焼酎の旬は「夏」!
やや季節性を意識されづらい焼酎。しかし「焼酎は実は夏のお酒なのです」と友田さん。
「日本酒よりもアルコール度数の高い焼酎は、夏の暑さに疲れた体に活を入れる『暑気払いの酒』とされていました。また、俳句では夏の季語になっています」
夏の焼酎を見直すために近年、ひとつの動きがあるそうです。
「夏に焼酎を飲んでもらおうと『夏焼酎』といわれるお酒も作られるようになりました。大分県の酒蔵さんが、2011年に発案し、始まったといわれています」
酒蔵さんの努力の結果、夏に焼酎を飲むという文化が改めて全国に広まっているところなのですね。夏焼酎は特定の銘柄を指すのでしょうか。
「いえ、夏焼酎はお酒の種類ではなく、『夏に飲むのに適した焼酎』のことです。夏限定の本格焼酎というニュアンスですね。夏焼酎の特徴としては『アルコール度数が少し低め』『クセが少なく、爽やかな味わい』といった点が挙げられます」
おすすめの焼酎3銘柄
夏に一押しの焼酎をうかがったところ、3つの銘柄をご紹介いただきました。
おすすめ1:里の曙(黒糖焼酎 鹿児島県)
「主に奄美大島で生産される黒糖焼酎の代表的な銘柄です。黒糖から作られているため甘い香りがしますが、味自体は甘くなくすっきりと飲めます。糖質はゼロです。オンザロックや水割りが合いますよ」
おすすめ2:川辺(米焼酎 熊本県)
「『球磨焼酎』は歴史ある米焼酎で、熊本県球磨郡や人吉市でとれた水で醸されたお酒です。米焼酎は元々さわやかなイメージですが、この『川辺』はひと際すっきりとしていて、まるでミネラルウォーターのような味わいが楽しめます。夏には最適の焼酎のひとつといえるでしょう」
おすすめ3 DAIYAME(だいやめ)(芋焼酎 鹿児島県)
「こちらは、芋焼酎ですが、まるでライチみたいにエキゾチックでとてもフルーティーな香りがします。飲んだ時の華やかな印象に驚かされますよ。『芋焼酎を飲んだことがない』『特有の匂いが苦手』という人におすすめしたいですね。焼酎を飲みはじめるきっかけとして良いお酒です」
焼酎に合うのは「肉料理」に「デザート」……
香ばしい肉料理との相性は抜群
おつまみを選ぶ際には、焼酎の特徴を理解しておくことが大切だと友田さんは言います。
「焼酎には、旨味や甘み、酸味といった成分はほぼありません。しかし、魅力的な香りがあります。また、蒸留酒なので、アルコール度数が高くキレもあり、口の中をすっきりさせてくれるのです」
では、どのように料理やおつまみを選べば良いのでしょうか。
「焼酎の種類や飲み方などによって選び方は違いますが、基本的には味の濃い料理を合わせると良いでしょう。お酒の香りも足されて、うまく調和してくれるのです」
濃い味付けでもさっぱりと食べることができ、香りによっておいしさもアップするということですね。口の中をすっきりさせてくれる効果もあるため、次に食べる料理の味もはっきりとわかるようになるのだとか。
おすすめのメニューについても友田さんにうかがいました。
「焼酎には肉系のメニューがぴったり。焼酎が香りメインのお酒なので、肉を香ばしく焼き上げると相性が一層良くなります。バーベキューソースや焼肉のたれで、甘味を足すのもおすすめです。鳥の照り焼きやローストポーク、豚の角煮といった味付けが濃い肉料理と一緒に焼酎を楽しんでいただきたいですね」
また、意外なところでは甘いものも合うのだとか。
「実のところ、焼酎はデザートなどと組み合わせてもおいしく飲めるのです。個人的におすすめなのが『黒糖を振りかけたナッツ』。これを食べながら黒糖焼酎を飲むとたまりません」
焼酎は味の主張が強いメニューともあわせられる万能選手といえそうです。自分の好みの組み合わせを見つけていくことで、さらに焼酎を楽しめそうですね。
今回は、焼酎の銘柄やおつまみの選び方を教えていただきました。
次回は、焼酎の「飲み方」について、引き続き友田さんにお話を伺います。
※お酒は二十歳になってから。お酒は楽しく適量を。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳中の飲酒はお控えください。
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