まずは洗えるものと洗えないものを分類
「最近は洗濯機も進化してさまざまな機能があり、デリケートなおしゃれ着でも洗えるようになりました。けれど、適切な洗い方をしないと傷んでしまったり、変色したり、型崩れを起こしたりしてせっかくのお洋服が台無しになってしまいます」と大貫さん。
「でも心配しなくて大丈夫。まずはお手持ちの洋服について、どんな洗い方をすればよいのか、洋服に付いているタグに記載された洗濯表示で確認しましょう」
主な洗濯表示
衣類に付いている洗濯表示は、2016年12月に改正され、それまで22種類だったものが41種類に増えました。
「ちょっと大変そうに見えますが、洗濯機の進化に合わせて、また世界基準に合わせて改正されました。けっして難しいものではなく、むしろ、言葉が通じなくても世界中どこでも同じ基準で洗濯ができるようになりました」
まずは、家庭で洗えるものと洗えないものを分けましょう。
このマークが付いた衣類は家庭で洗濯できない。
「洗濯表示の中で、洗濯桶に×印が付いたマークがあります。これは家庭での洗濯ができないことを意味するものです。また丸の中にPが記載されたもの、Wが記載されたものは、クリーニング店での洗濯法です。洗濯桶マークに×印が付いているもののうち、クリーニング店のための丸いマークの上に×印が付いていなければクリーニングに出しましょう」
ほかにも、革製品、しわ加工のある布地や水洗いすることで型崩れや色褪せを起こすようなアイテムなどは、家庭で洗濯ができません。
洗濯の仕方は大きく分けて4通り
洗濯の強さ
上図の洗濯表示は、すべて家庭で洗濯できることを示します。
「洋服をお洗濯するときにまず確認してほしいのが、水洗いできる衣類の表示です。以前は洗濯機で洗えるものは洗濯機型のマークでしたが、現在は洗濯桶の形のマークになっています。マークには数字が書いてあります。これは洗濯の液温です。「30」ならば30℃以下、「40」ならば40℃以下の液温で洗いましょう。洗剤は冷たい水よりある程度温かいほうが洗浄力が向上する傾向がありますが、温度が高すぎると布地を傷めたり、色落ちを起こす原因にもなります」
また、桶の下に横線が引かれているものがあります。
「これは、洗濯機で洗うときの水流の強さを表しています。線がないものと一本線のものは通常のコースで、2本線なら弱い水流のコースを選択しましょう。コースの表示は洗濯機のメーカーによって異なりますが、『おしゃれ着洗いコース』『手洗いコース』『ドライコース』『おうちクリーニングコース』などです。ドラム型でも変わりません。また、古い洗濯機や一部の海外製品にはそうしたコースを選べないものがあります。その場合は、『手洗い』を選択するとよいでしょう」
桶の中に手を入れている表示は、手洗いすべき衣類です。洗濯機は使わずに、優しく手洗いしましょう。
洗濯表示には干し方の指定もある
干しかたに関する洗濯表示
新しい洗濯表示には、洗い方以外に干し方も明記されています。上図のように、日なたと日陰、つり干と平干し、濡れ干しの組み合わせで表示されます。
つり干しはハンガーに掛けて干す一般的な干し方で、平干しは平らに広げる干し方です。濡れ干しは、手で絞ったり洗濯機で脱水したりせずに、すすぎが終わった状態で濡れたまま干す方法です。その衣類の形や素材に合った干し方をしましょう。
洗剤は「おしゃれ着洗い用」で
洗濯タグの表示にはありませんが、洗剤をきちんと選ぶことも大切です。
「ニットやコート、スーツなどは、一般的な洗剤ではなく、おしゃれ着洗い用の洗剤を使うことをお勧めします。一般的な洗剤で洗濯機の『一般コース』で洗った場合、縮んだり型崩れしたりする危険性があります。おしゃれ着洗い用の洗剤は型崩れや色褪せを防止する成分が入っています」
洗剤の香りが気になる方もいると思います。最近はさまざまな香りの洗剤が出ています。
「においに関しては、香りが強いほうが好きな方と、なるべく無香料や微香のものを使いたい方と、人によって違いがあります。ライオンの場合、おしゃれ着洗い用の洗剤には、香りがフローラルで華やかなものと、ナチュラルソープの微香なものの2種類をラインナップしています」
他のメーカーの洗剤でも、同じように香りの強いものと無香料や微香タイプをそろえています。お好みの香りを洗剤選びのポイントのひとつにするのもよいかもしれません。
次回からは、実際にニットやコートなどのおうちでの洗い方について詳しく伺います。
会員登録 が必要です