運転前にまずは“内外”のチェックから
エアコンのフィルターは、目詰まりしていると冷房効果が下がって無駄な電力消費につながるため、2週間に1度をめどにした掃除が推奨されています。
そして、エアコンは“内”のフィルターだけでなく、“外”の室外機の状況のチェックも必要です。
室外機に汚れが溜まっていると、エアコンの稼働に余計な負荷がかかってしまうことも。室外機の吹出口の周辺に障害物がないか、風通しの良いところに設置されているか、雨や直射日光は当たっていないか、吹出口の正面に強風が当たっていないか、改めて確認してみましょう。
室外機には防水性や防汚性があるとはいえ、屋外に設置されているためゴミや汚れが溜まってしまうと、せっかくのエアコンの運転効率が下がってしまいます。
室外機の裏側にある「熱交換器」の役割を果たすフィンや、室外機の前面の吹出グリル(吹出口・吸込口に使用される格子状の金属板)にゴミが付着していたら、小型のホウキやブラシなどで取り除くことで、エアコン本来の性能を維持することができます。
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設定温度の正解は? 風向きは?
部屋を素早く冷やすコツ
環境省は夏の室温目安を28℃と発表していますが、これは「室温を28℃に保つ」という意味で、エアコンの「温度設定」を28℃にすることとは違うと明記しています。
猛暑時や部屋の状況によっては、28℃に設定してもそれよりも室温が高くなってしまう場合も。その際は設定温度を下げることが必要となりますが、その前に試してみてほしいのが、風量を強く、風向きを上向きか水平に設定すること。そしてある程度室温が下がったら、自動運転モードに設定し、最適な運転をエアコンに任せましょう。
温度を下げるよりも風量を強くするほうが省エネになります。そして、風向きを上げることで、部屋の上部に溜まった温かい空気をエアコンが感知して余計な冷却をしないようにできます。
そういった“温度のムラ”を作らないためにも、サーキュレーターや扇風機を併用して室内の空気を循環させると、節電しながら室温を効率よく下げることが可能になります。
また、同じ温度でも湿度が高い場合は、体感温度を高く感じてしまうため、快適に室内で過ごせる40~70%を目安に湿度をコントロールすることもポイントに。エアコンの除湿運転・ドライ機能を使用してから冷房機能に切り替えたり、除湿器を併用したりと工夫をしてみましょう。
室温と設定温度に差があればあるほど、エアコンの消費電力は増える傾向にあります。室温を少しでも上げないように、夏の外出時にはカーテンを閉めて窓から入ってくる熱を抑え、帰宅した際に外よりも暑いと感じたらまず窓を開けて部屋の換気をしましょう。
温まった室内の空気をまずは換気することは、部屋を効率よく素早く冷やすことにつながります。
(出典:環境省「COOL CHOICE」ウェブサイト)
カギは「外気温」! どちらがお得?
つけっぱなし vs こまめなオン・オフ
エアコンはつけっぱなしか、こまめなオン・オフのどちらが節電になるのでしょうか?
一般的にエアコンは稼働した直後に最大電力を消費し、室温と設定温度の差が大きいほど負荷がかかります。そして室温と設定温度の差が小さくなると、消費電力も小さくなっていく構造となっています。
ある程度つけっぱなしのほうが節電につながるといわれていますが、各メーカーのエアコンの最小消費電力と最大消費電力の差は、およそ8~10倍にもなるため、こまめなオン・オフを繰り返すと消費電力がかさんでしまうことに。
外気温差の高い日中はつけっぱなしにし、外出する際は30分程度だったらオフにせず、それ以上になるようなら一旦オフにする。外気温の差が少なくなり、契約状況によっては電気料金も安くなる夜間はこまめなオン・オフのほうが、つけっぱなしよりも節電になるようです。
家のクーラーは大丈夫?
買い替えと節電の関係性
エアコンの寿命は10年と設定している家電メーカーがほとんど。修理における部品の最低保有期間は各メーカーともだいたい製造された年から10年となっています。
エアコンの使用年数は、購入後9~10年目あたりで増え、12年目になるとおよそ半分近くが買い替えており、使用平均年数は13.6年となっています。
(出展:2018年度 内閣府「消費動向調査」データによる家電製品年数調査報告書)
そして、エアコンの機能も10年で大きく進化し、省エネ率も大幅にUP。最新機種にはAIによる適切な温度設定機能や、自動フィルター掃除機能をもつ機種も。使用しているエアコンが10年を超えている場合、最新機種への買い替えもおすすめです。買い替え費用がかかってもランニングコストが抑えられるので、早めの買い替えを検討してもいいかもしれません。
省エネしながら換気するには
部屋の換気が気になる場合はどうしたらいいのでしょうか。
一般的な家庭用エアコンのほとんどの機種は換気の機能を持っていないため、換気の際は窓を開けたり換気扇をつけたりする必要があります。
その際に温かい外気が入ってきますが、エアコンを一旦消してしまうと再び電源を入れたときに消費電力がかさんでしまうことに。外出するときは30分程度だったらオフにしないほうがいいように、換気する際も設定温度はそのまま、つけっぱなしにした状態で換気を短時間で行うのが消費電力を結果として一番抑える方法になるようです。
次回は、値上げを乗り切る節電のヒントを紹介します。
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