冷酒にぴったりの酒器を選ぼう!
日本酒の代表的な飲み方のひとつ「冷酒」。冷たいお酒は暑い夏にぴったりですね。
「単純に、冷たいものを飲むと涼しくなるということもありますが、それだけではなく、日本酒は冷やすことでぐっと飲みやすくなるため、夏に適した飲み方といえるでしょう」
しかし、単に冷やして飲むだけが冷酒の楽しみ方ではないと友田さんは言います。
「酒器やお酒を冷やす方法など工夫すると、もっと楽しくなりますよ」
冷酒をおいしく飲むためには、準備が欠かせないということですね。
では、酒器はどのように選べばよいのでしょうか。
「お酒の見た目や用途によって選びましょう。グラスや切子を使って飲めば、見た目がさわやかになり清涼感を感じられます。また、金属製のタンブラーを使うのも良いでしょう。触った時に冷たいのも特長ですが、お酒の冷たさをキープしてくれるので、夏にはありがたいですね」
酒器ひとつで、お酒のイメージや味わい方が変わるということですね。
「また、日本酒を冷やすときに冷蔵庫に入れておくのではなく、氷水で冷やすのもおすすめです。よりさわやかで涼しいイメージを演出して楽しみましょう」
ちなみに、誤解されがちですが日本酒の「冷や」というのは、本来、常温のお酒のことを指しますのでお間違いなく。
誰もが楽しめる多様な飲み方
日本酒は冷やしたり、燗にしたりして飲むことが一般的とされていますが、これ以外の飲み方も普及しています。
その中でも、氷を入れる「オンザロック(ロック)」は昔から親しまれている飲み方なのだとか。
「ロックは、どんな日本酒でもおいしく冷たく飲めますから、暑い時期には重宝する飲み方といえます。また、お酒の香りや味の濃さを自分好みに調整できるので、日本酒が苦手な人でも楽しめるのです」
「日本酒を飲んでみたいけれど、匂いや味がきつくて……」という方にはうってつけですね。
また、「日本酒カクテル」もおすすめの飲み方とのことです。
「日本酒カクテルといっても難しいものではなく、水やソーダで割ったり氷を入れたりするだけで、飲みやすく爽快感にあふれた、夏におすすめの飲み物へと変化します」
夏にぴったりな飲み方としては、どのようなものがあるのでしょうか。
日本酒カクテル「サムライロック」。ライムはたっぷりと搾ると◎
「『サムライロック』ですね。作り方は、ロックでいれた日本酒にライムを絞るだけ。とても簡単に作れる飲み方です。友田流のお勧めとしては、1グラスにライムを半分程度とたっぷり使うこと。決して酸っぱくなりすぎません。お酒の香りがよりさわやかになり、アルコールの強さも感じにくくなるので、嫌みなくすっきりと飲めます」
友田さんによると、飲み方によってグラスを変えると楽しさが増すのだそうです。
「お酒の色によってグラスの色も合わせて考えると、一層涼やかな印象になるでしょう。
緑茶割りや柚子を絞り入れたものなどは、透明のグラスだと鮮やかな色が映えます。青や緑の切子の色も、実に涼しげですね。
また、あまり知られていない飲み方として『みぞれ酒』というものがあります。紙パックの日本酒を新聞紙などで包み、10時間ほど冷凍庫に入れると、注いだ瞬間にお酒が凍って、その名の通り『みぞれ』のようになっていきます。自宅でも手軽にできますよ」
シャーベット状の日本酒、この夏ぜひ試したいところですね。
「和らぎ水」で体にやさしい飲み方を
日本酒はチェイサーとともに飲む方も多いと思いますが、このチェイサーのことを「和(やわ)らぎ水」と言います。
「和らぎ水には、『飲みすぎを防ぐ』『二日酔い防止』などの効果が期待できるうえ、夏の過度な体温上昇を防いでくれますし、おいしくお酒を飲むことにもつながるのです」
水によってお酒がおいしく飲める、とはどういうことなのでしょうか。
和らぎ水で二日酔い防止を
「お酒を飲んでいると、アルコールの効果によって、のどが渇いてしまいます。そこで和らぎ水を合間に挟むことで、その口渇感を無くし、気分良くお酒を飲めるのです。また、口の中をリセットできるので、次に飲むお酒やおつまみの味が印象深くなります」
ちなみに、飲む量は飲んでいるお酒と同量程度がベストなのだとか。また、和らぎ水には特に「仕込み水」がおすすめとのことです。
「『仕込み水』とはお酒を仕込むときに使われる水です。お酒と合わせて飲むと、水自体のうまみも感じられ、日本酒を飲むのがさらに楽しくなるでしょう」
日本酒のパートナーとして、和らぎ水をぜひ取り入れてみてください。
ここまで2回にわたって、夏に日本酒をおいしく飲むためのコツをうかがってきました。
次回は、日本酒と並ぶ日本の代表的なお酒「焼酎」について、引き続き友田さんにお話を伺います。
※お酒は二十歳になってから。お酒は楽しく適量を。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳中の飲酒はお控えください。
会員登録 が必要です