焼酎は飲み方次第で千差万別
冷凍かぼすなどを入れるとよりさわやかに
焼酎は、楽しみ方が特に多いお酒であると友田さんは言います。
「焼酎は芳醇な香りが特徴のお酒ですが、旨味や甘みや酸味などはありません。ストレートで飲むこともありますが、何かで割ったり混ぜたりして飲むのがおすすめのお酒といえますね」
さまざまな飲み方がある中、正統派はオンザロック(ロック)と水割りでしょう。
「ロックや水割りは冷たい食感で爽やかに楽しめる飲み方ですし、アルコール度数が下がり飲みやすくなります。また、何より手軽なことが魅力です。おいしく飲むコツは良い氷や水を使うこと。繰り返しますが焼酎には旨味、甘みや酸味はほぼありませんので、使う水や氷の質がダイレクトに伝わるためです」
特にロックの場合は、氷の解け具合で味わいが変わるため、その変化を楽しむのも一興とのこと。
「また、氷の代わりに凍らせたフルーツなどを使っても良いでしょう。冷えた状態をキープできますし、フルーツのさわやかな風味によって口当たり良く飲むことができます。夏場にはもってこいの飲み方といえるでしょう。また、フルーツが溶けても水にはならないため、味が薄まらないのも特長です」
見た目もおしゃれで女性にもおすすめできそうですね。焼酎は他の飲料を入れて飲む(割る)ことも一般的です。
「ただし、味のある飲料で割る場合は、焼酎の種類を考慮しましょう」と友田さん。
「焼酎のタイプには2種類あります。原料の風味が生きた単式蒸留焼酎(本格焼酎/焼酎乙類)と癖がなくピュアな連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)です。ジュースやお茶類など味のある飲料で割る場合やカクテルにする場合は、甲類焼酎のほうが合うとされています」
甲類焼酎はクセのないクリアな味わいだからこそ、他の飲料の味を邪魔しないのだとか。割る飲料については自由度が高いのも魅力です。
「コーラ、サイダー、緑茶やウーロン茶などが一般的ですが、合わせることのできる飲料はかなり多いので、自分なりのオリジナル焼酎カクテルを作ってみるのも面白いでしょう」
焼酎は割り方次第で、さまざまな楽しみ方があるということですね。
まろやかな焼酎を夏に楽しもう
「夏場にはまろやかな口当たりの飲み方はいかがでしょう」と友田さん。
特に焼酎の「燗ロック」がおすすめなのだとか。
「燗ロックは『温めた焼酎をロックにして飲む』という飲み方です。『ぬるくなるだけでは?』 と思われる方もいるかもしれませんが、じわじわとしっかり冷えていくので心配いりません」
どのような味わいになるのでしょうか。
「ただシンプルにオンザロックにするより、とてもまろやかに、滑らかな感じになります。本来、球磨焼酎は、ストレートをお燗して飲む文化でした。しかし、近年はライトな飲み方が人気ですし、夏ならやはり冷やして飲みたい、ということで考案されたのが、この燗ロックです。ひと手間はかかりますが、きっと、味わいの違いに驚くはずです」
ぜひチャレンジしてみたいですね。
これを試してこそ焼酎通!?
九州発祥の「前割り」
黒千代香で前割りを楽しめば焼酎通!
焼酎といえば九州が有名ですが、その中でも、鹿児島県発祥の「前割り」という飲み方は魅力を引き立てるのだとか。
「あらかじめ焼酎とミネラルウォーターを1:1で割っておく飲み方です。事前に混ぜておくことでしっかりと混ざり、滑らかな味わいになります」
混ぜて置いておく期間は一晩から一週間程度、日の当たらないところに常温保存が良いとのことです。前割りした焼酎は「燗にして」飲むのだとか。
「鹿児島は、古くからお燗をした焼酎でおもてなしをする文化です。前もって水で割っておく、それを丁寧に温めてお出しするといった手間をかけます。通常のお湯割りとは違い、きめ細かい舌触りと、滑らかでまろみのある味わいになります。おいしさとともにおもてなしの心を堪能できる飲み方です」
どのくらい温めるのが良いのでしょうか。
「40度程度に仕上げるのがベストです。酒器に注げば少し温度がさがります。この程度の温度でしたら、暑い季節も楽しめます。焼酎のお燗用酒器『黒千代香(くろぢょか)』があれば本格的ですし、さらにおいしく仕上がるでしょう」
普段飲んでいた焼酎とはまた違ったおいしさが味わえそうですね。
お酒やおつまみの選び方、さらに飲み方について、全4回にわたって友田さんにお話を伺ってきました。多くの楽しみ方ができる日本酒と焼酎、この夏は日本を代表するお酒の深い世界を味わってみてはいかがでしょうか。
※お酒は二十歳になってから。お酒は楽しく適量を。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳中の飲酒はお控えください。
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