今年の大掃除は一点集中![第5回]

【玄関編】「見て見ぬフリ」をしてきた汚れを徹底除去

空間
玄関まわり
関心
お手入れ

玄関の大掃除、順番と準備するものは?

 日々人が出入りする玄関は結構汚れているものの、滞在する時間が短いのでタイルの汚れやさびなどに気づいても、つい見て見ぬフリをしやすい場所でもあります。この機会に床だけでなく、ドアや下駄箱、鏡、傘立てや塀まで徹底的にキレイにしましょう。
 玄関も「高いところから低いところへ」の原則通り、鏡→下駄箱→ドア→玄関タイル→外周りの順で掃除していきます。

 玄関の大掃除で準備する洗剤や道具は次の通りです。下駄箱と玄関に出ている靴や小物類は一度廊下や外に全部出してから、掃除を始めましょう。

【 準備する物 】

マイクロファイバークロス、ウエットシート、雑巾、メラミンスポンジ、ほうき、デッキブラシ、酸性洗剤、塩素系洗剤、アルカリ性洗剤、高圧洗浄機

玄関は意外な場所が汚れている

 まず鏡は、マイクロファイバークロスなどで濡れ拭きをした後に乾拭きをしてキレイに磨いていきます。

「靴をしまいっぱなしにしていると、特に革靴やブーツなどは汗を吸っているので、下駄箱にニオイがこもることも。下駄箱内の靴や下駄箱上に乗っている小物なども全部出したら、ほこりや砂などのゴミを掃除機で吸い出し、濡れ拭きか、中性洗剤をつけた布で拭き掃除をします。その後しばらく扉を開けたままにして、しっかり乾燥させてください。

 その間に、玄関ドアを掃除していきます。日本の玄関は外開きのものが多く、手がふさがっているときに足で押さえたりすると、意外にドアの下の方が汚れてしまいます。この汚れは下駄箱を拭いたのと同じ布で拭いていきます。靴の跡がついてしまって取れない場合は、スポンジでこすってあげると落ちることが多いですよ。
 ドアの取っ手や手すりなど、人がよく触る場所は皮脂汚れなども付着していますから、ウエットシート等で拭いておきましょう」
※洗浄や薬品は中性のものを使用してください。酸性薬品、アルカリ性薬品、塩素系薬品、またはアルコール溶剤は絶対に使用しないでください。表面塗装のはがれを引き起こします。

 ここまできたらいよいよ本丸、たたきと呼ばれる玄関タイル部分です。マンションなどで水洗いが出来ない場合もありますが、タイルの目地に汚れが染み込んでしまっていたり、全体的にくすんでいる場合はどうすればよいのでしょうか。

「タイルなどツルツルした素材の場合は水で濡らしたメラミンスポンジでこするだけでも、タイルがかなり白くなりますよ。どうしても落ちない場合は酸性洗剤をタイルの表面にうすく塗ってからメラミンスポンジでこすっていくと、すごくキレイになります。

 ただこの場合、酸性洗剤をそのままにしておくと金属製のものを置いたときにさびるので、しっかり水洗いした方が良いでしょう。水を流せないのであれば、水で濡らした新聞紙や古い雑巾で何度かしっかり水拭きしてください」

なかなか落ちないさびもこれを使えばスッキリ

 玄関の内側がキレイになったら、乾燥させるためにしばらく扉を開けておき、その間に外周りも掃除していきましょう。

 玄関の前をほうきで掃き、水で濡らしてデッキブラシでタイルをこするとキレイになります。

 傘立てなどがさびてタイルにさびがついてしまっている場合、スポンジでこすっただけでは落ちないので、酸性洗剤をハケで塗るようにつけてから1分ほどおいた後に、スポンジやメラミンスポンジでこすると落ちやすくなります。落ちない場合はもう一度酸性洗剤を塗ってこする、を繰り返してください。
 最後にしっかり水で流して、念のためアルカリ性洗剤を少しまいておくと中和するので、酸が残ってしまってタイルを溶かしてしまうのを防ぐことができます。

リクシルのホームページでも玄関のタイルのお手入れ・お掃除方法をご紹介しています。
「玄関のタイルのお手入れ・お掃除方法」
https://www.lixil.co.jp/support/clean/tile_06.htm

 また一戸建ての場合、玄関前の塀や家の壁に黒ずみやコケ、雨だれなどの汚れが気になる場合も。

「塀の下の方が黒っぽくなっている場合は、車の排気ガスかカビの場合が多いです。高圧洗浄機で流してあげるとキレイになりますよ。今はホームセンターでレンタルもありますが、数回使うなら買った方が安いです。

 カビの場合は塩素系洗剤をかけてから流すと落ちやすくなりますが、周りに植栽などがある場合は枯れてしまうので止めた方がいいですね」

掃除の負担を減らすため、
日々のメンテナンスはどうすれば?

 家の顔である玄関はできる限りキレイにしておきたいもの。日頃からどのようなことに気をつければよいでしょうか。

「なるべく土や砂を玄関まで持ち込まないように意識して。マンションの場合はエントランスから入ってからエレベーターや廊下など共用部分が多いのでその間にだいたい落ちているのですが、一戸建ての場合は外の汚れをそのまま玄関に持ち込むことが多いです。

 また、靴を脱いだらなるべく下駄箱などにしまうようにして、玄関に出しっぱなしの靴の数を減らしましょう。そうすると掃き掃除もしやすいので、キレイな状態を保ちやすいですよ」

 全5回にわたって、浴室、トイレ、キッチン、リビング、玄関と5カ所の大掃除のポイントを掃除のプロに教えてもらいました。どこか1カ所だけでも、普段からよく使う場所を徹底的にキレイにした! と達成感を味わえたら気持ちよく年末年始を迎えられそうですね。プロの洗剤の使い分けやちょっとしたコツを参考に、ぜひ一点集中大掃除に取り組んでみてください。

≪お話を伺った方≫

お掃除職人きよきよさん

現場一筋、お掃除歴35年。ハウスクリーニングからショッピングセンターまで幅広く清掃を経験し、現在はハウスクリーニングをメインにお掃除。お掃除のノウハウやお掃除の楽しさを伝えるため、2016年5月にYouTubeにチャンネルを開設し、お掃除のやり方や楽しさを毎週動画配信。2022年11月現在のチャンネル登録者数26.3万人。著書に「やみつき掃除術」(SBクリエイティブ)。
お掃除職人きよきよさんのYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCOb2mSJVXt_Aw2pAyj3Glgw

文:中原絵里子
写真:お掃除職人きよきよさん、shutterstock

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