ロボット掃除機に任せきりで大丈夫?
日常の掃除、みなさんはどうやっていますか?
多くの家では、フローリングでもカーペットでも畳敷きの和室でも、掃除機をかけて終わりではないでしょうか。掃除機をかければ、細かいゴミもホコリもなくなって、素足で歩くこともできますよね。
「ただ、掃除機をさっとかけるだけでは、床の汚れがキレイになっているわけではないのです」と言うのは、YouTubeなどでお掃除のコツを紹介しているお掃除のプロ、きよきよさんです。
「普段の掃除の具合にもよりますが、床にはさまざまな汚れが付着します。例えば、キッチンは換気扇を回していても調理中に出る油煙などで汚れますし、知らず知らずのうちに食べ物の跳ねなどが床に落ちることもあります。ダイニングテーブルの周辺も同様です。
今は換気にも気をつけなくてはいけないので、こまめに窓を開けて換気をすることもあるでしょう。すると外から新鮮な空気とともに、砂埃などが飛んでくることもあります。
そうした汚れやほこりが絡み合っていつの間にか床にしっかり付いてしまうと、掃除機をさっとかけただけではなかなか落ちないのです」
最近人気のお掃除ロボットにすべてお任せ、という方も少なくないと思います。手が届きにくいソファの下などもキレイにしてくれるので、便利だという声もよく聞きます。最近では水拭きができるタイプも登場しています。2種類のロボット掃除機を使いこなしている家庭も多いようです。
「ロボット掃除機はいくつかレビューもさせていただいたのですが、日本の家庭は部屋が細かく分かれていることや、ものが多いことを考えると、万能とは言いにくい側面もありますね。段差に弱く、部屋にものがたくさん置かれている部屋だと、どうしてもゴミの取りこぼしが起きてしまいます。ある程度はゴミやホコリも取ってくれますし、水拭きができるものであればそれなりにキレイにしてくれます。しかし壁際などはやはり完全には掃除してくれませんし、油が混ざったしつこい汚れまで拭き取ってくれるわけではありません。
部屋全体をうまく掃除するのは難しいですね。ロボット掃除機が現在の半分くらいの大きさであれば小回りがきいていいとも思うのですが」
普段の掃除の基本は掃除機 → 拭き掃除
きよきよさんは、普段の床掃除の基本は丁寧な掃除機がけと拭き掃除だと言います。
「理想は毎日、丁寧に手動で掃除機をかけることです。部屋の中のホコリや外から入ってきた砂埃を掃除機で取り除いておけば、頑固な汚れが発生することが避けられます。手動なら、部屋の隅に溜まった汚れなども取りこぼしなく吸い取れます」
きちんと掃除している家ならば、床に汚れがこびりつかず、掃除も楽というわけです。毎日は無理でも、数日に1度は手動で掃除機をかけ、週に1度くらいは拭き掃除をすることをお勧めします。
「拭き掃除は、掃除機では吸い取りきれない微細なホコリなどを取り除きます。雑巾がけもいいのですが、かがんで床を掃除するのは大変です。若い方ならなんとかなるかもしれませんが、お年を召された方だと負担が大きいでしょう。そこで、使い捨てのシートを装着した柄付きワイパーでの拭き掃除がいいと思います」
ワイパー用のシートはどれがいい?
ドラッグストアやホームセンターでは、さまざまな使い捨てシートが売られています。どれも同じように見えますが、どれを選んだらいいでしょう?
「実は、ワイパー用の使い捨てシートは、いろいろな加工がされていたり、薬剤が使われているものがあります。普段の掃除には『ドライシート』という表示があるものを選ぶのがいいでしょう。なかでも、立体加工がされているものは、でこぼこがある床面でもゴミや髪の毛などをうまく取ってくれます」
ドライシートには、汚れを吸着しやすくするために「流動性パラフィン」という精製度の高い鉱物性のミネラルオイルが使われています。ベビーオイルなどにも使われています。
「安全性は高いですが、小さなお子さんがいるご家庭やペットを飼われている方は、こうしたものが気になるかもしれません。その場合は、無添加のドライシートを選ぶのもひとつの手です。厚手のマイクロファイバーなので、効果は遜色ありません」
ワイパー用シートには、他にもウエットタイプや、アルカリ電解水をしみ込ませたもの、ワックスがけができるものなど、さまざまなタイプがあります。それぞれ特徴があるので、うまく使い分けるようにしましょう。
なお、無垢のフローリング材の場合、ワックスシートやウエットシートに使われている薬剤がフローリング材を変色させるなど、影響が出る場合がありますので注意が必要です。
使い方は、次回からのタイプ別の床掃除のポイントで触れていきます。
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