在宅避難に備え、2週間分の
備蓄とトイレの確保を!
日本セイフティーが開発した「ラップポン SH-1(個人宅用)」。使い方が箱に書いてあるので、いざという時も慌てずにすむ。
災害による直接的な被害から身を守れた後の災害関連死を防ぐために、石川さんは個人でやってほしいことが2つあるといいます。1つが「在宅避難できる準備を整えておくこと」です。
もし東京で首都直下型地震が起きた場合、多数の避難民が生まれるといわれています。なぜなら、東京都の人口約1,400万人に対し、避難所の収容人数は約320万人だからです(出典:東京都防災ホームページ)。つまり、1,000万人以上の人は避難所に行くことすらできません。ウィズコロナ時代においては、感染症対策のため避難所でのスペースを広く取る必要があり、収容人数はさらに少なくなる可能性があります。
そこで必要になってくるのが、在宅避難への備えです。災害時への備えとして、家庭の備蓄品は通常3日分が必要だといわれています。しかし石川さんによると、最低でも2週間分は必要だそうです。
「東京で大地震が起きた場合、2週間は助けが来ないといわれています。ライフラインの普及にも時間がかかるかもしれません。それらを見越して、水や食料などの備蓄品は2週間分ほど用意しておきましょう」
備蓄品のほか、忘れてはならないのが「トイレ」です。災害時に停電や断水になった場合、自宅のトイレは使えなくなってしまいます。石川さんはこの問題を解決するため、自身がプロデューサーとして商品開発に携わった簡易トイレ「ラップポン」を備えておくことをおすすめしています。
「ラップポン」の優れている点は、水を使わず、手で袋を結ぶ必要もなく、臭いも菌も漏らさずに、排泄物を処理できる点にあります。また、排泄物を入れた汚物袋は燃えるゴミとして処分することができます。
(使い方:https://wrappon.com/products/sh1)
(WEB限定販売、購入ページ:https://c.affitch.com?ref=2JK559HGHJJ6)
「多くの人は水や食料、懐中電灯までは備えておくと思いますが、トイレは盲点となりがちです。災害関連死を防ぐうえで、安心してトイレが使える環境整備は必須です。いざというときに慌てないためにも、簡易トイレを一家に一台備えておくことをおすすめします」
近隣と遠方の疎開先を確保する
在宅避難できる準備を整えるほか、「いざというときに避難できる場所を確保しておいてほしい」と石川さんは訴えます。
「おすすめの避難準備に『近い疎開』と『遠い疎開』の2種類があります。近い疎開とは、自宅近くで避難できる場所のことです。たとえば水害が起きたとき、ハザード内に住んでいる人は、近所の家族や友だちに数日泊めてもらえると、ストレスの多い避難所生活を避けることができます。
遠い疎開とは、自宅から離れた場所で長期に渡って避難できる場所のことです。たとえば東京で首都直下型地震が起きた場合、復興には時間がかかります。そのため、半年から1年ほど過ごせるような疎開先を、西と東で1カ所ずつ見つけておくと安心です。年に1回お歳暮やお中元を送るなど、何かあったときに受け入れてもらえるような親交を日頃から結んでおきましょう」
自宅で2週間生き延びるための
仕組みを考えよう
近い将来、南海トラフ地震と首都直下型地震は必ず起こるといわれています。地震だけでなく、異常気象が頻発している現代において、災害はもはや免れません。
「多くの人は、『自分だけは大丈夫』という正常性バイアスが働き、なかなか防災への意識が高まりません。防災の日は、避難場所や在宅避難の仕組みを考えるのにいい機会です。ぜひ一度だけでいいので、『自宅で2週間生き延びるためにどうすればいいのか』本気で考え、準備してください。
その際はトイレのことも忘れないでください。簡易トイレがあれば、キャンプにも使えます。年に1回、自宅で避難訓練の一環として使ってみるのもおすすめです。ぜひ防災の日は家族みんなで防災会議を行ってみてはいかがでしょうか」
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