密にならないアウトドアのススメ[第4回]

もっと楽しもう!「ソロキャンプ」応用編

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ソロキャンプで使える豆知識

「キャンプでは不測の事態が起きることもあり、その対処法を考えておくこと、学んでおくことは大切です」と佐久間さんは言います。

「特にギアが壊れてしまったり、必要なものを忘れたりといった困りごとは、必ず起きると考えておいたほうが良いです。『ギアがないときにどうするか』を知っておくことが大切です」

 例えばどのような対処法があるでしょうか。

「マットを忘れてしまった場合は段ボールで代用ができます。段ボールは実は暖かくて、地面からの冷えをある程度防いでくれるんです。また、焚き火で使う着火剤を忘れてしまった場合には、杉の枯葉やまつぼっくりを使いましょう」

 意外なもので代用が可能なのですね。

「代用品を覚えておくことのほかに、キャンプ場選びを少し工夫することで対処できます。例えばキャンプ場を選ぶ際に道具をレンタルできるところを選んでおくと、忘れたものを借りることもできますし、管理人が24時間常駐しているところであれば、何か困った時に相談ができますね」

 キャンプ場は自宅からの距離を基準に考えていきましょう。

「片道2時間以内のところを選んだほうが良いですね。初めてソロキャンプをする場合はかなり疲れるので、なるべく移動時間を少なくしたほうが、トラブルもなくキャンプを楽しめます」

 また、ソロキャンプの食事面で起こりがちなのが、キャンプ場に向かう道中に食材を買って、余ってしまうことです。

「食べきれなくて捨てるのは、もったいないですよね。できれば事前に食材を用意しておいて、下処理まで済ませてから行くと、キャンプ場での作業も減りますし、食材の分量を計算しやすいので無駄になりません」

 少し面倒に感じても、食事の準備をある程度してからキャンプに臨めば、現地でスムーズに調理できるわけですね。こういった対策を頭の片隅に置いておくだけで、落ち着いてソロキャンプを楽しめそうです。

忘れてはいけない心構え

 ソロキャンプでは日常とかけ離れた生活をするわけですが、どのようなことを心がけておくべきでしょうか。

「川に入って溺れてしまったり、夜に山の奥深くに行って迷ってしまったり、日常生活と異なり、軽率な行動で危険な状態になってしまうこともあります。アウトドアは『命に関わる遊び』です。特にソロキャンプは単独行動になりますから、安全を確保して楽しむことが何よりも大切になります」

 そのためにはどのような考えが必要ですか?

「特に水のレジャーはちょっとしたことが命取りになるので注意ですね」と佐久間さん

「自然はコントロールできないということをしっかり認識しておきましょう。都会に住んでいると意識しづらいですが、自然の中では人間には対処できないことが起こります。天気が急変することなんてザラですし、ハチやダニなどに遭遇することもあり得ます。羽目を外して遊ぶことは確かに楽しいですが、外で生活しているということを忘れずに、自制心をもって行動しましょう」

 また、佐久間さんは「今キャンプ業界では2つの大きな問題があるのです」と教えてくれました。

「まず、地面に直接焚き火をする『直火』の問題です。炭は土に還らないので、キャンプ場を汚してしまいます。また、山火事の原因にもなりかねません」

 焚き火は焚き火台で行い、後始末をしっかりと行うことが健全なキャンプ場の維持につながるとのことです。

「もうひとつは、周りの人に迷惑をかける人が増えていること。キャンプ中に大音量で音楽を流してしまったり、深夜まで大声で騒いでしまったりする人もいるようです。自然の中で過ごす解放感から、周りのことが見えなくなるのでしょう」

 普段とは違う生活をするわけですから、慣れていても慣れていなくても、気を引き締めて行動することが大切です。ソロキャンプでは上記のことを忘れず臨みたいですね。
 

自宅でアウトドアにチャレンジ!

ホットサンドメーカーやダッチオーブンは自宅でも活躍してくれる

 コロナ禍で外出が制限されているなかでも、キャンプギアを使えば自宅でもちょっとしたアウトドアの気分を味わえるのだそうです。

「例えば、コーヒー用具を使ってコーヒーを一杯入れるだけでも、日常とは違う時間を過ごすことができますよ。ホットサンドメーカーなどの調理器具を使って料理してみるのもいいでしょう」

自宅で寝袋を使うだけでもちょっとしたキャンプ気分……!?

 自宅での食事中にキャンプの雰囲気を盛り込めるのは楽しそうですね。

「他にも庭などでギアを使ってキャンプ気分を味わう『おうちキャンプ』や、ベランダやバルコニーでアウトドアのようなひと時を過ごす『ベランピング』というものもあります。ハンモックなどを実際に出して昼寝をするもよし、テーブル・チェアや調理用ギアを使ってゆっくりしながら食事を楽しむもよし。いろいろな楽しみ方ができますね」

 ただ、おうちキャンプやベランピングも周囲のことを考えて行う必要があります。

「特に煙が大量に出るバーベキューセットのようなものは使ってはいけません。近隣への迷惑が甚大ですし、火災につながることもあるので注意です。ガソリンなどの燃料は一歩間違えると、火事につながりますから、十分気を付けてください」

 実際のキャンプと同様に、火の扱いに注意しなければ大惨事になります。

「また集合住宅や借家の場合は、ベランダで火を使うこと自体を禁止していることがあるので、管理会社などに確認をしてからベランピングを楽しみましょう」

 安全や周りへの迷惑もしっかり考えて楽しむことが大切です。

 ソロキャンプでは誰に気兼ねすることなく、ゆったりと自然に親しみ、贅沢な時間を過ごすことができます。気軽に楽しめる趣味として、ソロキャンプを始めてみてはいかがでしょうか。また、外出には慎重にならざるを得ない場合は、天気の良い日におうちキャンプをして、素敵な休日をお過ごしください。その際は、LIXILのウッドデッキをぜひ傍らに。快適な時間の相棒におすすめです。

LIXILのウッドデッキについてはこちら

(おうちキャンプにウッドデッキがあるともっとたのしい3つの理由)

≪お話を伺った方≫

佐久間亮介さん

キャンプコーディネーター。キャンプを主軸に雑誌・ウェブメディアでの執筆やアウトドアブランドのモデル、企業やキャンプ場のイベントやコンテンツ企画などで活躍中。「キャンプやアウトドア、自然の中で過ごすことが人生を豊かにする」 がモットー。キャンプファン向けのブログ「Hyper Camp Creators」発起人で、同サイトは月間最高80万PVを獲得している。著書に『キャンプ職業案内』。

文◎熨斗秀信
撮影◎石橋素幸

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)