自由気ままに楽しめるのが一番の魅力!
「ひとり、ぼーっとコーヒーを飲んでいる瞬間がたまりません」
佐久間さんのこの言葉に、ソロキャンプの魅力が詰まっています。
グループでワイワイ楽しむキャンプもいいものですが、ソロキャンプの最大の魅力は、他人を気にせず、自然の中で心ゆくまでくつろげること。
「すべて自分の都合で動ける、というところが良いですね。通常のキャンプと違い、同行者のことを考える必要がないので、のんびりとひとりの時間を堪能できるのです」
と、佐久間さんも語ります。
コロナ禍で「ソロキャンパー」が増えた背景には、「密集せずにレジャーを楽しみたい」という欲求があったためといわれていますが、行動自粛を求める社会から逃れ、解放感に浸りたいという思いもあったのではないでしょうか。
キャンプ用品はレンタルでOK!
そんな話題のソロキャンプ、「今週末から楽しみたい!」という人はどんな準備をすればいいのでしょうか。
キャンプを始めるには「キャンプギア」(キャンプ用品)が必要になりますが、どうしても初期費用がかかってしまいます。ギアを揃えてから、「もっと違うもののほうが良かった」「このギアはいらなかった」というのはなるべく避けたいものです。
「キャンプが初めての方は、道具を揃える前にお試しでレンタル品を使ってみることをおすすめします。また、必須アイテムをセットでレンタルしているところもあります。そうしたサービスを利用してから、どのようなギアが欲しいか考えると良いでしょう」
不必要なものを買わないことや、自身の好みを把握してからギアを買うことで、無駄な出費をおさえることにもつながるというわけですね。
また、いきなりキャンプ場で宿泊するより、おすすめの方法があるのだとか。
「まずはレンタル品を使って日帰りキャンプをしてみてはいかがでしょうか。キャンプやバーベキューが許可されている河原などで、ギアを実際に使ってみるのです。ソロキャンプ初心者にとって、一泊というのは実は精神的にも肉体的にもハードルが高いものです。日帰りなら負担も比較的少なく、ギアの使い方や設営手順などを確認する、良い機会になると思います」
実際にキャンプに行く前に、レンタル品を使って手軽な場所で「お試しソロキャンプ」がデビューに最適というわけですね。ここで慣れておくと、キャンプ場でのキャンプをより楽しむことができるようです。
デビューにぴったりなのは5月と10月
キャンプは夏のものというイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
「確かに夏がキャンプシーズンと言われてきました。ただ、最近の夏は暑すぎます。炎天下でのキャンプは熱中症の危険がありますから、細心の注意が必要です」
では、ソロキャンプデビューに最適の時期はいつなのでしょうか?
「5月ですね。晴れることが多く、気温も暑すぎないので快適なシーズンです。夏や冬と違って、気温に合わせて用意するべき用品が少なくてよいのもうれしいところ。また、同じ理由で10月もおすすめです。ただし、どちらの時期も朝晩は冷え込むことがありますので、服装には注意が必要。暖かいジャケットの準備を忘れないようにしましょう」
ちなみに冬のキャンプはどうなのでしょうか。
「冬は『空気が澄んでいて星がよく見える』『夏よりキャンプ場に人が少なく、のんびりできる』といった、冬ならではの楽しみ方があります。しかし、寒くて過酷な面があるので、初心者にはおすすめできません。せっかくのキャンプデビューがつらいものになってしまうおそれもありますからね」
夏も冬も、初心者には厳しい環境のようですね。始めるのなら、5月あるいは10月のように気候が安定している時期がベストでしょう。
気をつけたいキャンプ場でのマナー
ソロキャンプデビューにあたっては、マナーにも注意したいものです。
「キャンプをする全体の人数が増えたことで、ルールやマナーを知らない人も増えています。後始末をしない人によってキャンプ場にゴミがあふれたり、他のキャンパーに迷惑をかけたりする人が出てきているのです」
ブームの裏側ではルール・マナー違反があり、キャンパー同士のトラブルに発展することもあるようです。
「『他人に迷惑をかけない』『自然をなるべく汚さないようにする』ことはキャンプの大前提です」
これはソロキャンプだけでなく、アウトドア全般にいえることなので、初心者の人は特に気を付けておきたいものです。
「それに、ソロキャンプは自分ひとりで取り組むものですから、どのようなことが起こっても自分だけで対処しなければなりません。これを好意的に解釈すれば、ソロキャンプは便利な世の中から離れて『不便さを楽しむ遊び』ということができるかもしれませんね」
次回は、ギア(キャンプ用品)を買い揃える際の種類や選び方について、引き続き佐久間さんにお話を伺います。
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