意外に“チリツモ”
電力消費している場所とは
機器を使用していないのに電力が消費されている「待機電力」は、知らない間に電力を消費していて見過ごせない存在です。
一世帯あたりの年間消費電力のおよそ5.1%を占める待機時消費電力は、およそ228kWh=7,068円に相当します。
その内訳は1位「ガス温水器(給湯器のコントロールパネル)」、2位「テレビ」、3位「エアコン」、そして「電話機」、「BD・HDD・DVDレコーダー」、「温水洗浄便座」、「パソコン」と続きます。
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業 (待機時消費電力調査)報告書概要」)
全体の19%をも占めているガス温水器は、風呂場を使用しない際には電源をこまめにオフにすることで節電に。そのほか、常に主電源を入れた待機状態にしなくてもいい家電も、こまめなオフを心がけるようにしましょう。
また、以下の家電製品は消費電力が大きいため、頻度や稼働時間などを意識して利用することでさらなる節電につながります。
≪消費電力の大きい家電製品≫
アイロン、電気ポット、電子レンジ、ホットプレート、ドライヤー、トースター、IHクッキングヒーター、食器洗い機、浴室乾燥機・洗濯乾燥機、掃除機
(出典:令和4年「経済産業省 夏季の省エネ・節電メニュー」リーフレット)
ソーラー、LEDを使ってスマートに節電
家庭の電気使用量割合の3位を占める「照明器具」は、設置している数も場所も多いため、大きな節約ポイントに。電球の単価も家電より安いため、多くの照明器具を交換することで省エネ効果が期待できます。
●白熱電球をLEDランプに
照明器具のかさや電球の汚れを掃除することで本来の明るさを取り戻し、長時間部屋を開ける際はこまめなオフを心がけるだけで節電に。さらに一番効果が高いのは、白熱電球を電球形LEDランプに交換することです。
54Wの白熱電球から9Wの電球形LEDランプに交換した場合(年間2000時間使用)、年間で電気90.00kWhの省エネになり、約2,430円の節約に。LEDランプは白熱電球に比べると高価ですが、使用年数は10年を超える製品もあり、費用対効果もバツグンです。
●屋内・屋外には人感センサーライトを
夜間に玄関や廊下の電気をいちいちつけなくてもいいように、人感センサーつきのLEDフットライトを設置するのもおすすめです。コンセントに挿すタイプでなく、電池式にすれば待機電力も使わずにさらなる省エネに。
節電のために屋外を暗くしてしまうのは防犯上も避けたいところ。そんなときに役立つのが、ソーラー式のセンサーライトです。昼間に太陽光で充電し、夜間に自動で灯るため、電源いらずで省エネ効果が期待できます。
省エネ製品を選ぶ基準
毎月の電気代がお得になる、省エネ家電製品選びの手助けになるのが、「省エネラベル」です。エネルギー消費機器の省エネ性能を示すもので、対象となっている商品は、エアコン、冷蔵庫、照明器具、テレビなど22品目に及びます。
ラベルには、省エネ基準達成率や年間の消費電力量目安が表示されているため、省エネの観点から見比べることが可能。
小売業者が製品の省エネ情報を表示する「統一省エネラベル」もあり、そちらには市販されている製品の中で相対的に位置づけた41段階の評価、年間の消費電力量目安、年間の電気料金目安を表示しているため、節約の目途がつきやすくなっています。
資源エネルギー庁が発行している「省エネ性能カタログ2022年版」では、各メーカー該当家電製品の性能一覧が閲覧可能。こちらも家電製品を選ぶ際の参考に役立ちます。
(出典:資源エネルギー庁発行「省エネ性能カタログ2022年版」)
「少し気をつけるだけ」で年間こんなに節約に
家庭の中でできる、「少し気をつけるだけでこんなに違う」節約のヒントを紹介します。
●残ったごはんは?
炊飯器で保温 vs 電子レンジで温め直し
ごはんを炊飯器で保温するのは4時間までを目安に。保温のためのエネルギーより、電子レンジで温め直すエネルギーのほうが節電になります。消費エネルギーの差は31Wh、電気代は約1円弱の差が出ます。
(炊飯器で3合炊いて、残りの1.5合を保温、電子レンジで温め直した場合を比較)
●洗濯後の乾燥はまとめたほうが節約?
自然乾燥 vs 衣類乾燥機
洗濯乾燥機を使って乾燥する場合、まとめて乾燥して回数を減らすほうが節電になります。定格容量(5kg)の8割を入れて、2日に1回使用した場合と、半分の4割ずつに分けて毎日使用した場合を比較すると、年間で41.98kWh、約1,301円の節約に。
自然乾燥を併用すると、さらに大きく節電できます。8時間自然乾燥させた後、まだ湿っているものを補助乾燥する場合と、乾燥機のみで乾燥させる場合を比較すると(2日に1回使用)、年間で394.57kWh、約12,231円の節約に。
●どれだけ差が出る?
テレビ画面の明るさ
テレビの画面の明るさを調整するだけでも意外に節電効果があります。液晶テレビ(32V型)の画面の輝度を最適(最大→中間)にした場合、年間で電気27.10kW、約840円の節約になります。また、テレビを見る時間を1日1時間減らすだけで、年間で電気16.79kWh、約520円の節約に。
(※経済産業省「省エネポータルサイト」の情報を元に、新電力料金目安単価を当てはめて計算しています)
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