力仕事にならない楽ちん床掃除[第2回]

フローリングの床の“正しい”掃除方法

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掃除機のヘッドに注意

 第1回でお伝えしたように、床掃除の基本は掃除機がけと拭き掃除です。まずは、フローリングの部屋の掃除機がけのポイントから伺っていきましょう。

「フローリングの床は、比較的傷に強いのであまり気にせずかけていけばいいのですが、掃除機のヘッドをフローリングモードに切り替えられるならそれを選びましょう。また、一部の掃除機では畳・フローリング用と、カーペット・じゅうたん用の2種類のヘッドがありますが、その場合、『畳・フローリング用』を選んでください。カーペット・じゅうたん用のヘッドは構造上、フロア材に傷を付けてしまう可能性があります」

掃除機がけは板の目に沿って

 掃除機のかけ方にもいくつかポイントがあります。

「まずは、動かせるものは片付けて、なるべく広い空間を作ります。学校の掃除で椅子や机を教室の隅に移動してから行うのと同じで、広い空間を作った方が効率的に掃除ができます。
 その上で掃除機をかけるのですが、ありがちなのは、部屋の真ん中でスイッチを入れて、ぐるぐる丸くかけること。しかも、何度も前後に動かす方が多いと思います。けれどヘッドを床に押しつけても、吸引力が増すわけではありません。ヘッドは床に押しつけず、ゆっくりと動かしましょう。また、早く動かしすぎると吸引力を発揮できません。
 フローリングは板の継目があるので、その目に沿ったようにかけると、溝の中のホコリやゴミもキレイに吸い取ってくれます。ヘッドを前後する時にランダムに方向を変えたり、丸く掃除機をかけたりする人もいますが、そういうかけ方だとムラができます」
 

拭き掃除はウエットタイプのシートで

 掃除機をかけ終わったら、使い捨てシートを装着した柄付きワイパーで拭き掃除をします。基本はドライタイプのものを使いますが、汚れがひどいときはウエットタイプを使いましょう。
 掃除機かけと同様に、フローリングの板の継目の方向に沿ってワイパーを動かします。そうすることで、継目に入った微細なホコリや砂などもキレイに拭き取れます。

ウエットワイパーで落ちない汚れは洗剤で

 ワイパーシートで落ちない汚れの場合はどうしたらいいでしょう。

「まず最初に試すのは、固く絞った濡れ雑巾で拭くことです。しかし、油汚れや皮脂汚れがあると落ちないことがあります。床の広い範囲に汚れが広がっている場合は、アルカリ電解水やセスキなどを軽くスプレーして拭きあげるといいでしょう。
 また、汚れがひどいときは、固く絞った雑巾をワイパーにつけ、床に数滴、食器用洗剤を垂らして拭いてみるといいでしょう。キッチンとつながっているリビングは、スリッパなどで汚れを広げてしまっていることがあります。そうしたときには、食器用の中性洗剤がいいですね。凹凸があるフローリング材の継目部分や角の部分は、洗剤を数滴入れたお湯で、ブラシなどを使って歯磨きをするように軽く磨くといいでしょう」

 食器用洗剤ならどんなものでもいいのでしょうか。
「基本的には中性洗剤がいいでしょう。食器用の洗剤は、成分表を見ると大きく分けて3種類あります」

「使うのは、最も一般的な中性洗剤でいいと思います。もし油汚れが強い場合は、弱アルカリ性のものを使うのもいいでしょう。セスキやアルカリ電解水なども油汚れには効果的ですから、キッチンなどはそうしたものを使うのもいいかもしれません。ただ、あまり使いすぎないように注意しましょう。弱アルカリ性のものは、フローリング材にワックスを塗っている場合、そのワックス分も溶かしてしまう可能性があるのです」

 洗剤を使用する場合は、最後にキレイに洗剤を拭き取ります。また、フローリング材によっては洗剤などを使うと変色したり、不具合が起きる場合もあるので、素材をあらかじめ確認しましょう。あらかじめ、汚れが目立たない場所でテストをしてみることをお勧めします。

頑固な汚れはスポット的に

 こびりついた汚れはどうしたらいいでしょう。

「食べ物のソースなどがこびりついて固まっている場合は、軽く絞った雑巾に洗剤を数滴垂らしてしばらく置いてから拭くか、アルカリ電解水などを直接床に吹きつけて、乾いた雑巾で拭き取ります。洗剤などをつけすぎるとそこだけ色が変わってしまいます。厚みがある汚れは拭く前にカーボンや樹脂製のスクレーパーで削り取るのもいいでしょう。むりやり削ろうとすると床材に傷がつきますので、あくまで優しく、が肝心です」

定期的にワックスがけを

 フローリングの床の場合、数カ月に1回ワックスがけをすると、床がピカピカになり、汚れも付きにくくなるそうです。

「特殊なものは必要なくて、ホームセンターやスーパー、ドラッグストアなどで売られているリンレイのワックスなどをかけるといいでしょう。また、ワックスフリーのフローリング剤の場合、ワックスがけは基本的に必要がありませんが、同じくリンレイの『ハイテクフローリングコート』などのワックスがいいでしょう」

 次回は、和室の畳掃除の仕方について伺います。

≪お話を伺った方≫

きよきよさん

現場一筋、お掃除歴35年。ハウスクリーニングからショッピングセンターまで幅広く清掃を経験してきた。現在はハウスクリーニングをメインにお掃除。お掃除のノウハウやお掃除の楽しさを伝えるため、2016年5月にユーチューブを開設。お掃除のやり方や楽しさを毎週動画配信。

きよきよさんのyoutubeチャンネル▼
https://www.youtube.com/channel/UCOb2mSJVXt_Aw2pAyj3Glgw


文・写真◎坂井淳一(酒ごはん研究所)

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