まずは住んでいる地域のゴミの出し方を確認!
SNSのX(旧Twitter)やご自身が運営するオンラインコミュニティ「滝沢ごみクラブ」などでゴミの出し方や分別について情報を発信している滝沢さん。普段からゴミ収集作業に従事しているからこそ感じる「ゴミ出しのリアル」があるそうです。
「ゴミ収集活動をしていると、びっくりするようなゴミの出し方がされていることがよくあります。
可燃ゴミ(燃えるゴミ)の中に、明らかな不燃ゴミ(燃えないゴミ)が混ざっていることもあります。収集員は持った瞬間に大抵わかります。分別されていないゴミは収集できないので、収集不可のステッカーを貼って積み残すこともあります。
ゴミの分別ルールは自治体によって微妙に違います。分別の仕方は集積所に貼ってあったり、自治体のWebサイトに出ていますので、まずはきちんと確認しましょう」
可燃ゴミを出すときのポイント
基本的なことも含め、燃えるゴミの出し方のポイントを伺いました。
1:ゴミ袋は口をしっかり結ぶ
まず必ずやるべきなのが、ゴミの袋の口をしっかり結ぶこと。
「当たり前のことなのですが、意外と結ばないで出す人が時々います。ぼくら収集員は1分1秒単位で収集スケジュールを組み、時間勝負の仕事。このような出され方やゆるい結び方だと、収集時に中身が道に散乱してしまい悲惨なことになります」
自治体によっては指定の有料ゴミ袋に入れないと収集されない地域もあります。また、ほとんどの自治体では半透明のゴミ袋が指定されているので、中身の見えない袋で出すのは控えましょう。
2:生ゴミは水気を切る
1リットルのやや大きめの水出し緑茶用ティーバッグを捨てるときに軽く水気を絞ってみると、およそ150cc絞り出せました。
食べ物の残りといった生ゴミは、特に夏場、においが気になります。生ゴミの嫌なにおいの原因は『雑菌の繁殖』。水分が多いほど繁殖しやすくなります。
「ゴミ出しの日まで冷凍庫で保存すれば家庭の中ではにおいませんが、集積所に出すと溶けてにおい、水分が多ければビチャビチャになります。まとめる前に、極力水気を切りましょう。また、なるべく水分を減らすことで焼却時のエネルギーの節約にもつながります」
水出しのお茶のティーバッグやコーヒーかすなど、水分をたっぷり含んでいるものはしっかり絞って、余裕があれば日陰や風通しのよい場所などで乾燥させるのもよいでしょう。
3:袋が破れないような工夫を
割り箸や焼き鳥の竹串など、とがったものは、そのまま袋に入れると袋を破って飛び出してしまいます。
「先端が鋭いゴミで収集時に怪我をすることも日常茶飯事です。袋を破らないように、小さな紙袋や厚紙でできている箱などに溜めておいて出すといいでしょう。小さめの宅配便のパッケージやティッシュの空き箱のようなものがお勧めです」
4:紙類はどうする?
新聞や雑誌などの紙類は資源として収集している自治体がほとんどですが、少しの紙ゴミだと「燃えるゴミ」として出してしまいがちです。
「チラシや紙製のパッケージなどは、まとまった量がないとつい可燃ゴミとして捨てがちですが、新聞や雑誌と一緒にストックして資源回収に出しましょう。紙とビニール類が貼り合わせてある場合はきちんと切り離します。あまりにも分別の手間が大変なものは、可燃ゴミとして出しても大丈夫です」
5:食品のパッケージや弁当ゴミは?
弁当などの空き容器は資源回収に出すならきれいに洗い、無理な状況なら「可燃ゴミ」で。
もう一つ、燃えるゴミとして出していいかどうか悩むのが食品のパックや弁当の容器など。樹脂製なのでリサイクルできそうです。
「プラスチックマークがついているものは資源回収に出せますが、必ず汚れを洗い流してください。難しい場合は可燃ゴミで出しましょう」
6:粉類は要注意
「小麦粉などの粉類を捨てるときは、小さな袋に入れて空気を抜いてから密閉しましょう。収集時に圧力がかかって袋が破裂したり、粉が外に舞わないようにします。収集員は白い粉塵が舞うと、農薬などの危険な薬品ではないかと考え、確認で大変です」
可燃ゴミの出し方について見てきました。なるべくきちんと分別してゴミを出したいと思っても、忙しくてどうしても細かい処理や洗浄まではできない場合もあります。ケース・バイ・ケースでベターな選択をしつつ、収集時にトラブルが起きないようにしましょう。
次回は不燃ゴミについて伺います。
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