1日1か所見直す「30日間手放しチャレンジ」のススメ[第3回]

挫折ナシ!で続けるための
5つのポイント

空間
その他
関心
ライフスタイル悩み事例

具体的なゴールをイメージして、
工夫しながら継続する

 手放しチャレンジをするぞと勢い込んでも、30日間継続するのはなかなか難しいもの。よしかわさんに教えてもらった、継続するための5つのポイントは次の通り。

【継続するための5つのポイント】

1.身近ですぐに終わるところから始める
2.1個でも手放せたら自分をほめる
3.周りに宣言する
4.家族にも協力してもらう
5.迷ったときの判断基準をつくる

「まずは計画を立てるときに、軽めの場所から始めるようにすること。いきなりモノが多くて迷いやすいモノばかりある場所から手を着けようとすると、ハードルが高いと感じて挫折してしまいます。例えば私は財布の中身から始めましたよ。
 そして2つ目は、1個でも手放せたら自分をほめることが大事。減らせたモノの数が多ければ多い方がいい、モノの数を減らすことが正義だと思い込んでしまうと、手放す目的がズレてしまいます。必要ないものに気づいて手放せたらOKで、数の大小は関係ありません。また、見直した結果ここには不要なものがないと判断したなら、その日の結果は0でいいんです。家によって必要なモノや量は違うので、人と比べないことも大切です。
 3つ目のポイントは、周りに宣言すること。私はInstagramでフォロワーさんに宣言しましたが、友人や家族など身近な人に宣言して応援してもらうのもいいと思います。とにかく後に引けない状況をつくることが大切です。
 4つ目は同居している家族にも協力してもらうこと。家族のモノを勝手に処分したり、家族にも手放しチャレンジを強要したりするのはNGです。自分がなるべくモノを少なくしようとしている姿を見せていると、自然と家族も意識してくれるようになるはずですよ。
 5つ目のポイントは、迷ったときに何を基準に意志決定するかをあらかじめ決めておくこと。私の場合は前回もお伝えした通り、『来年の自分もこれを好きで、使いたいと思うか』と考えて決めていました」

 よしかわさんがイメージする理想の空間は、神社やお寺なのだそう。掃除が行き届いていて必要なものしか置いていない清々しさが理想なのだとか。そんな風にゴールのイメージを明確にすることも続けるためのポイントなのかもしれません。

手放しチャレンジに取り組むことで
得られるメリット

 そうやって30日間手放しチャレンジに取り組み、合計50個ほどモノを手放せたことで得られたメリットにはどんなものがあったのでしょうか。

「家の中に余白が増えていく感覚を楽しめるようになりました。また、いつの間にか他の人のいいと思っているものが自分の暮らしに紛れ込んでしまっていることも結構あります。この機会に改めて自分の価値観と照らし合わせて『私の暮らしに、これは本当に必要?』と点検できたことで、スッキリしました。
 手放すことで自分のメンタルが落ち込みそうな思い出の品などは、使わないけれど必要なもの。だから無理に手放さず、他のものを減らしてスペースを確保するようにしています。ものを減らすメリットには、大切なものを保管しやすくなるという点もありますね」

 また、今回「30日間手放しチャレンジ」に取り組んだことで、改めて自分の価値観と向き合うことになったともいいます。

「便利さを追い求めると終わりが見えません。例えば今回一番たくさんモノを処分したのはキッチンでした。キッチン周りでは調理器具や掃除道具など、不便を埋めるための便利グッズはいくらでもあって、モノがどんどん増えてしまいますよね。でも私の場合は、『モノが多すぎてイライラするくらいなら多少の不便はまあいいか』と思える暮らしをしたいんだ、ということに改めて気づきました。自分や家族が快適に暮らせるモノの総量を見極めて、その範囲の中で生活することがQOLを上げるうえでとても大切です」

 手放しチャレンジをするうえで大切なのは「いくつ捨てるか・手放すか」ではなく、今の暮らしに必要か、必要でないかを見直して判断すること。なんとなくごちゃごちゃしているところを1日1か所ずつ点検して、いる、いらないの判断をすれば、実際には捨てられなくてもスッキリします。「30日間手放しチャレンジ」に取り組んで、大掃除までにたくさん余白をつくっておくようにしたいですね。

≪お話を伺った方≫

よしかわりなさん

 webライター/ミニマリスト(@rina_na444)
夫、5歳と1歳の子どもとの4人暮らし。「少ないもので楽しく暮らす」ライフスタイルをインスタグラムやVoicyなどで発信中。インスタグラムのフォロワー数は9万人。

文◎中原絵里子

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)