガーでも)
  • オリーブオイル……100〜150cc
  • 塩……適宜
  • 黒胡椒……小さじ1程度

※1 お子様や辛いものが苦手な方はパプリカパウダーを増量でも

 チミチュリソースを作ったら、それを使ってサラダを仕上げます。
 好きな野菜にこのチミチュリソースを混ぜ、レモンやライムを搾ればできあがりです。
 スーパーなどで売っているサラダミックスの生野菜でもかまいませんし、そこに玄関ハーブを混ぜたり、トマトの角切りや生のズッキーニのスライス、好きなチーズなどを加えたりするのも良いでしょう。

肉を切り分けてできあがり!

 さあ、テーブルの上に肉を出して切り分けましょう。いい色に焼けています。寝かせたおかげで、肉汁も流れ出ていません。
 サラダを添えて、肉の上にチミチュリをかければできあがりです!

【参考】「ガーデンルームGF」で快適なBBQ空間を!

https://www.lixil.co.jp/ouchijikan/article_exterior02.htm

※ガーデンルームGFをご利用の際は、屋根材に上昇熱が当たる点にご注意ください。また、必ず換気を行ってください。


文・レシピ開発◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
撮影◎大西尚明

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)