実践!「ごみの分別」の仕組み作り
コンパクトにまとめた卵のプラスチック容器とお菓子の空袋(画像:和田由貴さん提供)
家庭から排出されるごみは、容器包装廃棄物が容積比で63.5%を占めています(令和4年度、環境省調べ)。第1回では、和田さんに家庭ごみを「出さない」ための意識と行動を紹介してもらいました。
生活するうえでどうしても出てしまう包装容器のごみ。コンパクトにするにはどのような方法があるのでしょうか?ポイントとなるのはやはり「ごみの分別」です。
「ごみの分別って面倒くさいから皆さん嫌になるんですよね。分別を『あとでやろう』と思って積み重ねておくと、面倒になって結局は燃えるごみにまとめて出してしまうことになります」
和田さんは、“分別が面倒にならない仕組み”作りを生活の中で実践しているそう。その方法を教えてもらいました。
【紙類】
増え続ける紙ごみは家の中に持ち込まないのがポイント!
「郵便受けに入っていた不要なチラシやDM類は、玄関で開封して玄関に置いておいた紙袋に入れて、家に持ち込みません。後で分別しようと思って、ダイニングテーブルに置いたりするから分別が面倒になってしまうんです。紙ごみは腐るものではないので、紙袋に入れて玄関に置いておき、溜まったら資源ごみの日に出すだけで済みます」
【プラ容器】
容積が大きくかさばるプラスチック容器はできるだけ小さくがポイント!
「私はいつも容器を小さく切って捨てるようにしています。プラスチックごみ用のごみ箱のところに、専用のはさみをひもでぶら下げておき、捨てる際にすぐに手に取れる状態に。セロハンテープも置いてあるので、小さく切ってまとめたらテープで止めて捨てています。お菓子の空袋も畳んでくるくるまとめてテープで止めて捨てるようにすると一気にコンパクトになります」
【食品トレイ】
スーパーで回収しているトレイ類は持って行きやすくすることがポイント!
「エコバッグをキッチンにぶら下げておき、お肉が入っていたトレイを洗って乾かしたらそこに入れていきます。買い物にはそのエコバッグを持って行き、トレイをスーパーの回収場所に入れてから買い物をして、帰りは空になったエコバッグに購入品を入れて帰ります。それをルーティンにすると持って行くのを忘れるということがなくなります」
※資源分別の方法は自治体によって異なります。お住まいの自治体の分別方法に従ってください。
生ごみはコンパクトにして冷凍庫へ、分別アプリも活用
仕組みを作って習慣にすることで、家庭ごみの「面倒」をなくしている和田さん。生ごみについても、コンパクト化を心がけているそう。
「以前は生ごみ処理機を使用していましたが、現在は夫との2人暮らしなので、排出量も少ないため使用を取りやめました」と語る、和田さん流の生ごみ処理方法とは?
「調理中に出る食材の生ごみは、なるべく水をかけないようにして、シンクの三角コーナーは使用せずにスーパーで食材を入れるビニール袋に入れてしまいます。そして口を縛ったら冷凍室の中に置いたタッパーに入れておいてごみの日に捨てるようにしています。
“生ごみ”だと思うと躊躇してしまいますが、『この皮はちょっと前までジャガイモだった』と思うと、ごみという意識はなくなりますよね(笑)。水分を減らして冷凍庫に入れておくと臭いも出ませんし、生ごみの量が少ないご家庭にはおすすめです」
面倒なごみの分別を少しでもラクにしたい、そのためには知ることも重要です。
「ごみの分別方法は各自治体によって違いがありますが、最近では自治体ごとに分別方法を手軽に検索でき、収集日をお知らせする機能がついたスマートフォン用アプリも提供されています。分別方法を知ることで億劫な気持ちも軽減されますし、ごみ出しの日も忘れないのでおすすめです」
分別がラクになる仕組み作りを取り入れてストレスを軽減。そうすることで家庭ごみとの付き合い方も変わるのかもしれません。
次回は、生ごみの処理方法、家庭での生ゴミコンポスト導入について紹介します。
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