リビングやキッチンとは違う汚れ方の「脱衣所」
リビングやキッチンなどのフローリングも、畳敷きの和室も、床掃除の基本は掃除機を丁寧にかけてから、拭き掃除でした。よほどの頑固な汚れでなければ、これでキレイになるそうです。しかし、実は家の中で一番床が汚れているのは、脱衣所なのだそうです。
「お風呂の脱衣所は、さまざまな汚れが集約する場所です。まず、人が衣服を脱ぎます。すると、髪の毛や身体についた汚れや垢、皮膚の組織などが落ちます。さらに、衣服から出る綿ボコリもたくさん出る上に、風呂上がりで濡れた身体で立つわけですから、床は濡れたり、湿気を帯びた空気に触れるわけです。
さらに言うと、洗面台があればトゥースペーストの成分が落ちる。洗濯機があれば洗剤や柔軟剤もこぼれ落ちます。そんな汚れに湿度の高い空気が触れることで混ざり合い、固まってしまいます。洗濯機の裏などにはさまざまな汚れが溜まっていることも多いのです」
落ちて固まった洗剤などを溶かす
(写真:坂井淳一)
そんな状況の床をキレイにするにはどうしたらいいでしょう。
「掃除機をかけてから拭き掃除、という基本はフローリングの床と変わりません。ただし、脱衣所の床は、樹脂製のクッションフロアがほとんどだと思います。この素材は耐水性が高いので、きちんと絞った濡れた雑巾や柄付きワイパーにウエットシートを装着したもので拭きあげるのがいいでしょう。
ただし、洗濯用の洗剤や柔軟剤が飛び散って固まっていることもありますから、そういうところはスプレーで水を吹きつけて、濡れ雑巾やペーパータオルをしばらく置いて、固まったものに水分を与えて柔らかくするといいでしょう。濡れた雑巾やウエットシートでキレイにした後には、乾いた雑巾や柄付きワイパーにペーパータオルなどを装着して水分をしっかり拭き取りましょう」
洗剤などが落ちていることもあり、拭き掃除をするときには、ゴムやビニール製の手袋をして、手荒れを防止した方がいいかもしれませんね。
拭きあげた後は、浴室の扉や窓を開け、できれば脱衣所の入口の扉も開けて、浴室の換気扇を回し、しっかり乾燥させるとよいそうです。
カーペットは小さいものなら洗いましょう
最近は部屋一面がカーペット敷きの部屋はあまりありませんが、リビングテーブルの下やダイニングテーブルの下にカーペットを敷いているご家庭は少なくないと思います。こうしたものはどうやって掃除をしたらいいでしょう。
「カーペットは、実は一番の難物なんです。掃除機に関しては、カーペット用のヘッドをつけてからかければある程度はゴミが取れます。ただし、毛足の長いカーペットはそれだけではなかなかゴミを取り去るのが難しいでしょう。
髪の毛や、特にペットが室内で放し飼いになっているお宅は犬や猫の毛が毛足の長いカーペットに絡みつきます。これは掃除機で吸い取ろうとしても取れません。ブラシなどを使ってもなかなか難しいのです」
きよきよさんは、こういう場合に役立つのは「ゴム手袋」だと言います。
「ビニール製の使い捨てではなく、しっかりしたゴム手袋がいいです。それをはめてカーペットの毛足をなでるようにすると、摩擦係数の高いゴム手袋が髪の毛やペットの毛をうまく集めてくれます」
拭き掃除よりも丸洗いを
(写真:坂井淳一)
しかし、カーペットは拭き掃除には向いていないのだそうです。
「カーペットは、毛先の部分は拭き掃除で拭くことができますが、根元の部分まで拭き掃除で汚れを取ることが難しいのです。なので、洗濯をして、一番確実に汚れを落としましょう。
玄関マットやキッチンのマットなどは洗濯機で洗うことができます。また素材により、2〜3畳程度の大きさのものなら洗濯機で洗うことも可能です」
洗い方は、通常の洗濯と同じでよいでしょうか。
「お勧めなのは、お風呂から出た後に、浴槽の残り湯に過酸化ナトリウムが主成分の洗濯用の酸素系漂白剤や、オキシクリーンという万能洗剤に代表されるものを溶かし、そこに1〜2時間つけ置きすることです。
一般的な量の過酸化ナトリウムを溶かしたお湯は弱アルカリ性になりますが、同じ弱アルカリ性でも、アルカリ電解水やセスキよりアルカリ性が強くなります。40度ほどのお湯に溶かして使うのが一番効果が高いので、お風呂の残り湯を使うわけです」
これだけでも十分汚れは落ちますが、さらに洗濯機で一般的な洗濯洗剤を使って洗ってから物干しなどで干すのがいいそうです。
「もし干す場所がなかったり、洗濯機に入らないサイズのカーペットなら、コインランドリーに行くのもいいでしょう。最近のコインランドリーでは布団が丸洗いできるサイズの大型洗濯機があります。1畳サイズなら10kgの洗濯機で、15kg容量の大型洗濯機なら2〜3畳のサイズのカーペットでも洗うことができます」
もうひとつ注意したいのは、カーペットの素材や洗濯タグを確認することです。
「安いカーペットによくあるのですが、洗濯機で洗うと裏側がボロボロと落ちてくることがあります。また、裏にゴムが引いてあるカーペットは、乾燥機をかけるのには向きません」
また、カーペットを洗濯する時に大切なのは、ちゃんと乾燥させることだそうです。
「カーペットが生乾きだと、モラクセラ菌という雑菌が繁殖して、部屋干しの洗濯物でよくある雑菌の臭いがします。また、水分が残っているとカビなども繁殖しやすくなるので、しっかり乾かすことが大切です」
コツさえつかんでしまえば、かなり汚れた床でも、体力を消耗せずにキレイに磨き上げることができます。まだ気温も高い秋のうちに徹底的な床掃除をしっかりしておけば、年末の大掃除が大変にならずに済みます。
大晦日まで延々と掃除をして、疲れ果てた末「寝込み正月」にしないためにも、ぜひ今のうちにキレイな床にしましょう!
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