代行サービスで、究極の「家事ラク」ライフを![第5回]

出張シェフでホームパーティを楽しむ!

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センスがよいパーティを開くためのシェフ選び

 お休みの日に、気の合う仲間が集まって、ごちそうを囲むホームパーティは楽しいものです。また、親戚が集まって、ご両親やお子さんの記念日を祝うというのも幸せな時間です。

 けれど、その準備をすべて1人でしなければいけないとなると、その労力は計り知れません。せっかくのお休みの楽しい時間が、1人だけ「苦行」になりかねません。
 人数が集まり、食べものや飲み物の量も多いホームパーティこそ、プロのシェフを呼んでみると、みんながより幸せになれるかもしれません。

 料理家の湖山紅美さんは、次のようにアドバイスします。
「人数や会の主旨、集まる方の好みなどをきちんと伺って任せていただくほうが、料理をする側も個性も発揮しやすいし、センスのいいパーティになるのではないでしょうか。メンバーで料理を持ち寄ったり、ケータリングで料理を頼んだりしたところにも、プロのシェフがその場で作るできたての料理が加われば、思いもかけない驚きが楽しめると思います」

 湖山さんは、朝のテレビ番組のお料理コーナーのスタイリングや、広告制作のためのレシピ開発・調理などをしていますが、ホームパーティもできる出張シェフとしてサービス登録をしているそうです。

 最近は個人的なつながりで依頼を受け、個人宅に出張したり、企業などの会合のために調理したりすることもあるとのこと。その際は、人数のほか、集まる人たちの食べものの好み、食べる量、アレルギーなど、さまざまな要素をヒアリングしたうえで、予算に合わせて料理をつくっています。

「いまでは税込みで1人5,000円くらいから受けています。私自身がパーティ料理を楽しみながらつくりますし、食べていただく皆さんが、おなかいっぱいになって大満足になれる料理を目指しています。私もお酒が大好きなので、飲むお酒は何か、ということも重要ですね(笑)」

 シェフの派遣サービスをお願いする場合も、ウェブなどで料理人がどんな料理をつくってくれるのか、写真などで確認できるところを選ぶといいでしょう。

本格的な江戸前鮨を自宅で

 グルメな方が集まる会ならば、お鮨はどうでしょう。実際、昔から、銀座の鮨の名店などは、ひいき筋の依頼で、出張で鮨をにぎるサービスをやってきました。けれど、そうした「行きつけの高級鮨店」がなくても、極上の江戸前鮨を自宅で堪能できます。
 予約が取れない出張鮨専門店として人気の「鮨川」のご主人、早川大輔さんにお話を伺いました。

「コロナ禍で鮨の出張にぎりの仕事は減ったでしょう、とよく聞かれるんですが、実は増えていて、忙しくさせていただいています」

 早川さんによると、ふだん都内の高級鮨店などに通い慣れた方がお店に行けず、そのぶん家族や友人たちと感染防止対策をしっかりしながら、自宅でお鮨を楽しんでいたのだそう。

「鮨川」の出張料金は、税込みで1人1万円、10人からだといいます。しかし、極上の鮨種を丁寧な仕事で仕込み、わざわざ家まで来てくれるサービスですから、決して高いわけではありません。

「実際、4~5人での出張もないわけではありません。総額で税込み10万円という料金に納得いただければお受けすることもできます」

 早川さんは基本的に、食器は注文を受けたお宅のものを使うそうです。到着したらすぐににぎりはじめ、次から次へとお鮨を出します。終わったら、仕事場所として借りたキッチンも元どおり、使った食器も丁寧に洗って片付けてくれるそうです。

「お客さんは、何かの記念日などに依頼をする方もいらっしゃいますし、ご親戚が集まったからと呼ばれることもあります。お友達どうしでワイン会や日本酒の会などをなさっている方のお宅に行くこともあります」

「鮨のよしあしは、実際に食べてみなければわからない」という鮨通の方もいらっしゃるでしょう。
 早川さんのお店「鮨川」は、最近、東京・笹塚に立ち食い鮨の店舗を構えたそうなので、一度そこに行って腕と味を確かめてから、というのもいいでしょう。

 ふだんの家庭料理より上質で丁寧。けれどレストランクオリティの料理を、お店に出かけて食べるよりはるかにリーズナブルに楽しめるのが、出張シェフの料理です。
 家事代行サービスとは少し違いますが、自分たちへのご褒美として、誕生日や結婚記念日など、特別な日にこうしたサービスを利用してみるのもいいかもしれません。

※本記事のサービス内容・価格などは、2022年3月の取材時のものです。

≪お話を伺った方≫

湖山紅美さん

フードスタイリスト/フードコーディネーター。美容師、OL、カフェ経営を経てフリーで活動。フードワーキンググループを結成し、数々のイベント企画と集客を行い、人々をつなぐ。アパレルエプロン事業にも携わる。フードスタイリスト、フードコーディネーターとしてTV、CM、雑誌、ウェブなどでフード制作を軸に活動。レシピ作成やコラム執筆までも行い、そのかたわら出張シェフやケータリングも手がける。

早川大輔さん

回転寿司職人、IT系会社員を経て、西麻布で修業ののち出張鮨職人として独立。不必要な格式、しきたりを壊し新しく美味い鮨を目指す。出張鮨とともに、東京・笹塚で立ち食いながら上質な鮨を出す実店舗「鮨川」も経営する。
http://www.sushikawa.jp/

取材・文・撮影◎坂井淳一(酒ごはん研究所)

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