
前回、快適な在宅ワーク環境づくりのカギは、「“フレキシブル”と“独立感”の両立」にあることを一級建築士の尾間紫さんより伺いました。今回は、収納や家具でさりげなく空間を間仕切りして、独立感のあるワークスペースをつくるための方法をご紹介します。


なるべくお手軽に、かつ予算をかけずにワークスペースを設けたいという方に尾間さんがおすすめしているのが、「突っ張りパーテーション」を活用したワークスペースづくりです。
突っ張りパーテーションを活用するメリットは、簡単に空間を仕切れる点。
「施工要らずで、簡単に設置できるのが突っ張りパーテーションの嬉しい点。安い物なら1万円程度で購入できるので、リフォームに比べかなり費用を抑えられます。また、不要になった時はすぐに取り外せるので、生活スタイルの変化に対応しやすいというメリットもあります」
一点、突っ張りパーテーションを扱う際に注意していただきたいのが、「下地のないところに突っ張らない」ということです。
「下地がないところへ設置すると、天井に穴が開いたり、板が押されてめり込んだりしてしまう場合があります。慣れている人だったら、ノックするだけでもどこに下地があるか分かるものですが、慣れていない方は市販の『下地チェッカー』をお使いいただくのがおすすめ。価格もお手頃で、1000円程度で購入することが可能です」

「個室感をより高めたい」という方におすすめなのが「半個室デスク」の設置です。

半個室デスクとは、約1平米(1m×1m)の半個室空間のなかにデスクを設置するタイプのワークブースのことです。現在さまざまなメーカーから発売されており、壁で二方、もしくは三方で囲むスタイルが一般的です。
「壁で囲まれていたほうが集中力しやすいという方におすすめです。移動も楽で、引越し先にも持っていくことができます」
反対に、もう少し開放感のあるワークスペースがつくりたいという方には、北欧の壁掛け家具がおすすめだといいます。
「昔からある北欧のモジュール収納システムは、パーツが豊富なので自由にレイアウトしやすく、生活スタイルの変化にもフレキシブルに対応することができます。
機能性だけでなく、おしゃれで圧迫感がないデザインも魅力的。明るさも確保できるので、開放感のあるワークスペースがほしいという方におすすめです」
大切な書類は指定場所があると安心。磁石がくっつく「アクセントボード」を活用すれば、ワークスペースがスッキリ&おしゃれな展示スペースに早変わり。

本格的なワークスペースをつくりたいなら、造作が必要になります。しかし、第2回でもお伝えした通り、生活スタイルの変化に対応しにくくなる「壁の造作」はあまりおすすめできません。
「フレキシブルかつ本格的な個室ワーキングスペースが欲しいという方には、組み替えができるシステム家具を使うのがおすすめ」と、尾間さん。
「既製品のパーツを組み合わせるシステム家具を使えば、それだけで個室をつくることができます。パーツの色や種類が豊富なので、予算や欲しい機能に合わせてプランができますし、組み換えや買い替えが可能なタイプを選べば、引っ越しや模様替えの時も対応しやすくなります。最初はデスクだけ設置し、閉鎖性を高めたくなったら本棚で壁を作るなど、機能を徐々に充実させることもできます」
費用は使うパーツや材料によって異なりますが、だいたい20万円~が目安となるようです。また、空間の閉鎖性を高めたい場合は家具の高さを高くし、開放感が欲しいなら低くするのがよいそうです。
LIXIL「ヴィータス」
「ヴィータス」は、住まい全体の収納を「みせる」「つかう」「しまう」の3つのカタチで考えたここちよい収納です。ヴィータスを活用したワークスペースづくりのアイデアをご紹介します。
https://www.lixil.co.jp/lineup/livingroom_bedroom/vietas/concept/garalie/
(第4回に続く)
住宅リフォームコンサルタント。一級建築士事務所OfficeYuu代表。長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、住宅リフォームコンサルタントとして幸せなリフォームを実現するためのノウハウを発信中。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。セミナー講演や執筆活動、人材育成研修などを通し、消費者と事業者の間をつなぐかけ橋となるべく奔走している。
リフォームのホント・裏話
http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/
文◎八木麻里恵
画像提供◎Shutterstock/PIXTA
イラスト◎たかはしみどり