ギアを購入するときのポイント
佐久間さんは、キャンプギアを選ぶ際に重視するべきは「快適さ」と「安全性」だと言います。
「自分の移動手段に合わせた重さや素材のギアを選ぶことと、頑丈なものを選ぶことが重要です。これらを考慮したうえで、予算と好みに合わせたものを買うようにしましょう」
また、キャンプギアは日常でも使えるものがあるとのこと。
「普段使いできるものや、災害時に使えるものを選ぶと、キャンプ以外の場面でも活躍してくれます」
例えば折り畳み式のテーブルやチェア、カセットコンロなどは、日常的に使うことも、災害時に持ち運ぶこともできます。
気になるのは初期費用ですが、どのくらいの金額を見込んでおけばよいのでしょうか。
「ギアに凝り始めると大変です(笑)」と佐久間さん
「必須ギアをすべて揃えると最低でも5万円程度になります。また、1泊2日のキャンプでは、キャンプ場の利用費、交通費、食費など合計して1万円から2万円くらいかかりますから、これらを考えてギアに使う予算を調整すると良いです。ソロキャンプであれば、エリアによってはキャンプ場の利用料金が500円から1000円くらいで済む場所もあるので、安いところを探せば全体の費用を抑えられますね」
ギアを揃えているときには宿泊費用を忘れがちですが、こちらも加味してギアに使うお金を決めたほうが良さそうです。
寝室用の必須ギア
キャンプギアは、大きく「寝室」「リビング・ダイニング」という2種類の用途に分かれます。まずは寝室用のギアを見ていきましょう。
テント
キャンプといえばテント、というイメージがありますが、選び方のポイントはどのような点なのでしょうか。
「テントは必須ギアの中では大きいものなので、重さとサイズを考慮する必要がありますね。重さは1~3キロのテントを選ぶと良いでしょう。ただし軽量化されているものは価格が高くなる傾向にあるので、注意が必要です。サイズは自身の移動手段(車かそれ以外か)、他の荷物の量、扱いやすさなどの面を考えると失敗しにくいですね」
デザインも気になるところですが、まずは機能性を重視すべきとのことです。
寝袋
寝袋の下にあるのは、「コット」と呼ばれる折り畳み式ベッド
「寝袋は気温に合わせる必要があります。寒すぎたり暑すぎたりすると、キャンプは地獄です(笑)。おすすめは春夏秋に使える3シーズン用の寝袋。だいたい10℃前後から30℃弱の気温に対応することができます」
3シーズン使えるものをぜひ入手しておきたいですね。
マット
マットは寝袋の下に敷いて使うギアとのことですが、絶対必要なのでしょうか。
「キャンプの失敗談として、『地面からの冷えがすごくて寝られなかった』という話をよく聞きます。地面は気温よりも冷たく感じることが多いのです。なので、マットはキャンプに欠かせないギアといえるでしょう」
選ぶ時の注意点は何なのでしょうか。
「布団にあたるものなので、寝心地に大きく関わってきます。硬さを自分の好みに合わせることが大切ですね。アウトドアショップに行って、実際に触って判断することをおすすめします」
ランタン
小型のものがおすすめ
ランタンは照明器具ですが、テント内で使う場合は注意点があるとか。
「電池式のランタンを選びましょう。数千円でもしっかりと使えるものが多いです。テント内は火気厳禁です。ガスなどの燃料を使うランタンの使用はNG。火災の原因になります」
テント外であれば、ガスランタンでも問題ありませんが、初心者にとって使いやすいのはボタンを押せば点灯する電池式とのことです。
次回は「リビング・ダイニング」で使うギアの選び方を、佐久間さんに解説していただきます。
会員登録 が必要です