「リフォーム予算」の相場を知りたい![第2回]

フルリフォームと業者選びのコツ

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お手入れリフォーム

フルリフォームと新築の違い

 リフォームを扱ったテレビ番組では、新築と見まごうばかりに、がらりと生まれ変わった家が紹介されることがあります。基礎とほんのわずかな柱を残し、ほぼすべてつくり直す場合、新築に比べてどのくらい安くできるのでしょうか。

「どんなリフォームをしたいのかによって価格は大きく変わることを前提に言いますが、古い家屋で耐震構造を強化し、断熱などをしっかりする場合、新築の8割くらいの値段になると思います。

 実際に、そうしたリフォームで見積もりをお出しすると、お客様から『思ったより安くない』と言われるケースもあります。リフォームは解体費用もかかるので、価格を抑えるにはどうしても限度があるのです」

 それでも、新築を超えることはまれです。住宅金融支援機構のデータによると、2020年の住宅ローン「フラット35」利用者が新築物件を建てる場合の相場は、土地代を除き、全国平均で3534万円だそうです。(住宅金融支援機構「2020年度 フラット35利用者調査」より)

 フルリフォームが新築の約8割になるのであれば、全国平均に照らして、およそ700万円安くあがります。そう考えれば、「新築よりもフルリフォーム」と判断してもいいでしょう。

「フルリフォームを検討するときに念頭におきたいのは、『この家にあと何年住むのか』ということです。例えばずっと住まわれてきた家で、お子さんたちが独立した、というような場合。ご夫婦がその家に住み続けるのは、長くて20年程度ではないでしょうか。それならば、新築に近い金額を出してフルリフォームをするのではなく、ある程度、予算を決めておくといいでしょう。逆に、若いご夫婦が中古物件に手を加え、長く住みたいと考えているのであれば、それなりに金額をかけることも検討すべきだと思います」

リフォーム工務店はどう選ぶ?

 家に手を加えるときに悩むのが「工務店の探し方」。身近に工務店やリフォーム工務店の知り合いがいる方は、そうは多くないでしょう。

「まずはショールームやモデルハウスなどに出かけて、気軽に相談をしてみることをお勧めします」
 こう話す吉井の店舗はLIXIL系列会社。ショールーム見学者などをお迎えすることが多いそうです。

 LIXILは全国にショールームがあります。また、お近くにショールームがない方でも、オンラインでご相談を承っているので、ぜひご活用ください

価格だけでは決められない

 施工業者を決めるときに最も気になるのは予算でしょう。ウェブやチラシを中心に宣伝している工務店の中には、かなり安い金額で請ける会社もあるようです。

「確かにとても安い金額を謳う工務店もいますが、金額だけに飛びついてしまうのは早計です。実際の施工例を見学して、好みの空間か確認してみるといいでしょう」

 複数社に相見積もりを取ると良いとも聞きますが、吉井はこう指摘します。

「相見積もりはひとつの手ではあると思います。ただしスタイルの違う工務店、例えば弊社のようなメーカー系列の会社と、しっかりした建築家がいる工務店、激安を売りにした工務店などで比較しても、正解は出てこないと思います。

 計画の最初の段階でいくつかの会社と打ち合わせをして、価格に加え、デザインのなどの好みが合うか、クオリティや工期、仕上がりなどを勘案していくといいでしょう。営業担当者との相性も大切です。リフォームが終わったあともケアをしてくれる担当者と、要望がまったく伝わらず、打ち合わせ内容に納得できない担当者では、どちらがいいのかは明白ですよね」

 リフォームをした家は、その後何年も、何十年も暮らしていく場所です。急がず、じっくりと検討していきましょう。

 次回は予算の組み方とリフォームの補助金についてお伝えします。

LIXILトータルサービス直営店をご紹介します。

LIXILリフォームショップ「LTS 南新潟店」

lixil-rs-minaminiigata.com

(株)LIXILトータルサービスのホームページ

www.lixil-totalservice.co.jp

≪お話を伺った方≫

吉井重之
株式会社LIXILトータルサービス 北関東支店 北関東カスタマーリフォーム部 新潟リフォームセンター チームリーダー。LIXILリフォームショップLTS南新潟店 店長。

取材・文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)