
リフォームをしたいけれど、どんな工務店なら安心して任せられるのか、どのくらいの予算感で考えればいいのかなど、不安に思う方もいるかもしれません。そこで、LIXILトータルサービスの吉井重之に、リフォームの要望が多い部分について、ざっくりとした予算感とお勧めのリフォームについて聞きました。
最近、要望が多い部分リフォームは、どんなものなのでしょうか。
「当店の場合、ご相談が多いのが窓の断熱化です。エネルギー価格の高騰もあり、とてもメリットが多いリフォームですよ」と、吉井重之。
「窓は、壁や屋根などに比べ、断熱効果が出やすい部分です。予算は、窓をいくつリフォームするか、窓の大きさはどうか、どんなスタイルにするか、などで変わってきますが、目安は1か所5万円~です」
では、そもそも「リフォーム費用」はどのように算出されるのでしょうか。
「大きく『部材・建材の値段』と『工賃』の2つで算出されます。工賃は、窓のリフォームの場合、『1か所でいくら』という形ではなく、『1日(あるいは半日)いくら』といった計算になるケースが多いですね」
「LIXILのインプラスのような内窓式のリフォームなら、既存のサッシを外す必要もなく、1か所あたりの施工時間も短く済みます。場合によっては、1日で家全体の窓を施工することも可能です。そのようにすれば、複数箇所を施工したほうが工費は割安になりますね」
窓のリフォーム予算は、ガラスの種類やサッシの素材によっても変わってきます。吉井は、断熱リフォームをするのであれば、複層ガラス以上のグレードをお勧めしています。
「快適さが格段に違います。冬に悩まされる結露は大幅に少なくなりますし、『夏のエアコンの効き具合が段違いだ』という声もいただいています」
窓とともにリフォームの要望が多いのがキッチンです。
「シンクまわりだけを交換するのか、空間全体をリフォームするのかで予算は大きく違ってきます。システムキッチンでシンクからガステーブル、換気扇などのユニットをすべて取り替えた場合、80万~100万円といったところでしょうか。もちろん、どんなシステムキッチンを入れるかによって、値段はかなり変わってきます。昔ながらのスタイルのものならお手頃で済みますし、最先端のものだと高価になります」
実際にどんな要望が多いのでしょうか。
「シンクが新しいお宅では、ガステーブルをIHヒーターに変えるだけというご要望が多いですね。お勧めなのは換気扇の交換です。最近の換気扇は、少し前のものと違って油汚れが付きにくく、お掃除やメンテナンスが非常に楽です。
そのほか、オーダーが多いのは食器洗い機ですね。いまは共働き世帯が多く、導入すれば、食器洗いに要する時間を圧倒的に短縮できます。自動水栓も人気があります。また、設備を交換される際はシンクの高さを見直すといいでしょう。LIXILのシステムキッチンなら、お施主さまの身長に合わせて高さをオーダーできるのでおすすめです」
続いては、トイレのリフォームです。最近は節水型のものが増え、リフォームを希望される方が増えています。
「製品によって価格の幅が広いのがトイレです。シャワートイレと暖房便座を付けるだけなら、部材として5万円前後~。多機能で汚れが付きにくく、デザインも優れた製品なら30万円を超えるものもあります。設備交換だけでなく、内装もある程度行うリフォームの場合は、30万円くらいで満足のいくリフォームができると思います」
予算と機能のバランスで製品を選ぶのが良さそうですが、お勧めのポイントはあるでしょうか。
「皆さんあまり必要ないと思われているようですが、ふたの自動開閉機能はお勧めです。というのも、以前私が腰を傷めたときに、ふたの開け閉めが大変だったんです。わが家のトイレは自動開閉式だったので、本当に助かりました(笑)」
冬に寒くなるバスルームを暖かくしたいというご要望が増えているようです。ヒートショックのリスクもあるため、快適なバスルームを手に入れることは、お施主さまの健康生活にも影響します。
「リフォーム費用は導入するユニットバスの価格次第ですが、昔ながらのタイル貼りのバスルームを解体してユニットバスを入れるなら、最低ラインがざっと100万円くらいと考えておけばいいと思います」
また、吉井はバスルームのリフォームについて、「脱衣所との段差をなくすか、あってもごくわずかにしたほうがいいでしょう」と、ポイントを指摘します。
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今回ご紹介した予算感はあくまで目安。どんなリフォームにするか、どんな製品を導入するかで価格は変わります。
次回はフルリフォームの予算感と、リフォーム工務店の探し方、決め方についてお伝えします。
吉井重之
株式会社LIXILトータルサービス 北関東支店 北関東カスタマーリフォーム部 新潟リフォームセンター チームリーダー。LIXILリフォームショップLTS南新潟店 店長。
取材・文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)