おうちで楽しむワンランク上のバーベキュー![第2回]

ダッチオーブンで鶏のまるごとロースト!

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普段使いも出来る鋳物鍋「ダッチオーブン」

 手間がかからず、放ったらかしで作れる、BBQならではの料理があります。
 それが「ダッチオーブン」で作るロースト料理です。

 ダッチオーブンは、アメリカの西部開拓時代に使われていた鋳物鍋がルーツです。フランス料理のココットなど、オーブンに入れられる「オーブンウェア」の一種ですが、特徴的なのは蓋の周囲に縁どりがあり、火の付いた炭や薪が乗せられるようになっていること。

 直火の上に置いて、さらに上に熱源を乗せることで、中の食材を蒸し焼きにできることから、鍋なのに「オーブン」と言われているのです。

 炭や薪の火の上に置きやすいように脚が付いているものもありますが、BBQグリルの上での調理なら、脚はなくても大丈夫です。蒸し焼きだけでなく、シチューなどをじっくり煮こんだり、小さいものなら天ぷらなどの揚げものをしたりするときにも温度変化が少なく、使い勝手が良いのです。少し重いのが難点ですが、普段のキッチンでも使えます。ぜひこの機会に手に入れてみてはいかがでしょう。

 手に入れたら、まずは「シーズニング」という作業が必要です。洗剤などを使って汚れを落としたら、ガステーブルで火にかけ、食用油を少し入れてくず野菜などを炒めることで鉄の肌に油をなじませます。これは、鉄製のフライパンや中華鍋を初めて使うときに行う作業と同じです。

 使い終わった後は、外側も内側も蓋も、洗剤を使わず金だわしや竹製の「ささら」などで、がしがし洗います。ガステーブルで火にかけて水分を飛ばし冷えてからキッチンペーパーなどで食用油を塗っておくといいでしょう。湿気が籠もらない場所にしまいます。錆が出た場合も、金属たわしで落とせば大丈夫です。

鍋底に金網を敷いて食材を入れるだけ!

 さあ、では料理をしていきましょう。

 まずは炭をおこしておきます。ダッチオーブンは蓋の上にも炭を置きますので、たっぷり用意してください。

 底に餅焼き網などを敷いておくのがおすすめです。鍋底に直接食材が触れると焦げやすくなります。その上にアルミホイルやオーブンシートを敷いてもいいでしょう。

 鶏は精肉店でお願いして、中を抜いたものを買ってくれば、下ごしらえなどはいりません。中をキッチンペーパーなどで拭いて、塩胡椒をします。
 好みのハーブをおなかの中に入れると、その香りが肉に移ってさらに美味しくなります。おすすめはローズマリー、タイム、パセリなど。玄関やベランダでハーブを育てていれば、ぜひそれを使いましょう。

 鶏の外側にも塩胡椒をして、ハーブをまぶしつけます。オリーブオイルなどを塗りつけておくと、仕上がりがきれいになります。
 ちょっとピリリとさせるために、鷹の爪を2本くらいのせてもいいでしょう。

 ローストチキンを作るときに、おなかの中に細かく切ったパンや野菜、スパイスなどを混ぜ合わせたスタッフィングを作って詰めても構いません。その場合、お尻の部分をたこ糸などで縫って、中身が出ないようにします。
 また、焼き上がりを考えて、脚をたこ糸で縛ったりする方もいます。BBQは大雑把に作ってワイルドに食べるのも楽しいものです。今回はそういった作業はせずに料理しましょう。

標準的な24cmのダッチオーブンに2kg強の鶏肉を入れるとこんな感じです

 ダッチオーブンの良いところは、付け合わせも一緒に焼けるところです。丸ごとのニンニクや洗って芽を取った皮付きのジャガイモなどを一緒に入れます。半分に切ったタマネギを入れるのもいいでしょう。

1時間待つだけで極上の焼き上がりに

 BBQグリルの炭の上にダッチオーブンを置き、その上にも炭を乗せます。ここから45分〜1時間待つことで、オーブンの上下から炭の熱が伝わり、鶏もジャガイモも、ふんわりしっとり美味しく焼けるのです。

 ダッチオーブンは重い蓋のおかげで、無水鍋と同じように、食材の水分が鍋の中で対流します。同時に鍋肌から伝わる熱の効果で、表面はこんがりいい色に焼き上がるというわけです。

 途中、どうしても焼き上がりが心配になる方は、蓋を開けて確認しても大丈夫です。圧力鍋ではないので、開けるときに何かが飛び出すようなことはありません。

 ただし、蓋は炭が乗っていますし、非常に熱くなっていますので注意が必要です。開けたときに鍋の中に炭が落ちないように気をつけましょう。

 また、何度も開け閉めをすると蒸気が逃げてしまいますので、あまり頻繁にしないほうが美味しく仕上がります。

焼けるまでに他の料理が出来ます

 鶏を焼いている間に、テーブルのセットなどをする余裕があるのが、ダッチオーブン料理のいいところ。副菜もその間に作ることが出来ます。

 今回は、少し小さいダッチオーブンを使い、BBQグリルの上でミネストローネを作ってみました。

 炭の上に載せた19cmのダッチオーブンに、ニンニクのみじん切り、角切りにしたタマネギやニンジン、ズッキーニなど好きな野菜を入れて炒めます。
 そこに缶詰の水煮トマトを入れ、足りなければ水を加えます。
 さらに、水煮の豆も。ひよこ豆や白インゲン豆など、乾燥した豆をいちいち戻すのは手間ですが、水煮のものを使えば簡単です。
 塩を加え、好みでハーブや胡椒を入れても良いでしょう。

 もちろん「おうちBBQ」ですから、キッチンで作ってもかまいません。

熱々をいただきましょう!

 蓋を開けると、あたりに鶏が焼ける匂いとハーブの香りが漂います。ダッチオーブンの中で切り分けてもかまいませんし、大皿に出してから切り分けても良いでしょう。
 鶏はしっとりジューシー、ジャガイモはほくほくの焼き上がりです。ニンニクも、蒸し焼きにすることでしっとり甘く、臭いもさほど気になりません。

 レモンや塩を添え、ミネストローネと一緒に、熱々をいただきましょう。
 ビール、ワイン、レモンサワーやハイボールまで、どんなお酒にも合う極上ローストチキンのできあがりです。


文・レシピ開発◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
撮影◎大西尚明

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)