自分の判断基準を決める
手放しチャレンジで手が止まりがちなのが、使ってはいないけれど手放すには惜しいモノ。迷ったときには、どう考えればいいでしょう?
「まずは、捨てるか残すかの判断基準を決めるといいですよ。私の場合、残すのは“理由があるもの”と“好きなものを少しだけ”と決めています。
また、環境のことなどを考えると、捨てることに対して後ろめたさを感じますよね。そういう場合は、捨てる以外の手放し方があると気持ちが楽になりますよ。私は子どものものは寄附していますし、自分の服などは友人にあげたり、リサイクルショップを利用したりフリマに出品したりしています。そのため新しく買うときも、手ごろなものよりは人に喜ばれやすいブランドのものなど、できるだけリユースしやすいものを選ぶようにしています」
“3大迷い”にはこの問いかけを
手放すか残すか“3大迷いやすいもの”として「高かったもの」「いただきもの」「思い出の品」があります。「もったいない」や「これはあのときの思い出があるから」といった思いがわき上がってきたら、どうしていますか?
「私はなるべく執着心を持たないように心がけています。思い出の品以外は、だいたい代わりがききます。今の暮らしには必要ないけれど、いつかまた使う日が来るかもしれない……と、捨てるのを迷うモノってありますよね。でもまた必要になったときに、そのときの暮らしに合ったものを選び直せばいいと思います。
私もレインブーツは一度手放したのですが、やっぱり必要だと感じてまた買い直しました。結婚や出産などライフステージの変化があると暮らしや価値観が変わることも多いので、柔軟にその都度アップデートできる自分でいたいなと思っています。自分は変化しているのに、過去に買ったモノに無理矢理合わせる必要はありませんよね。
高かったものを手放すときは、『勉強代だ』と思うようにしています。高かったとしても、少ない持ち物の中に納得できていないものがあることの方がもったいないと感じますし」
このボックスに入れておいた思い出の品を見直し、気持ちの整理がついたものは手放したそう。
実際これまでにかなりのモノを手放してきたよしかわさんですが、後悔したことはほとんどないそうです。
「強いて言うなら、ノートパソコンですね。当時は会社員だったので全く使っていなかったのですが、今はライターの仕事もしているので、夫のパソコンを借りています。まさか自分がフリーランスになると思っていなかったので(笑)」
また、今回の30日間手放しチャレンジで思い出の品も見直したところ、「思い出の品は捨てられない」という思い込みを捨てて本当に必要か確認し、「大切なのは思い出そのものだ」という考えに至って、いくつかは手放せたそう。思い出の品を手放せたことで勢いがつき、他の迷っていたものも手放せたという効果もあったのだとか。
「未来の自分も好きで使いたいと思うか」で最終判断
それでもどうしても迷って決められないときは、今回はいったんそのままにしておくか、「保留BOX」をつくって入れておき、時間をあけてまた検討するという方法も。
また、判断に迷う場合は家族の意見を聞いてみるのも効果的です。捨てるのか残すのか取捨選択することはエネルギーを使うので、かなり疲れます。冷静な判断ができなくなってくることもあるので、「これ、手放していいと思う?」などと客観的な意見を求めてみると、冷静な意見をもらえて決めやすくなることも。
「使い道がなくなったものは手放しどきかもしれません。また、私は洋服が好きなので自分のものの総量のうち、洋服がけっこうな割合を占めています。その分雑貨はほとんど置いていません。自分の中で優先順位が明確だと、ある程度持っていてもいいと許せますよ。
最終的に迷ったら、私は『未来の自分もそれを好きで、使いたいと思うか』と考えるようにしています。来年もこれを持っていたいかと考えてみて、そうでなければ執着なので、潔く手放します。
逆もまた然りで、資格試験などに向けて勉強していたテキストなどが捨てられないといった相談をよく聞くのですが、頑張った証だから捨てられないと思っているなら手元に置いていていいと思います。今の自分には捨てられなくても、未来の自分がもう手放して良いと思ったら、そのときに捨てればいいのですから」
最終回の次回は、挫折なしで続けるための5つのポイントをご紹介します。
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