汚れ別に洗剤は使い分ける
お部屋の汚れにもさまざまなものがありますが、汚れ別に効果的な洗剤の種類を教えてください。
「洗剤の成分は大きく分けると“アルカリ性”と“酸性”の2種類に分かれます。あと洗剤ではないですが、アルカリ性の性質を持つ物質として、重曹が挙げられます。酸性だとクエン酸ですね。スーパーなどでは、住宅用、トイレ用などと用途別に販売されていますが、中身は大きく分けるとこの2種類で、成分的にはあまり差がない場合も多いです。よく見かける中性洗剤というものは、肌に優しい一方で洗浄力はやや落ちる傾向があります。
アルカリ性の洗剤は油汚れを落とすのに使われます。キッチンなどの油汚れもありますし、人間の体から出る皮脂も含まれます。そのため浴室、洗面台、トイレなどの油や皮脂汚れは、アルカリ性の洗剤が適しています。
一方でクエン酸など酸性の洗剤は、水あかや石鹸かすを落とすために使われます。水の中には鉱物や金属類が含まれていますが、水がついたまま放置していると水あかとして付着します。一番よいのはこうした水あかになる前に、水分をきっちり拭き取ることです。
洗剤には界面活性剤が含まれていますが、界面活性剤の量が多いほど油汚れが落ちやすくなります。反面、界面活性剤が多いほうが肌には刺激が強いので、肌が敏感な人は必ずゴム手袋をつけて使用するようにしましょう」
洗剤をつけ置きすることで落ちる汚れも多い
洗剤を効果的に使うにはどんな方法がありますか?
「みなさん洗剤をつけたあとにすぐにゴシゴシこすりたがりますが、洗剤の効果を発揮するにはしばらくつけておいたほうがよい場合もあります。3分~5分くらい洗剤をつけてから置いておくと、洗剤が汚れにしっかりと浸透します。例えばキッチンの頑固な油汚れも、アルカリ性洗剤をつけて1時間ほど放置すると、力を入れずに簡単に汚れを落とすことができます。
最近の洗剤は泡状になっていて壁面でもお掃除しやすいようにはなっていますが、どうしても垂れてきてしまいますので、落ちにくい壁面の油汚れには、キッチンペーパーをつけてそこに洗剤を浸透させて、しばらくおいてから拭きとるのもよいと思います」
100円ショップの「スクイージー」が
優秀なお掃除グッズに
100円ショップなどで売られているスクイージー。
松本さんは手軽に使える100円ショップのグッズなどを上手に掃除に使っていらっしゃいますが、どんなものをどんな風に使うのがおすすめですか?
「私が一番におすすめする家掃除のアイテムが、窓掃除やお風呂の仕切りなどに使う、スクイージーを使ったアイデア掃除グッズです。このスクイージーのゴムの部分にハサミを使って5ミリほどの間隔で切り込みを入れていくのです。狭い場所のホコリも取りやすく、引きながらホコリを飛散させずに集められるためとても使いやすいです」
「実はこの自作スクイージーを初めて作ったとき、あまりにも使いやすくてホコリがしっかり取れることに驚き、さらに使いやすく改良したお掃除グッズまで開発しました(笑)。ワイパーのように持ち手を長くし、ゴムも2重にしたことでホコリがごっそり取れます」
松本さんが開発したお掃除グッズ。
(画像提供:松本忠男)
化繊たわしやマイクロファイバークロスも便利
「その他、壁や棚の掃除に便利な化繊ハタキや、ちょっと汚れが気になるときに拭けるキッチンペーパー、マイクロファイバークロス、コロコロ転がしてホコリを取る粘着ローラーなども100円ショップで手に入ります。
化繊ハタキは使う前に両手でこすると静電気が起こってよりホコリを取りやすくなります。使い終わったら水洗いして乾かすようにしましょう」
こうした便利なお掃除グッズは、いつでもサッと取り出せる場所に置いておくのが、まめに掃除をするためのコツだそうです。汚れが気になったらすぐに掃除することですっきりした空間を維持しましょう。
掃除が行き届いたすっきりした部屋で過ごすことは、気持ちが前向きになったり、リラックスできたり、健康のためだけでなくメンタルにもとてもよい効果をもたらすそうです。快適な部屋で心地よく元気に過ごすために、正しいお掃除を心がけたいですね。
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